03. 論評の最近のブログ記事

■8月30日の衆院選では、民主党の「圧勝」というよりも、自民党への国民の「圧倒的な見切り」が顕わになった、という声も聞かれます。自民党がなぜ「見切られた」のかを、「ジェンダー」という視点から考えるための、興味深い資料があります。

■WAN(Women's Action Network、 http://wan.or.jp/ )が、選挙に先立って各政党にアンケートを行いました:アンケート結果 (.pdf)

ご覧のとおり、「女性の権利」に関する二つ目の質問では、〈『ジェンダー』という語の使用禁止・排除について〉、自民党のみが、理由の記述なく「排除は正しい」と回答しています。

■このことを含め、今回の政権交代について、CGS所員・スタッフは、たとえば以下のように捉えています:

「女たちの戦争と平和資料館」館長:西野瑠美子
【CGS Newsletter008掲載記事】【ペーパー版と同一の文章を掲載】

アメリカ下院に「慰安婦」決議(H.Res121)が提出されて以来、安倍首相は「河野談話は継承する」といいつつも、旧日本軍の強制を否定する発言を繰り返した。その発言が、被害国はもとよりアメリカの大手メディアを含めて国際社会から批判を浴びると一転、安倍首相は訪米中にブッシュ大統領に対して「謝罪」し、ブッシュ大統領は「謝罪を受け入れる」と応じたという。「慰安婦」被害者でもないブッシュ大統領に謝罪し、ブッシュ大統領が「受け入れる」というこの奇妙なやり取りは、一体、何だろうか。被害者疎外の「謝罪」が、何を解決するというのだろうか。

立命館大学院:ヨシノユギ
【CGS Newsletter 008掲載記事】【ペーパー版と同一の文章を掲載】

2007年3月末、京都では、余寒はあれど光の量は増していた。GID(性同一性障害)治療に伴う乳房切除手術の失敗を理由として、私は、大阪医科大学を提訴した。本稿では、GID医療の前に横たわる課題と、今回の裁判にまつわる思いを述べたい。なおここでの見解をもって、全てのGID当事者の思いを代表・代弁するつもりはないことを了とされたい。

ICU学部:井芹真紀子
【CGS Newsletter 008掲載記事】【ペーパー版と同一の文章を掲載】

安倍首相による度重なる「強制性否定発言」をうけて再び光があてられている「慰安婦」問題であるが、この問題を学校教育はどのように捉え、教えているのだろうか。この6月に母校の女子高で行った教育実習の中で「慰安婦」問題を取り上げたときの体験をもとに、そこに潜む問題を考えたい。

ICU学部生 : 川口遼
【CGS News Letter005掲載】

【要約】
 映画「メゾン・ド・ヒミコ」では、ゲイのための老人ホームを舞台に、借金を背負いながら塗装会社の事務員として働く沙織(柴崎コウ)、老人ホームのオーナーである沙織の父親・卑弥呼、その恋人・春彦(オダギリジョー)を巡る人間模様が描かれている。その性のあり方故に家族から離れて生活する老人ホームの入居者たちは、人生の末期において否応無く家族と向き合わさせられていく。また、この映画は沙織がつとめる塗装会社の専務、細川(西島秀俊)を巡る女性社員の争いを湛然に描くことにより、普遍的とされていた異性愛規範を相対化もする。この会社には、細川との性的な関係を担保に、女子社員の会社内における権力が保証される構造が存在する。この構造は、まさしく非対称的な男女間のセクシュアリティの交換を正当とみなす、異性愛規範に基づいている。この構造から距離をとっている沙織、春彦が細川と関わることにより、今まで問われることのなかった細川のセクシュアリティが相対化され、ひいては構造自体が非普遍的であることが暴かれる。つまり、この映画は一見するとゲイを巡る物語のように見えるが、異性愛規範を問うものとも読めるのだ。

ICU学部生 : 外山容子
【CGS NewsLetter 004掲載】

 2005年9月18日、ICUで開催された「アジアン・フィルム・ショーケース」にてイ・ジョンファ監督作品「結婚の贈り物」が上映された。イ・ジョンファさんは梨花女子大学で物理学、同学院で教育工学を学び、卒業後はTVドキュメンタリーや子供番組の脚本家として活躍している。日本で結婚し、現在も日本で生活している。

03. 論評: 月別アーカイブ