05. コラムの最近のブログ記事

Rainbow candles used by Kiristo-no-Kaze「キリストの風」集会代表:平良愛香
【CGS Newsletter 008掲載記事】【ペーパー版と同一の文章を掲載】

 セクシュアルマイノリティ・クリスチャンのための集い、「キリストの風」集会が東京で始まったのは1995 年9月のことでした。たまたま集まったゲイの中にクリスチャンがいたことから、「自分のセクシュアリティを神に懺悔したり、変えてもらえるように祈るのではなく、神が与えてくれたものと信じて感謝できる場が欲しい」という話になったのです。やがて「教会で礼拝をしたい」という思いが高まり、第一回「キリストの風」集会が開催されたのです。

国際基督教大学教授:御巫由美子
【CGS News Letter007掲載】【ペーパー版と同一の文章を掲載】

 やれやれ。案の定教育基本法改正が国会で成立した。改正法には現行法にはない「公共の精神」や「国を愛する態度」などが織り込まれる。改正法は、戦前の教育勅語のように国家の教育への介入・支配を示唆しており、それ自体非常に憂慮されるべきことであるが、ここではジェンダーの視点から、安倍政権が、教育基本法改正その他の政策を通じてめざそうとする「美しい国」の本質に迫ってみたい。

弁護士:石田法子【CGS NewsLetter 007掲載】

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【要約】
 近年改憲論が声高に語られ、政治の具体的スケジュールとなっている。安倍総理は、2007年の年頭所感で、自分の内閣での憲法改正を目指すことを、参院選の自民党の公約として掲げると表明した。
 しかしながら、自民党が2005年10月に発表した新憲法草案は、現行憲法の平和主義を放棄し、この国を、軍隊を持ち、集団的自衛権の名の下に米国と共に世界の隅々で戦争をする国にしようとするものである。またその体制を強固にするために、個人の利益に先立つ「公」の原理を、人権の制約原理に持ち込み、人権保障を後退させている。
 現行憲法は、14条で女性に平等を保障し、24条で「家制度」から女性を解放した画期的なものであるが、改憲論議の中で、24条への攻撃は激しく、その削除、改訂が主張されていた。新憲法草案ではその改訂は見送られているが、それは国民投票権を持つ女性の反発を避け改憲への道筋を開きたいとの狙いにすぎず、一旦改憲されると必ずや24条改訂は浮上する。
 改憲論の台頭と、ジェンダー思想を敵視するバックラッシュ、ジェンダーバッシングの動きの拡大とは連動し、改憲勢力とバックラッシュ勢力は重っている。新憲法草案が目指す社会は、ジェンダー的に大きな危惧がある。
 改憲に強く反対する。戦争の中で女性の平等は守れない。戦力で女性の権利は勝ち取れない。

東京メトロポリタンゲイフォーラム共同代表:赤杉康伸・石坂わたる【CGS NewsLetter 007掲載】

 2006年7月8日夜、高校3年の男子生徒ら少年4人が、東京都江東区新木場の夢の島公園で男性同性愛者(ゲイ)に暴行を加えて全治40日の怪我を負わせ、現金を奪ったとして、強盗傷害容疑で警視庁城東署に逮捕されました。また、4人組は男性を襲った直後、400メートルほど離れた同運動場内で別の男性も襲い、2週間の怪我を負わせました。4人は初めに襲われた男性の110番通報で駆け付けたパトカーのサイレンを聞いて、2人目の男性からは現金を奪わず逃走しましたが、間もなく同運動場内で捜査員に取り押さえられました。
 この夢の島公園は、ゲイ・バイセクシュアル(両性愛)男性が出会いを求める「ハッテン場」と呼ばれる場所のひとつです。異性間カップルにとっては社会の至る所に準備されている出会いの場ですが、可視化が進んでいない同性間カップルの場合、非常に少ないのが現状です。そのため、ゲイ・バイセクシュアル男性当事者は口コミやゲイ雑誌、最近ではインターネットなどの媒体により自分たちが出会える場所を形成してきました。それがハッテン場です。夢の島公園は東京都内に存在する野外ハッテン場では比較的規模が大きく、今回の事件における1人目の被害者のように全裸になる人やセックスをする人もいます。

北京師範大学、教育学院:林玲【CGS NewsLetter 006関連記事】

出会い:興味
 指導教官である鄭新蓉教授からご指導いただくまで、私は彼女がフェミニストであることを知らなかった。その後も、彼女とフェミニズムとの関わりが、私にそれほどの影響を与えるとは思ってもいなかった。しかし現在、私は指導教官と同じ分野に強く興味を持ち、彼女同様、フェミニストとなった。

早稲田大学大学院:森脇健介

 2005年11月12日、男女共同参画社会基本法の現状と、最近のジェンダー・バッシングをテーマとしたシンポジウムが早稲田大学において開催され、百人超の人々が参加した(主催:早稲田大学ジェンダー研究所)。タイトルは、「危機にある『男女共同参画社会』?」。そもそも今の社会は、男女共同参画の可能な社会となっているのか、そしてこの「男女共同参画」の理念は、真に「男女平等」の理念に立脚しているのか、という二つの疑問から、このようなタイトルが選ばれた。

ICU大学院 : 平野遼
【CGS News Letter005掲載】【ペーパー版と同一の文章を掲載】

 近年、LGBT雑誌業界の浮沈が著しい。ゲイ専門誌の老舗「薔薇族」は04年11月に廃刊になり、05年4月に復刊したが、再び06年1月号をもって廃刊となった。また02年創刊のレズビアン専門誌「カーミラ」も05年12月発刊のVol.10をもって終了した。しかしその一方で05年12月には、タワーレコードからLGBTを対象とする初のライフスタイルマガジン「yes」が新しく発行されてもいる。

ICU学部生 : 金子活実
【CGS NewsLetter 004掲載】【ペーパー版と同一の文章を掲載】

 2005年6月11・12日の2日間にわたって行われた日本女性学会年次大会の開会プログラムとして「フェミニズムと戦争―『銃後』から『前線』への女性の『進出』!?を踏まえて」と題したシンポジウムが横浜国立大学で開催された。

明治大学法科大学院 : 名取克也
【CGS NewsLetter 004掲載】

 『ジェンダー法学』という分野をご存知でしょうか。学問としての歴史はまだ浅く、2003年12月に「ジェンダー法学会」が発足したばかりです。そして、司法制度改革の一環として2004年度からスタートした法科大学院の一部には、ジェンダー法学を扱う科目が設置されました。
 このコラムでは、法科大学院でジェンダー法学を学ぶ者として、ジェンダー法学や法科大学院に対して感じたことを書いていきます。特に、外部からはあまり見えない法科大学院とジェンダーの関係や、ジェンダー法学の授業内容などを扱います。

編・CGS編集部 著・小林成生(フィリピン在住)、吉成愛子(ICU卒業生)
【CGS News Letter004掲載】

 2005年4月発行CGSニューズレター3号に掲載された吉成愛子さん(ICU卒業生)の記事『タイ・フィリピンの旅行産業と性産業』について、フィリピンに在住する小林武生さんからCGS編集部宛にメールが届いた。小林さんは、日本のフィリピンクラブの店長やフィリピン人芸能人プロダクション勤務を経て、現在フィリピンで生活している。吉成さんは、3週間訪れたフィリピンとタイにおける「旅行産業と性産業」の実情をCGSオンラインに掲載する記事としてまとめた。小林さんは、この記事の情報がフィリピンの一部に限定された偏った情報である点をあげ、性産業が栄えているという偏った情報は、フィリピンのマイナスイメージにつながると意見した。

 二人の議論はフィリピンの現状についてさまざまな点から展開され、多くの情報が引き出された。吉成さんが第三世界における旅行産業の中に性産業が「経済的搾取」の構造で組み込まれてしまっていることに問題意識を置くのに対し、小林さんは、フィリピンで生活する側からみた現地の状況に焦点を当てている。立場の違いから若干の齟齬はみられるものの、往復した書簡からは結果的に多くを得た。編集部では小林さんと吉成さんの間を中継し、数回にわたる書簡のやり取りとその全文を、お二人の許可を得てCGSオンラインで公開する。