フェミニスト経済学フォーラム設立

大阪府立大阪女子大学大学院 : 堀久美
【CGS News Letter002掲載】

 昨年のジェンダー法学会の設立に続いて、経済学においても新たな動きがあった。4月17日(土)、日本における交流と研究の蓄積、1992年に設立された国際フェミニスト経済学会(IAFFE)などの国際的な研究動向の把握と共有を当面の主な課題に、フェミニスト経済学日本フォーラムが設立され、設立記念シンポジウムが法政大学を会場に開催された。そのスタートの熱気を実感したいと東京まで足を運んだのだが、果たして、私の期待どおりのシンポジウムであった。予想をはるかに上回る参加者で、熱心な報告、議論が行われた。

 シンポジウムのテーマは「経済学をジェンダー化する」。シンポジストと報告テーマは、久場嬉子さん「経済学批判の盲点—アンペイドワーク論の射程」、居城舜子さん「女性の仕事の『価値』、平等賃金、生活賃金」、村松安子さん「マクロ経済学のジェンダー化とジェンダー予算—開発に見られる非対称性への挑戦」、山森亮さん「フェミニスト経済学とA.センの議論をめぐる覚書」、足立眞理子さん「グローバル資本主義=グローバリゼーションへのフェミニスト政治経済学分析の方法」であった。それぞれの報告は易しい内容ではなかったが、女性の働く環境や私のライフスタイルに関わっているものであり、逆に言うと、「私」がダイレクトに国際的な経済・社会の変化とつながっていることを感じさせるものであった。

 特に村松さんのお話は、時間の都合で具体的な内容までは踏み込まないものであったが、ケアなどジェンダー視点を取り入れた経済モデル(所得循環)を考えた上での、予算分析の方向を示すものであり、興味深かった。

 フェミニスト経済学の取組みは始まったばかりだと思う。既存の経済学にジェンダーの視点を取り入れるだけではなく、「私」の経験を理論づける、根本的に新たな経済学が生まれることを願っている。

月別 アーカイブ