07. 講演録の最近のブログ記事

フェミニスト・ビデオ・アクティビズムWOM(ウム)
【CGS Newsletter016掲載記事/アジアからのニュース】

フェミニスト・ビデオ・アクティビズムWOM(ウム)は、2001年以降、ドキュメンタリー映画製作やメディア教育、政策提案、映画供給などに、フェミニストの立場から取り組んできました。今回のニューズレターでは、2013年3月開催のYoRAPイベント「韓国ユース・レズビアンのつながりを撮る」での講演を収録します。(翻訳協力:伊庭みか子、須崎友紀)

2009年5月20日、「ジェンダー研究へのアプローチ」の授業の一環として、大学教員である飯野由里子さんとニュースコンテンツサイト「デルタG」のライター・運営スタッフであるミヤマアキラさんによる対談形式の講義が行われました。

 授業受講者のみならず、学内・学外から多数の方に参加いただきました。「名乗り」としてのカミングアウトや、一方的な「名付け」や人格への還元など、「名付け」「名乗り」をめぐる問題について議論されました。また授業参加者のグループワークから出された質問をもとにした質疑応答では、幅広いテーマにわたってお二人のお話が展開され、非常に興味深い対談となりました。

飯野由里子×ミヤマアキラ対談:「<名付け>をめぐるポリティクス」採録1

飯野由里子×ミヤマアキラ対談:「<名付け>をめぐるポリティクス」採録2

飯野由里子×ミヤマアキラ対談:「<名付け>をめぐるポリティクス」採録3

飯野由里子×ミヤマアキラ対談:「<名付け>をめぐるポリティクス」質疑応答

takayama2007_01.jpg 2007年10月5日(金)、カウンセラーの高山直子氏をお迎えして「燃え尽きない働き方」と題した講演会を催しました。CGSとICU就職相談グループは2005年度より「卒業して社会人となり、仕事上の困難に直面した時にも役立つ情報の提供」を目的として、講演を共催して参りましたが、今回の講演はそのシリーズの第三回目。学生、教職員、また告知を見て学外からいらっしゃった方々など、約 120名の皆様にお集りいただきました。

 講演録イントロダクション
 講演録1
 講演録2 
 講演録3
 講演録4
 講演録Q&A

 講演レジメ:ファイルをダウンロード

「自分の最大の敵は誰?」チェックリスト:ファイルをダウンロード

2007年10月5日
CGS・ICUジェンダー研究センター共催講演 「燃え尽きない働き方」
講師:高山直子氏(サポートハウスじょむカウンセラー)

田中かず子(CGSセンター長)
 今日はICUジェンダー研究センターと就職相談グループが毎年共催で学生の方達にセミナーや講演会という形で開催しております、今年度で第3回目の会合になります。今年度は「燃え尽きない働き方」ということで、高山直子さんを講師としてお迎えしておりますが、その前に、学生部長の中村先生の方からご挨拶をお願いしたいと思います。

中村一郎(ICU学生部長)
 皆さん、こんにちは。何を言おうかって、田中先生がみんなおっしゃったような気がするんだけれども、とにかくこんな時間に皆さん本当によくいらっしゃいました。ありがとうございます。それから今も、これが3回目の講演なんだけど、ちなみに第1回目はどういうタイトルだったかというと「男女賃金差別訴訟」ということで二人の講師(住友電工男女賃金差別裁判の元原告の一人である西村かつみさん・同元弁護団長の宮地光子弁護士)に来ていただいて、お話をうかがいました。去年が第2回目で、その時は「後悔しない就職しませんか」という題で、正規、非正規労働者の現状について伊藤みどりさん、藤井豊味さん(女性ユニオン東京) にお話をいただきました。そして今年は「燃え尽きない働き方」という題です。

【1. 人はなぜ燃え尽きるのか】
高山
 では、人はなぜ燃え尽きるのか。今日は「燃え尽きない働き方」というテーマだけれども、なぜ今回この「燃え尽きない働き方」というテーマにしたかというと、やっぱり最近、若い30代後半から、中間管理職あたりになる人が、すごく疲れているの。昔は終身雇用制という形で、ずーっとキレイに上に上がっていったけど、今は終身雇用制が段々崩れてきていて、成果主義になって、間の中間管理職というのはごっそり抜けています。

 そうすると、10年・15年働いた人たちが、ものすごい負担を抱えて働いているケースがすごく多い。そうすると、働けど働けど全然楽にならないっていう感じで燃え尽きちゃう人が増えているのね。だから今、30代の鬱が増えているよ、とかテレビでもよく言っているけれども、そういうことが起きている。だから今回こういう風に、「燃え尽きない働き方」ってどうやったらできるんだろうということをテーマにお話させていただくことにしました。

【3.自分の意思や考えを伝えるテクニックあれこれ】
高山
 では、自分の意思や考えってどうやって伝えるか。結局、こういったストレスは、コミュニケーションの中 から生まれてくるのね。でもコミュニケーションというのは、聞く人と話す人がいる。自分の意思を伝える人とそれを受けとめる人。ちょっとみんなからのリクエストがあったから、先に、自分の意思を伝えるテクニックの話をします。だいたい、4つポイントがあります。大事なポイント。主張することが上手だけれども、人によく聞いてもらえない人っていると思うの。主張しても人がうまく受けとめてくれない。そういう人はね、今から言う4つのポイント覚えて帰って下さい。

【2.カウンセラーが使うリスニング(傾聴)・スキルを生活に生かす】
高山
 今度は、リスニングのスキルについてお話します。私はカウンセラーですが、カウンセラーの役割、仕事というのは聞くことです。聞けないカウンセラーは、ちょっと難しいね。カウンセリングというのは、自分がしゃべっていたら意味ないからね。なので、カウンセラーになって、一番初めに叩き込まれることが、リスニングスキルです。今日お話しするリスニングスキルはみんなが生活で活かせるスキルだから、これも覚えて帰ってください。

 今回のチラシに、「ICUの学生さん達は話をすることはみんな案外得意かもしれません」と書いてあったと思うのだけど、話すのは得意かもしれないけど、聞くのが得意じゃないと、コミュニケーションはなかなか成り立たないのね。やっぱり、両方必要です。で、コミュニケーションというのは、聞く側の意識によって、聞いた話の受けとめ方とか、受け入れ方が変わってくるの。さっき言ったよね、卵の話。聞いている側のシチュエーション・状況・意識によって、解釈が変わります。だから、リスニングスキルが大事になってくるの。いったいこの人は何が本当に言いたいのだろうって。

【4.燃え尽きる前にできること】
(1. 心が疲れていることに気づくポイント)
高山
 燃え尽きる前に何ができるか、ということです。まず、体の疲れと言うのは誰でも大体キャッチできるの。例えば、もう毎日、午前様で仕事しているとか、そうすると、もちろん疲れるよね。疲労が溜まる。疲れているのに眠れないとか。あと、頭が痛いとか。肩がこるとか。食欲がなくなるとか。朝起きられない。もしくはやたらに眠い。体の症状というのはわかりやすいの。 でも、心が疲れているときというのは結構わかりづらいです。周りは気が付いても、本人は気が付いてないことも結構あるの。だから、心の疲れにどう気づくかということが重要になってくる。心の疲れをどうやって察知するか。大事なことは、「感情を自分が表現しなくなった」、「最近あんまり感情表現してないなぁ」と思ったら、−−−感情表現はそれぞれみんな違うけどね、レベルが。すごーく表現する人もいれば、おなじくらい楽しいけど、あまり表現しない人もいるけれど−−−ちょっと注意してください。笑わなくなった、とかね。「なにに対しても楽しいとか嬉しいとか悲しいとか辛いとか、そういう感情もあんまり感じなくなった」とかそういうのは注意。

 もしくは、思考がネガティブなスパイラルに陥りやすくなっている。さっきのチェックリストでやった、自分を責める、寝ている間中でも、「あーなんであぁなんだろう、こうなんだろう」「何で僕の人生はこんなつまんないんだろう」「何で私はこんな目にあっているのだろう」とかさ。「私のせいなのかな、私の性格がこうだからかな」そういう風になったときには気をつけてね。

田中
 高山さん、どうもありがとうございました。ちょっと時間がおしてしまったので、あまり時間が取れないのですけれども、質問をお受けして、その後CGSで高山さんを囲みながらお話する機会を設けますので、お時間のある人は、少しCGSの方に来てください。それから、みなさんのファイルのなかに、アンケート用紙が入っていると思います。ぜひ、感想などを書いて頂けると、またいろいろと参考にさせて頂きたいと思います。

 今日は、非常に具体的に、どういう風にして、生き残るのか。どういう風にして、ストレスの少ない、人間関係を作るのか、ということでお話して頂きました。ほんとに、もう、沢山ありますので、全部消化する、全部具体的にわかるというところまでいくのは、なかなか難しいとは思います。でも実は、人権セミナーを12月に企画していまして、その時に、やはり、高山さんに、来て、お話をして頂くことになっています。その時にはまた、違うバージョンのお話をして頂こうと思いますので、それも、心に留めておいて下さい。それではなにか質問、今、質問がある、この場で聞きたいというもの、ことありますでしょうか?

otsujiPS060404.jpg 2006年5月23日、ICUにて大阪府議会議員、尾辻かな子さんの講演会が開催されました。講演のテーマは「『虹色』の社会をめざして」。性的マイノリティの置かれている現実と今後の課題を非常に分かりやすく説明していただきました。講演は、聴衆も学生、教職員、一般のお客様など400名を超え、大盛況のうちに終了しました。
 この度この講演の全文を、公開します。

 2005年5月27日、ICUにて新たな学科間専攻ジェンダー・セクシュアリティ研究(PGSS)の開設を記念して、東京大学大学院人文社会系研究科教授、上野千鶴子氏の講演会が開催されました。講演のテーマは「ジェンダー・セクシュアリティ研究に何ができるか?」。「初学者にも上級者にも面白いものを」との要請に見事に答える刺激的かつ濃度の濃い講演となりました。また、聴衆も学生、教職員、一般のお客様など400名を超え、大盛況のうちに終了しました。

 つきましてはこの講演の全文を、上野教授の許可の下、公開します。なお、引用は一切、許可できませんのでご注意ください。

【グループ1】
 非異性愛者と異性愛者の関係は、わざわざ名乗る必要がない社会になっていくのが理想というふうにおっしゃっていましたが、お二人にとって、もう少し具体的にどのような環境が理想なのでしょうか。

【グループ2】
 世代による思い込みというか、偏見ってあると思いますが、若い世代になるにしたがって、セクシュアリティがマイノリティに対する偏見は少ない傾向にあるように思いました。
そして、お二人のお話の中にあった、「アメリカ人が嫌いだ」ということと「同性愛者が嫌いだ」ということに違いがあるんじゃないかということを、僕もさっきから考えているんですけど、いまいちはっきりした答えがありません。アメリカ人が世界の中でマイノリティと考えている人がいないということも大きいのかなと思いました。ただ、9.11以降、アメリカ人というだけで世界の人から嫌われてしまっているというふうに思っていて、それをむしろ、ざまぁみろっていうのとはちょっと違いますけど神学者がいてなんですけど。つまり、今までは黒人っていうだけで差別されてしまうような状況を、アメリカ人全体が負っているっていうのは似たような状況であるっていうふうに言っているコーネル・ウエストという黒人の神学者がアメリカにいて、そのことを思い出したりしました。すみません、まとまらなくて。

「名乗り」を「引き受ける」?

飯野:話がずれましたけど、噂ではミヤマさんはレズビアンって使わない派だって聞いたんですが、なんかさっき親にはレズビアンって言ったっておっしゃってたんですけど。

ミヤマ:いやそれはよく使う時ありますよ(笑)。

飯野:私もそうですけれども、あんまりレズビアンという名乗りは使わない派だということは前々から聞いていて、それを「ずるい」とも言われたっていう話をちょっと耳にしたことがあって、それはどういう話なんですか?

ミヤマ:それはですね、ある人からそう言われたんですが、ご本人はレズビアンであることにすごく誇りを持っている人なんですね。差別されたり偏見を持たれたりするかもしれないという都合の悪い部分も含めて、覚悟を持ってその名乗りを引き受けた人で、「私はこれからもレズビアンのライフスタイルを模索していくのよ!」ってことを鼻息荒く(笑)語っていたんですけれど。

飯野:待って、レズビアンのライフスタイルって何?

飯野:それでは次の話題に移っていきます。ここまでの話で、もう多分どんな人でも(笑)、わかっているかなと思うんだけれども、異性愛が標準とされている世界に住んでいるよね、まぁそれは否めないよね。っていうことと、それを「異性愛がデフォルトの世界」ってここで私たちは今まで呼んできたけれども、そういう「異性愛がデフォルトの世界」では非異性愛の人たちは、リスキーだとは思っていても、わざわざ名乗らなきゃいけなかったり、何度も何度も名乗らなきゃいけなかったり、リマインドしてあげないといけない、しないと存在が消されちゃう、自分が何者であるかっていうことが認識されないまま、なんか「みんなそうだよね」っていう中に入れ込まれてしまう。そういう名乗らなきゃいけないこと自体、ややこしいし厄介だし、面倒くさいし問題だと思っているんだけれども、それだけなのか。今日は「〈名付け〉をめぐるポリティクス」というテーマですけれども、「名乗ることって厄介なんだよ」っていうだけでじゃなくて、もっともっと難しい問題が視点を変えると見えてくると思うので、次にそっちの話に移ろうと思います。

田中 かず子:ゆりこさんとアキラさんです。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

飯野由里子(以下飯野): ゆりこです(笑)。ICUはそういうカルチャーなんでしょうか。

ミヤマアキラ(以下ミヤマ): ミヤマアキラと申します。デルタGというニュースコンテンツサイトを運営しております。

飯野: 一生懸命声を張り上げてしゃべっているのですが、いつも学生さんに飯野先生の声は眠くなるといわれます(笑)。本日は19時まで、若干長い時間になりますけれども、よろしくお願いいたします。

ICU在学生 : 金子活実
【CGS News Letter002掲載】

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2004年5月7日、ジェンダー研究センターのオープンを記念して「結婚・家族・ジェンダー」と題した講演会が開催された。講師は、弁護士時代セクハラや家庭内暴力事件を担当し、現在は選択的夫婦別姓法案の通過と婚外子差別の撤廃にむけて「趣味と生きがいと実益をかけて」精力的に活動している福島瑞穂さんだ。参議院議員であり社民党の党首もつとめている。

ICU在学生 : 小竹茜
【CGS News Letter002掲載】

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5月12日、ICUにおいて、クラウディア・デリヒスさんが「アジアにおける女性のリーダーシップ比較研究」という講演会を行った。

 デリヒスさんは現在ドイツのデュイスブルグ大学で政治学の助教授で、「アジアにおける王族と女性の政治的最高指導者達」という研究プロジェクトに携わっている。ドイツで行われているこのプロジェクトは、アジア10カ国12人の女性政治的リーダーを対象に2003年から2005年まで行われる予定だ。そこで今回の講演では、現在進行中のこのプロジェクトの概要を説明した。

ICU在学生:川坂和義【CGS News Letter001掲載】

 2003年12月19日に世界人権デー記念の人権セミナーの講師としてICUに上川あやさんがいらっしゃいました。上川さんはトランスジェンダーであることを自らカミングアウトして世田谷区議選に出馬し、当選なさった方です。トランスジェンダーとは、「心の性と体の性の食い違いに苦しむ状態」のことでWHO(世界保健機構)の分類にもある疾患名です。

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