【CGS Newsletter011掲載記事の全文バージョンです。ダイジェスト版はこちらからお読み下さい。】
2008年、ICU祭のミスコン企画を巡りICU祭実行委員会とCGSの間で数回の話し合いが持たれました。双方の頭を悩ませた「ICUでミスコンをやるとはどういうことか」という問題......。改めて考え直すために、実行委員会の石黒慎太郎さんと上原恵太さんをお招きし、サポートハウスじょむのカウンセラー高山直子さんの進行の元で、座談会を開きました。この問題をみなさんはどう考えますか?
2008年度ICU祭実行委員会委員長:石黒慎太郎(石)
2008年度ICU祭実行委員会本部企画局:上原恵太(上)
井芹真紀子・丹羽尊子・鈴木直美:CGSスタッフ(井・丹・鈴)
進行役...サポートハウスじょむ カウンセラー:高山直子(高)
高山直子(以下、高)
そろそろはじめようか。今日私がここに呼ばれたのはあくまでもファシリテーターとしてだから、私の価値観とかは重要ではなく、あくまでも進行をスムーズにすることが役割なんです。今日の座談会は、ミスコンの話なんだよね。
石黒さん・上原さん(以下、石・上)
はい
高
ミスコンをICUで開催する、しないということについて話をするようなのですが、みなさんが話しやすいようにしていくのが私の役割で、話しにくくすることではないから、私の価値観や考え方は、外に置いておきます。ただ、たとえば私がみんなの話を聞いていてちょっとわかりづらいとか、質問してみようかなと思うところは質問させてもらったりするかもしれません。けれど、特に「こっちに行きなさい」とか、方向を示すためにここにいるわけではないから、それは理解してほしい。あくまでも皆さんが話しやすいようにしていくことが今日の私の目的です。それでは、よろしくお願いします。今日のテーマについては、私のほうがよっぽど不勉強で教えてもらうつもりで来たから。本当はがんばって勉強してからこようかなと思ったんだけど、全然勉強しないで来てしまいました。なので、いろいろ教えてください(笑)。
今日みんなが話すテーマは難しい問題だと思うの。本当に、簡単にパッと切って終わりという問題じゃなくて、長いこと議論されてきている問題なので、こんな風に話しをするのはすごく面白いと思うよ。みんなが遠慮しないで、自分の思うことを話せるのが一番いいかなと思っています。あとは、この座談会の内容をまとめた後、読者がそれをどう読むかは読者が判断することだから、読者に任せていいんじゃないかな。何が正しいとか正しくないということではなく、自分の思ったこと・考えたことだから、実行委員会としてでもいいし、個人としてでもいいし、CGSとしてでも、スズキナオミとしてでもいい。ただ、話を進める中で具合が悪くなったりしたら、すぐに言ってください。そのときは、ちょっと中断しましょう。じゃぁ食べながら飲みながらざっくばらんにやっていきますか。
鈴木直美(CGSスタッフ/以下、鈴)
とりあえず、経緯について思い出してみたいなって思うんですけれども。
高
私も経緯についてほとんど聞いてないんですよ。
鈴
私も全部を知ってるわけじゃなくて、噂によると、最初6月ごろに来室されて、ちょっとそこでお話があったのが......もしかしたらミスコンの委員会の方、上原君かもしれないみたいな話を伺ったのですが、一度いらしたことはありますか。
上原恵太さん(ICU祭実行委員会 本部企画局/以下、上)
基本的に僕はCGSの方とのミーティングは全部参加していて......
あ、一度だけ3月の頭ぐらいに、うちの局長の鈴木[2008年度ICU祭実行委員会、本部企画局局長、鈴木美南さん]がですね、こちらに来まして、その時にICU祭でミスコンの可能性というのはどれくらいあるんですかねということを話したと聞いたんですよ。
その時には、まぁ、CGS全体としてのコメントではないかもしれないんですけれども、「そんなに問題ないんじゃないんですかねぇ」みたいな返事があったという風に鈴木のほうから聞きまして、で、そういう話もあったということなので、三月ごろから、今年はミスコンあってもいいんじゃないのという話になったんですね。
で、本格的にミスコンを軌道に乗せてやっていこうという話になったのが5月6月ごろでして、6月の頭ごろにアポなしで一度こちらに失礼させていただいたのですけれども、その時は井上さんとちょっとお話をさせていただいたんですけれども、その時は、メンバーが...たくさんいましたっけ?
丹
実行委員長と上原さんと鈴木さん......?じゃないや、もう一人の...
上
あ、高篠ですね、財務局長の。財務面でも結構その企画にかかわっていたので、三人でアポなしでうかがわしていただいたんですけれども、その時に、「絶対にそういうのはまずい」ですとか、あとはまぁ、やるのは委員会の判断で構わないけれども、CGS側としてはちゃんと抗議はさしていただきますといったような意味合いのお話で......
石黒慎太郎さん(2008年度ICU祭実行委員会 委員長/以下、石)
あ、その時は私ではなくて別のもの、有志のモノですね。
上
で、正式なミーティングを一度もうけまして、その時が、えっと......
石
私と鈴木と上原で、三人でお会いしましたよね。
上
で、それを経たうえで、最終的に夏休みに一度......
メンバーは、鈴木と僕ともう一人、うちの局長の補佐をしていた萩原というものが、三人でERBのあちらの会議室のほうを借りてミーティングをしていただいた、というのが......
鈴
それが最後ですよね?
上
そうですね、それが公式で最後ですね。
鈴
じゃぁ、ええと、複数人でいらっしゃって、アポをとっていらっしゃったのは全部で三回ということ......でしたっけ?
上
いや、二回だけですね。
鈴
二回か。
上
丹羽さんと井芹さんは最後の夏休みのミーティングのときに、いらしてくださいましたよね。
井芹真紀子(以下、井)・丹
はい。
丹
あれ夏休みだったんだ。
鈴
なんか今の話を聞くとですね、ちょっと最初の対応も......ちょっと混乱させて、5月6月に相当本格的に準備なさったんじゃないかと思うので、申し訳なかったなぁって言う風におもって......。
なんかもしかしたらそういう感じだったんじゃないかなぁという気もしていたんですけれども、「それでいいんじゃない」っていうようなことが、うちからあったということで、申し訳なかったなって、思いました。
上
上 ただこちらの落ち度としましては、3月にお話しした時も公式なミーティングではなかったですし、その後もやろうやらないという話をずっと委員内で、内向きでずっとやってただけだったので。
鈴
その委員内のやるやらないの話とかって、どういう風な「やるやらない」っていう......
上
そうですね、そもそも今年ちょっと人員不足でして、もう一つ企画を増やすっていう時点でだれがやるんだっていうことで随分もめたんですよ。最終的にぼくも元々企画を持ってたんですけども、じゃぁ僕がもう一個持ちますっていうことでおさまったんですけれども、そこで随分、やるにしてもやる人いないしって言うことで、だれか、新入生をもっと勧誘して殖やそうかとか、そういうとこで結構時間をかけてもめてたのかなぁ、他に何かありましたっけ?
石
あとは、企画自体の話としましては......
有志が新企画としてミスコンやりたいという風に言っていたのは勿論確かなことなんですけれども、特に二年生、上原を中心とした者たちでやりたいなぁという感じのことを言っていて......。
今年はさらに人数不足っていうこともありますし、ちょっと企画に"できる・できない"っていうもので優先順位をつけていたんですけれども、5月とかその前の段階では、ちょっと人がつかないので、学問的な企画に偏ったものを我々の中でやるという風に言ってまして。
で、一般の皆さんに参加していただくような企画というものがなかったので、幹部の中では、まぁ、参加していただけるようなミスコンのような企画はあったらいいんじゃないかな、というように話していたんです。
でも完全にミスコンそのものを賛成していたという......、そういう者もいたんですけれども、それとは別に"ミスコンというような形態"と言いますか、"お客様にも参加していただけるような企画"というベースを共有したほかの企画を行ったらいいんじゃないかなっていうほうに変わっていくことを条件に、割と認めていたというか...企画というものを承認していた幹部も割と多くて。それは上原にも話していたことではあります。
高
じゃあ一番初めの目的としては、一般の人も参加できるようなものを何かやろう、ということだったのかな。
上
そうですね、それもちょっと委員会内でいろいろ割れるところはあるんですけれども、もうミスコンじゃなきゃ意味がないって言っている人ももちろんいたんですよ。それは、確かにありましたね。
高
それには、何か理由があるのかな。
上
そうですね、たぶん一般的だっていうこととか、やっぱ他の学園祭でもそれなりに盛り上がっている企画ですから、定評がある、ということでそれにあやかって、うちの学校でもやったらやっぱり目玉企画として一番やりやすいんじゃないかな、ていう考えかな、と思います。
高
なるほどね。そうじゃない人もいたっていう感じだったけれどそれは......
上
そうですね。委員長なんかははじめからミスコンじゃなくて、もっと、一般的なコンテスト企画のほうがいいっていう側でしたし。
高
その理由をもう少し具体的に聞いてもいい?
石
えっと、それはやっぱりICUはジェンダーの研究......って言ったらあれですけれども......そもそも政治的なお話でアレですけれども、こちら[CGS]ですとか、学生サービス部のほうからまずは支持が得られないだろうということで、まず進んでいくことができないんじゃないかっていうこと......ですね。
それで、時間がかかってしまうので、向いていないんじゃないかっていうことと、あとは実際的な、その、自分の中の問題でもあるんですけれども、たとえばゲイの皆さんですとかレズビアンの方ですとか、トランスジェンダーのような方々には受け入れてもらえないんじゃないかなぁというのがありまして。
ICUって言うのは、そういう研究、研究だけじゃないですけれどもそういう方々が割とオープンにされているという部分もあるし、まぁ、オープンにされているからいいというわけではないですけれども、万人を楽しませられないような企画っていうのはまずは向いていないんじゃないかな、っていう、ICUにふさわしくはないんじゃないかな、っていう風には考えておりました。
本当に蛇足になってしまうんですけれども、自分は寮に所属しているんですけれども、寮で何か企画をおこなうときでも、たとえば......、昔はゲイの方もうちの寮にいらしたので、ずっとある文化というわけではないんですけれども...たとえばゲイに対する悪い発言があったりする。そうすると、それってどうなんだろう、今もしカミングアウトできてなくてもそういう人もいるかもしれないからそういうのは寮としてやめたほうがいいんじゃないか、ということは、以前副寮長を務めていたので、そういうのは、イベントなんかのミーティングの場では言っていたことはあって、少しそういうところで意識が高まっていたのかなぁと。
高
そうすると実行委員会の中でも意見がわれていたみたいだけれど、それはどういう風にまとめられていったの?
上
そうですね、はじめは本部企画内だけでこれでやっていこうかって決めて、その他の委員の意見は、反対している人たちの意見もあんまり踏み込めなかったというのは実情ですね。
実は委員内でも全体の意見を聞いて企画を審査する・審議するという機会があんまりなくてですね、審案会ということを一応何度か行っているんですけれども、ちょうど第一回目の審案会は春学期中にありまして、この企画をやろうっていうことになったのはそれが終わった後になってしまいまして、委員全体の意見も加味した上での企画っていう風にできなかったんですよね。だからちょっと本部企画局内だけで先走った感じにはなってしまったんですよ。
石
本当に腰を折る形になるんですけれども、非常に申し訳ないんですけれども、このミーティングの目的......を一応じかにお聞きしてもいいでしょうか。
全員
(笑)
鈴
(笑)ただ会って話したいなーっていうだけなんだけれども......。
あとはこれもうちらの政治的な目的なんだけれども、ちょっと学生さんの間で誤解をされていて、授業のヘルプとかもやっている人がスタッフの中に多いんだけど、ジェンダー系の授業で、「圧力みたいなことをフェミニスト側が掛けているっていうことがICUの実態としてある、それをどうお考えですか?」って言うようなコメントシートが先生のほうに上がってきたりというようなことが結構頻繁にあって、
石
あ、ICU祭実行委員会の企画っていうのを実例として上げてきたっていうことですか。
鈴
そうなんです。「祭のミスコンを」っていう風に書いてあったんで、あぁ、どっかで誤解されてうわさが広まっちゃってるな、と思ったんで、ただ、そんなに対立していたつもりもなかったので、
石
そうですね、ほんとにご協力いただいてありがとうございました。
鈴
いえいえ。なので対立していないよ~っていうことが対談しているっていうことで示せたらいいかなっていうことと、あとやっぱ企画について後手後手に回るよりは、あらかじめこういう企画があるんだけれども、ジェンダー的に問題なくするにはどうしたらいいかっていうことを、一緒に考える機会っていうのを先々まで持っていたいなっていうのがあって......
それはたぶん、うちらにとってまず第一に喜ばしいことであるのと、みなさんが問題に巻き込まれないためにもそういうのは必要だろうと思うので、そういう関係作りの一つとして、こういう楽しい会がもてたらなっていう感じで...ですね。
石
本当に、お招きいただいて、このような機会を設けていただいてありがとうございます。
高
多分この問題は、これからも出てくる問題なんだよね。
鈴
たぶん......学生さんの希望が最初にあったということなので、永遠に出てくるかなとは思っているんです。
上
そうですね、過去にも何度か、4,5年に一度くらいで必ず上がっている話らしいんですよ。ミスコンやらないかっていうのは。
高
その都度その都度、いろんな意見があって、それを最終的にICUとしてどう判断するか、というところに持っていけたらいいですよね。例えば、ミスコンを開催して企画した人たちが責められたりとか、CGSが責められたりというのはおかしい話で、ICUとしての最終的な見解なわけでしょ。最終的にはICUとして評価されるのだから・・・。ICUがこれまでミスコンを開催してこなかったというのは、何か理由があるの?一回もやったことないの?
上
そうですね、少なくとも20年間ぐらいの企画には一応目を通したんですけれども、その間にはなかったですね。
高
それは何か理由があるの?
上
そこまではわからないんですけれども、資料があまりないので。やっぱりこういった(CGS)背景もあったんじゃないかって思いますね。ICUの学校がら。
鈴
うちは2003年にできている新しいセンターで、他所みたいに歴史があるわけじゃないので、今回学生さんの間でもうちがずっと止めていて今回もうちがつぶした、みたいにいわれているんだけれど、そんな風に思われるのは実はうれしいことだけれども、じつは若い組織だからそんな力もないし、うちらが、っていうわけではないはずなんですよねぇ。
高
実際にCGSが企画をつぶしたわけではない?
石・上
それは違いますね。
鈴
そうするとどこが歯止めになっていたかっていうのはちょっとわからないんだけれども、ただ私が思うのには、性別による差別を禁止している人権宣言があるから、人権宣言にサインをしている人たちの中でそれをやるっていうのにはお金がおりにくいっていうのがあったんじゃないかな、って言う風には思います。
丹
あとさ、そんな通俗的な企画やらなくても企画力があったんじゃない?
私、学部が早稲田だったんですよ。だからミスコンとかばりばりやっているというのも知っているし、アナ研とかに入って女子アナになりたいっていってる人たちがミスコンにたくさん出ているっていう現状も知っているけど、そんなの......つまらないわけよ。
四年間早稲田で......あぁ、きれいだねとは思うけど、実はすごい盛り上がっているのはカメラオタクの人たちだけとかで、どっちかっていうと、学生からすると「なんか君たちたのしそうだけど、私は......別にいいや」っていう感じで、「関係ない」って感じで。
みんなが楽しめる企画としてミスコンをとらえていると思うんだけど、結構そうでもないという感じが私にはしてて。
石
そうですね、ひとつもう少しはじめからやるべきだったなっていうのは、もっとほかの学校にもリサーチをかけたほうがいいんじゃないかなっていうのがあります。とはいってもやっぱり他校とICU生というのはいろんなところで違うと思うので、実は向こうでは盛り上がっていて、こちらでは盛り上がらないとか、あちらでは盛り上がっていないけれどもこちらでは盛り上がるというケースもあるとは思うんですけれども、どちらにしろリサーチは欠けてなかったかなと。
上
そうですね。
丹
私はずっとミスコンなかったっていうのは、ジェンダー研が止めてたとかって言うんじゃなくて、ICU祭実行委員会が、ちゃんと毎年企画力があって、サルまねじゃなくって、何か面白い企画を二十年間ずーっと出し続けてたんじゃないのかなって思う。他で当たってるからうちもやろうっていうのはさ、ちょっと安易じゃない?だからそれに頼らないでやってこられたその20年間っていうのはすごい財産だと私は思うのね。
石・上
あ~
丹
で、最後のミーティングのときにも言ったんだけど、この企画よくないからやめようよっていうのも確かにある、私はミスコンやってほしくないって個人的には思うからやってほしくないって言うけれども、でもそれは私個人の意見でありつつ、もう一つ、そんな通俗的なICUになってほしくないっていう気持ちがすごいあるの。
石・上
う~ん
丹
ICUの学部からずっと来ているとICUのよさとか特別さとかわからないかもしれないけれど、よその大学で四年間過ごしてきて、大学院からICUに入ってきた眼からすると、たぶんみんなとはちょっと違ったICUのよさみたいなものが見えてるんだと思うのね。逆にそれはみんなに見えてるものが私には見えてないのかもしれないんだけど、そう思ったときに、なんだろう......"自分の道を行くICU"っていうのは私はすごくいいと思うから、だから安易に他で当たっている企画に飛びついてほしくないの。
井
私は逆にICUの学部をこの前の3月に出て今一橋に行ってるんですけど......俄然ICUが好きなのね。なんか週3でこっちにきて、あっちは週2...とかやってるから引っ越した意味ないじゃん、ぐらい。
全員
(笑)
井
ホントに、私だけじゃなくてその感覚って、一緒に一橋とか東大とか、他大に移っていった、院に進学していった子たちもみんな言ってるし。で、その子たちはまだなんとなく「学問」ていうのに何とかつなぎとめてる部分ていうのはあると思うけど、ほんとに就職しちゃった子とかで、東京からも離れてしまった子...とかはほんとにICUシックみたいな感じになってて。
上
あぁ、へぇ~。
井
凄いのね、愛校心が。授業も来てなかったようなやつらが、セクコンとかも絶対来なかったようなやつらが、セクコンしようぜとか言い始めたりとか!
全員
(笑)
井
なんか、"こういう"感じなんだなっていうのがすごいわかって......。
だからICUのよさって、卒業式の時にも言われたんだけど、卒業した瞬間ガッてたぶん上がるから、たぶん何年後かにガッていうのが来ると思うんですけど、そういう......なんて言うか、「学部生のときにはわからなかったこと」って絶対あると思って。
そういうのに期待しているOGOBっていうのはたぶんたくさんいると思うので、だからそこで......ICUっぽさっていうのを、じゃあ今の世代に押し付けないでくれよっていうのももちろんあって、どんどん変わっていってくれてとてもいいと思うんだけど、でもやっぱりICUっていうのをなんか、一個の「柱」として生きてるICU生だった人たちって、たぶんすごく多いと思うので、そこのところで、わりと、責任ていうか......。
お祭りっていうのは一個の大きいICUの象徴的なものなので、そこでやっぱり他校とは......もちろんとりこんでICUっぽく変えてっていうことはあっていいと思うんだけど、でもやっぱりそこに安易にいかない、なんとなく、ナルシシズムでも何でもいいから、「や、ICUだし」、っていうなんか......
上
プライドですかね
井
そう!プライドみたいなものって持ってて全然いいと思うんですよ。それってやっぱり......感覚だよね。全然学部生のときにはわからなかったことがたぶん出た瞬間見えてくるというのはすごくあると思うので。
高
ということは、ミスコンをやらないというのはICU生らしさということ?
鈴
私たちからしたらそう言う風には感じている......ただ、私も十年近く前に学部生だったので、もしかしたら試験のシステムとかもそれから変わっているので、学生さんたちの「ICUがどうあるべきか」っていう所に対する考え方みたいなものは、もしかしたら変わって......きているかもしれない。そういう意味では......。
私は学部もICUで、院もICUだから結構長い事ここにいるんですけれども、あ、なんか変わってきているかなぁ?みたいな感じは受けているので、もしかしたらそういう流れかなっていう風にとらえたっていうのは、その当時はあって、
上
あ~
鈴
たとえばELPのディベートのときとかも、ミスコンの話題とか出た時に、基本的にミスコンYESの人を探すのが集めるのが大変な感じ......だめに決まってんじゃん、みたいな感じだったのが、いまそういうふうに、なんか、こう、やろうよっていう声がちょっと上がるっていうのは、ちょっと意識が変わってきているのかなぁって言う気がしないでもない。そうすると、なんかICUらしさっていうのは、もう今あるもの、じゃなくて、やっぱOGOBから働きかけたりとか、先生側からもはたらきかけたりとか、ICUっていうのはこういうところで、私たちはこういう価値を大事に思っていて、それを皆さんはどう思うか、みたいなところは、情報発信みたいなものはやっていかないといけないかな、て言うのは......
井
それに縛られる必要はないと思うんだけどね。
鈴
ないね。
井
でも一個の見方としては、提示してくっていうのは必要かもしれない。
高
今回、本部企画局で「やっちまえ!」って言ってやれば、やることはできたわけ?
上
そうですね、ただまぁ、そうするにしても結構委員会内での反発も、まぁ、無視できないほどにあったというか......
鈴
あ、それは個人的にはすごくうれしい話です。
上
だから、他大でやっていうようなのとおんなじようなミスコンって言う形はちょっと、っていう風に......。CGSの方とミーティングした後にも一度その審案会って呼ばれる企画の審議会があったんですけれども、そこで、委員一人一人にコメントシートを書いてもらって、それを企画担当者が集めて、それを踏まえたうえで企画を練り直すっていう会なんですけれども、コメントシートのほうにも結構、ICUらしさが欠如していて、他の大学の風潮に流されているだけなんじゃないの?ていうコメントもあったぐらいなんですよ。
井・丹・鈴
へ~
石
自分はどちらかというとそちらの立場だったんですけど、たぶん、ミスコンを支持していた人たちの、私が思うロジックなんですけど......ロジックになっていないロジックかもしれないんですけど、まぁ、たぶん「ICUらしさ」っていうのは持ち続けていようと彼らも思っていたとは思うんですけれども、その中でクリティカルになりすぎたのかわからないですけれども、今度はICUの体制を見直そう、みたいな。
あの、常にクリティカルであるということが、ICUらしさだっていう形でとらえて、それは間違いではないと思うんですけれども、
丹
そうだね。
石
それでICUの体制ってどうなんだろうっていうことを考えて、本当のICUらしさっていうのは何なんだろうっていうことを考えて。
......本当にご迷惑をおかけしてしまって申し訳ないんですけれども、なんだろう......新しい血ではないですけど、少しずつ「それに対するリアクションは単純にどうなんだろう」っていう、たぶん、そういうのを問うてみたいっていうのも彼らの中にはあったんじゃないかなぁっていう風に思います。
高
面白いねぇ~。ミスコンがあたりまえじゃないから、ミスコンをやることが逆にクリティカルになるかもしれないっていうことかぁ。
丹
確かにねぇ、裏の裏を読むのは基本だからねぇ。
鈴
ただ......、すごい老婆心ながらの発言なんだけれども(笑)、クリティカルであるとかラディカルであろうとして、思わず、図らずもコンサバになるということもよくあることで......
石
それは、そうかもしれない(笑)。
鈴
そこには注意しておかないと、逆の逆さえやっていれば超クリティカルになるかっていうと、そうでもないから、そこら辺はちょっと注意をしてもらえたら......
石
はい。
鈴
ただそういう意見が出てきちゃいけないっていうわけじゃなくて、私は最後から二番目の話し合いのときにいたんだけども、そのとき出席者の一人が言ってたように、すごくいいミスコンならば、私はやってもいいんですよ。もしこの世にまだないすごくいいミスコンを企画できるのならば。
で、こういうのどうですか、っていうふうに持ってきてもらったら、それでもし、みんながあぁ、おもしろいねって思えたら、それはそれでやる意味があるとは思うので......。
そう、だから、さっきも言ってたように他大でもやっているような、みたいなのが最初の企画書の概念に結構何度か出てきてたので、そういうのがなければ......ミスコンだからダメっていうわけではなく、従来どおりのミスコンやるんだったらだめ、絶対に反対。
で、絶対にダメっていう私たちの常に変わらないだろうスタンスっていうのは、私たちからしたらこれが「クリティカル」なんですよ。だってほかの大学はほとんどミスコンやっているわけですから。だから、そういう立場性とかもちゃんと理解してもらえるとうれしいな、と。
高
たとえばさ、従来通りのミスコンが「絶対にダメ」という理由をもう少し聞いてもいい?
鈴
ええとですね、たとえば今回の話が来まして、こういうブログ投票を使います、とか聞いていろいろこちらとしても調べたわけですよ。そうすると、出場者がかなり長い時間にわたってブログを公表したりしているんですね。で、その、企画者がだれであれ、女性の生活とかをね、公開して、それでそこにポイントを付けさせよう、みたいなことをもし企画の中に含まれているのだとしたら、ま、それはちょっと「うん」とは言えない。それから、ですね......。色々あったんですが結構昔のことなので私うまく......忘れてしまっていますが(笑)何かありますか?
丹
(笑)そうだね......。いろいろ出たんだけど......まずその、ミスコンを何で判断するかっていうと、たとえば「かわいい」とか「きれい」とか、基準があるでしょ。それだけではないけれど、ひとつの基準として、たとえばその、美っていう基準があったとして、じゃ、その美っていう基準はどういう基準なのか。そういうことを考えていったときに、ないじゃない、その......100きれいとか125きれいとかって判定できるものじゃないでしょ。痛みも一緒でさ、鼻毛一本抜く痛さが1鼻毛で、これは100鼻毛、とかさ、そういう風にわかるんだったらいいけど、そうじゃないじゃない。
全員
(笑)
丹
同じように美っていうものも、よくわからないなんか総合的なものなんだけれども、でも一度美しいっていうレッテルを張るっていうことは、そこにもう価値判断がされてしまうじゃない。
じつは私もカッコイイ人のほうが不細工な人よりすきなんだけど、だからってそれが絶対ではないわけじゃない。不細工だけど、すごい暖かい人とか、陳腐な議論ではよくすごいかっこいいけど性格悪い人と、すごい不細工で頭いい人どっちがいいとかっていう話に......
井
いや!しかもそのロジックでも、不細工で性格の悪い人はいないことにされてるじゃない!私消えるの。その瞬間から。嫌なのね。
井・丹・鈴
(笑)
丹
不細工で、頭悪くて、超性格悪かったら......(笑)
井
そう、あたし、それ。
丹
全然だめじゃん、ていう、そこの、きれいとか、きれいじゃないとか、カッコイイとかよくないとか、そういう言うことで、もう一気に分けられてしまったりするとか、そういうのやだな、っていう......
上
う~ん。
丹
それもあいまいな基準でさ。世の中で、カッコイイ人っていうのは175センチ以上の人、ってなってしまえば、175、ハイカッコイイ、173、ハイ残念でした、ってできるけど、それはできないじゃない。そういうあいまいなもので、はかられたくないなっていう。
鈴
そのあいまいさが、たとえばICU独自の美を追求しますっていうようなことを言っても、絶対に外の世界から切り離せないし。......それが美である限り。
外の世界の美の基準を完全に忘却して採点できるシステムを思いつきましたっていうのなら、私もちょっとそれはやってみたいなって思うかもしれない。だから、今回は、こういう感じの美を図りますとか言われたら、あ、面白いなって思うかもしれないけれど......おそらくは無理ですよ。よっぽどすごいAIとかを投入しない限り。
そうすると、世の中に蔓延している美の基準っていうのが......、それは毎日ありますよ。それは毎日......。
自分の傷を話すのはやなんだけど、マキちゃん[井芹]がぶっちゃけたから、あたしも......。
全員
(笑)
鈴
たとえばなんか、駅で改札に降りてった時に、男の子がたむろしてて、何してるんだろうと思ったら改札を通る女を採点してんの!「ぶす」とか言ってんの!
全員
(笑)
鈴
で、あ~も~絶対通る前からあたしブスだよなって思いながら通って、案の定ブス......だか30点だったかなんかした時に、もう10秒前ぐらいからわかってたんだから傷つくことないのにものすごい凹むんですよ。あ~...ブスだった~とかおもって。で、どうでもいいのに、まぁ、一週間ぐらいはほんとにへこんでて、凹んでる自分にもへこんでて、そのへこんでる自分への凹みでは三週間ぐらいへこんでて。ものすごく長引くんだけれども、でもまぁそれなら、まぁ地下鉄の改札に座り込んでるお兄ちゃん達に言われるなら別にいいよと。
ただ、私に向けて言われるわけじゃないのに、私の愛しているこのキャンパスの中で、同じようなことをおおやけにやられたら、まぁ、四週間じゃきかないだろうなぁという感じがする。
上
う~ん
鈴
その、案外......。なんて言ったらいいかな?たとえば合コンで......。
......なんだかブスの恨みつらみみたいになってきてますが、そんな恨んではいないんですよ?
全員
(笑)
鈴
どっちかというと凹んでるんですけれども......
全員
(笑)
鈴
合コンに出てる時に感じる空気感とか、そういうのでやっぱ...これはブスじゃないとわからないのかもしれないのだけれども......「ブスには分かる何か」があるわけですよ。そのブスには分かる何かでいちいちまた傷つきたくないなぁ、っていう。
でね、ブスで傷つくっていうのはね、あの...個人的なことかと思いきやそうでもないっていうね......
......ああ、それだ!それで、もし「個人的なこと」にできるのであれば、私は本当に賛成するの。
井
うん!
鈴
他所の、駅の改札に座り込んでいたお兄ちゃんとは違う、全然違う、まったくそれとは地続きではない基準を設けましたので、これで美醜を判断しましょうや、っていったら、もう、もろ手を挙げて賛成ですよ。それはちょっとやってみたい。だって、もしかしたら私のようなブスが最高の美になるかもしれないもん、そこではいつか。
それならいいんですよ。でも、撹乱性の低い、ま、いつも通りのものが、強化されるっていうのが......
それであのぉ、大学のお金でやるお祭りですから、やっぱ何やってもシステム化しちゃうんですよ。どうやっても機能を持って皆の心の中に棲みついちゃうわけだから、やっぱそれが、一番心配かなぁ。
高
大学のお金でやったってことは、大学もそれを認めたっていうことになりかねないということ?ICUとして......
石
そうですね。
鈴
だからそのキャンパスの空気に、すごく、その......人の美醜を判断して良いんだっていうものが、こう、しみ込んだかのように私には感じられて、それが祭りの間だけで、気にすることないじゃんって言う人もいるのかもしれないけれども、たとえば私とかは、いやだな、っていうふうに思う。
それは、もう、いつまでも、毎日付きまとっていることで、たとえば痴漢とかにあったときに、捕まえても「あんなブス触らない」とか言われるんですよ。もう、あたしのことブスっていえばあたしが手を引くと思っている!
そういうのとかも、もう、こう、心の底のほうに積もり積もっていて、そこで実際に不利益とかも被るわけですね。そういう凄いめんどくさかったあの日のこととかが思い出されたりして、あ~やだなぁって言う気持ちがあるから、できれば......
......あ~むずかしいな、どうやったら個人的なことじゃなく話せるのか難しいのだけれども、でもじゃあこういう思いを抱えている人っていうのは、私が特殊なんじゃなくて、たとえば100人......3000人学生がいるから、100人いたら一人ぐらいの割合ぐらいいるんじゃないかなって思うと、まぁ30人はいるんじゃないかなっていう気がしていて。
そうすると、やっぱそういう人たちが苦しんだりしないように、そういう体験から、やっぱ、美醜にすごくこだわってしまったりとか、摂食障害になってしまったりする人も少なくないわけだから、そういう人が、その......命に直結している問題だから、そういうところ、苦しい時にならないといいなぁって思ったりとかは、します。
石
今お話しいただいて、一番最後のところは我々の中でもすごい考えて議論をしたところではあるんです。あの......本当に正直な話、まぁ、私たちの中では、より一般参加の学生さんたちがやらないような企画をICU祭実行委員会でやろうっていうことで、たとえば、子供さんたちだけの企画っていうのもありますし、主に受験生を対象にしたアカデミックな企画っていうのですとかもあるんです。
まぁ「一部の人たちを楽しませる企画」っていうのも、その底辺の、外にいる人たち......底辺って言ったらあれですけれども、外にいる人たちをひろうっていう意味で、我々の中ではやったほうがいいんじゃないかっていう風にされているんですけれども......。
やっぱりその、誰かに苦痛を与えるような企画っていうか、その、楽しませないだけじゃなくて、苦痛を逆に与えてしまうような企画っていうのは、絶対にそれは避けなければいけないなぁっていうことで、それを、ちょっと方向転換を図る一つの、指標のようなかんじにはなっています。
で、それで、我々の中で、上原が一番最後にあげた企画書っていうのが「一芸選手権」っていう......。
鈴
あ、そのお話は聞きました。ウイジャン?かな......
石
......そういう形になっていまして、で、まぁ、今からちょっと彼にその企画を説明してもらうんですけれども、その企画だったら、その企画に対しては、どのようなリアクションを頂けるのかっていうのはちょっとお聞きしてみたいんですけれどもよろしい......でしょうか。
鈴
ちょっとその前に、なんかさっきの、あの、傷つく人がいるのはやめたほうがいいなっていう風におっしゃったんですけれども、学部生だとね、自分がどういう症状を抱えているかとかあんまり人に話したりしないし、学部生の中で暮らしてたら気づかないので全然当然なので、そこに関してはね、そういうことに傷つくことに気付きませんでしたっていうのは......言われて気づいてくれればいいわけで、全然そこに関して...特に、なんか、深く悔やんだりとか、する必要はないし......うん、それは、必要ないなっていうふうに思いました。
石
それは......そうなんですけれども、でも我々の中でももう少し、そういう人たちがいないかっていうのを、その、考慮に入れるべきだったとは本当に思うんです。
で、これからは、あたらしい企画っていうか、まぁ今ある企画もそうなんですけれども、まぁ、そういう方がいらっしゃらないかっていうのは、考えさせていきたいっていうか、引き継いでいきたいことではあります。まぁ、私は引退なんですけど。
全員
あら~(笑)
丹
でも、そうやって引き継いでいくことがやっぱり財産なわけだからさ。
石
そうですね
上
うん
丹
直接自分で引き継げなくても、いま......上原君はまだ残れるのかな?
上
そうですね、来年も。
丹
だからその、石黒君から上原君、上原君からその下、っていう風に引き継いでいければ、その人自身がいなくても、なんか、ひきつがれていくものはあるからね。
全員
うん。
鈴
それではその、「一芸」に......
丹
あ、その前にちょっといい?(笑)
あのね、キャンパスを一歩出て、日々さらされているジャッジメントってあるじゃない。たとえば、あ、ブスとか、デブとか、色々あるじゃない。そういうのはもう、もううんざりしているから、そんなことで、それをもう一度ICU祭で......
石・上
あぁ、うん。
丹
......やることないんじゃないっていう感じかな。そういうことを言いたかったの。ね?
鈴
うんうん。
高
そうすると、ICUのキャンパスというのは「安心で安全な場所」という考え方が学生さんの中で強いのかな。
石
強いかもしれないですね。
高
へぇ~。自分の大学思い出してもそんなこと考えたこともなかった。
丹
だからそうであってほしいの!ほんとにすっごい!
石
ていうのは、女性男性っていう、そういう、まぁほかにもあると思うんですけど、そういうくくり以外のところでも、国籍だったりとか、そういういろんなところで、たぶんバックグラウンドすべて含めて、そういうのはあるのではないかっていう......。
本当にこれは委員長としてではなく一個人としての感想ではあるんですけれども。
高
そっかぁ......。「安心」とか「安全」というのは、結構つくるのは大変なんですよね。できたものを壊すのは簡単なんだけど。私はカウンセラーなので、クライアントとの関係において、いかに安心と安全をつくるかということがとても重要なことなのね。どうしてかというと、安全や安心がないと信頼関係がつくれないんですよ。人間関係っていうのは、安心がないと信頼をつくるのは難しいのね。安心って、あればあったであたりまえなんだけど、ないと、そこからつくろうと思ってもすごい努力がいるんですよ。すごい努力っていったらへんなんだけど。壊すのは簡単だけど、つくるのは本当に難しい......。ICUのキャンパスが、もし安心や安全を提供する場所という状態にあれば、個人的には結構、「へぇ、そういうキャンパスがあるんだ」という驚きでもある。しかもこのサイズで。私がカウンセリングを提供しているサポートハウスじょむなんて、とても小さな施設で、この部屋くらいしかないから。それに比べたらこのキャンパスはすごい大きいもんね。
丹
まぁ......もしかして、それは、なんか......神話なのかもしれない。
もちろんキャンパスにきてあの人カッコイイ、あの人ブス......とか......それはあると思うけれども、一応それは公式に、判断基準として、バーンと打ち出したりしてないっていうところで保たれている安心・安全感ていうのが、私にはあるように思って、たとえばそのミスコンみたいな企画をやってしまうと、そこにやっぱひびが入っちゃうのかなって。
石・上
ああ~
丹
みんなさ、やっぱ日々ジャッジメントは受けているわけよ。そのことを否定する気はないの。...なんだけど、でもその、美しいこと=いいことだ、っていう価値判断があるじゃない?頭いいことはいいことだ、とかさ。でもそれを追認するような公式の行事をしてしまうと、やっぱりさっきから鈴木が言っているように、ああ、いいんだ、それジャッジして、っていう風に、ちょっと暗くなる人もいると思うし、やった!って思う人もいるかもしれないけど......
......だから、そこの部分が、いやな感じの元凶かな。
石・石
あぁ。うん。はい。
丹
で、前も言ったかもしれないけど、いいことだっていう価値観じゃないコンテストだったらいいよ、って言う話はしたと思うのね。実際言ったのは、たぶん、わんこそば、とかさ、焼きそば百杯食べられる人選手権とか......焼きそば百杯食べられたってえらくもなんともないでしょう?
上
うん。
丹
だから、そういう、「いいことだ」っていう価値観じゃない軸でやるんだったらいいんだけど、もう「いいことだ」っていう評価が定まっている軸で判断されちゃうと、なんか、一おまつりのことだけで済まない、日常生活全部そういう規律に、浸食されちゃう気がする。
高
昔からミスコンの問題は、システムの問題か、個人の問題かという話になることが多い。システム=制度として解決できる問題なのか。それとも個人が解消すべき問題なのかという議論をよく聞くのね。そのような形でミスコンの問題はよくぶつかる。似たようなことがここ(ICU)でも起こったと言えるかもね。例えば、婦人参政権を獲得するのは制度の問題なんですよ。
石・上
あ~、なるほど。
高
制度として、権利を与えれば解決、なの。けれど、ミスコンの問題はそれだけでは済まない。ものすごく、性の問題の根源に戻ってくるから。社会がまだまだどっちかというと男性社会と言われるような社会システムがある以上ね、その社会においてミスコンというものを置いたときに、システムとして「きれい」という判断や価値基準が設定されてしまう。かといって、そういうことを全部否定して、「美しい」ということを判断しないようにしたら、本当に平等な世界になるのかということ。
井・丹・鈴
うん。
高
でもそれは、個人の嗜好までコントロールすることになるのよ。きれいだから好きとか、きれいじゃないから嫌いとか、個人の価値観までコントロールすることになってしまう。それも極端でしょ。
井・丹・鈴
うんうん。
高
......むずかしい。この問題についてなかなかうまい着地点は見つからない。だから、ミスコン急進派というか、進めたい派と、擁護派がぶつかってしまう。今この座談会の話の中でも、その問題がそのままが出てきているから、今日は面白いなと思って聞いてるんだけど......。
全員
(笑)
高
いいのよ。こういう風にいろいろ出てきて。みんなが今している話を多くの人が聞いたほうがいい。ああ、こんな考え方もあるのか、そんな考え方もあるのかって。みんなの考え方を聞いた人たちが、個々人で判断して、じゃあICUではどういう風にしていったらいいんだろう、どんなキャンパスがいいんだろうって、一人一人が考える材料になればいいと思う。
丹
この座談会もそういう趣旨ですしね。
井
うーん。ただなんか......
わりとICUって......人種とか階級とかって言うところには割とみんな目が行くから、たとえば、黄色人種も白人の人も黒人の人も全部ごっちゃにしてね、人種っていうラインっていうのはすごく恣意的なものだからっていって、「人間」全部並べろ!って言って、「じゃあ誰がいちばん白いでしょう」とか言い出したら、や、ちょっとそれは......やばい!って思うよね。
全員
あ~
石
はい(笑)。
井
それとか、今度はたとえば......「親の年収で、高い人の番付を作ってみましょう」、とか、やばい!って思うでしょう?
全員
(笑)あーやばい
井
でもたとえばそれが、女のひと、男のひと......
たとえばじゃあミスコンですっていったときに、女って言ったっていろいろいるわけで、女だと思っていないのに女だとされる人もいるかもしれないし、異性愛の女もいれば同性愛の女もいればそうじゃない人もたくさんいて、でも"女ってされてる人"を、とりあえず、「でも人間じゃん」って言ったときみたいにガッて並べて、で、どれが一番いいか、「いい女」か、っていう風にやることって、そこだけ「別に......」って、そこだけ感覚が鈍っちゃうところって、私、ICUにはまだあると思って......
石・上
あぁ。うん。
井
だからミスコンやろうって言って、やればいいじゃんって、普通に言うと思うの。女の子たちも。私の世代でも、ミスコンがあるらしいよっていった時に、「え、いいんじゃないやれば」って、「あたしは知らないけど」っていう子は多かった。
"あたしは知らないけど別にそういうことがあってもそこまで問題ではない"......いろんな人種を混ぜて、白いのが一番いいっていうときほど、やばいよそれは!って言う危機感が持てない土壌っていうのがやっぱりICUにはまだあると思って。
だからクリティカルだっていっても、やっぱりその、人種とか、国籍とか、民族とか、階級とか、さ、武力とか戦争とか平和とかそっちには割とみんなぴぴっとくるんだけど、じゃあ性の問題って言ったとき、あ、ハイハイハイCGSね、ハイハイハイうるさいフェミニストね、ってなる土壌って絶対あると思うの。
あたしがアシスタントしてたジェンダー系の授業のコメントシートとか見てると、結構そういうのが読み取れることとかもあって、だから、そういうICUで、今回の問題っていうのは、結構......少なくともこの話し合いを持ててることはすごくいいことだと思ってて、「鈍かった」からこそ起きている問題でもあって、でも鈍くあってもらっちゃ困りますよって思っている人たちももちろんたくさんいて、
石・上
うん
井
でも、「じゃあ、話し合おう」っていうところとか、「ここらへん鈍くなっちゃまずいよね」っていう認識を、たとえば、もう、なんだろ、「[ミスコンを]CGSがつぶしたらしいよ」ってずっと信じ続け、そのまま卒業していく人がいるかもしれなくても、もしこの場で石黒さんと上原さんに、あ、この辺は鈍くなっちゃいけない問題だったらしいっていうことが、この話し合いが始まる前よりも、3月とかの前よりも、そういう意識が、ちょっとでも、心のデスクトップの、なんか、アイコンに一個でもちょっと増えたとしたら、すごいそれはハッピーなことだし、必要な時間だったなっていう風に今思ったので......。
上
うん。
高
そうすると、さっき鈴木さんが言っていたように、外の世界と切り離せるようなも価値観や価値判断だったら、それこそ何でもいいよということ?個人個人が「いい」「悪い」と思うレベルの基準になるのであればいいんじゃないかってこと?それはミスコンっていう名前だったとしても、いいんじゃないかってこと?そういうもののがほしいのか。さっき言っていた一芸選手権みたいな?
全員。
あぁ~。その話だった。
高
それはどういう企画だったの。
上
それはそうですね、えっともともとその......その前にミスコンと、一芸選手権の間にワンクッションありまして、それはその、丹羽さんと井芹さんに......
井
あぁ、the Person of ICU。
上
そうですね、the Person of ICUっていう企画が存在したんですね。で、それはどういうものかっていうと、もともと一番最初に出てきたのは、ミス・ミスターコンテストだったんですね。なので、それがえっと、CGSの方とお話しした時に、そもそもその、男女で性差を分けているというのもまずいし......
井
う~ん、誰が女で誰が男なのかっていう......そこを誰が決めるのかっていう問題が......。
上
...いろんな問題点が出てきたんですけれども、じゃぁ、ためしにそれを全部一つにまとめて、評価基準も、美とか、見た目に限ったものでなく、誰がいちばんICU生らしいかっていう基準を設けて、それでコンテストをやったらどうかっていうことでthe Person of ICUっていう企画を出したんですけれども、それ自体もいろいろ問題をはらんでいまして、まずその、とらえようによってはミスコンと何にも変わらないという意見もありましたし
高
どこがとらえようによってはミスコンと変わらないの?
上
そうですね、結局、一時間程度のステージ上で行う企画ですので、いかにその人の内面をステージ上でPRしようと思っても、たかが一時間っていうことで、まぁどこまでその人の本質に触れられるかっていうのはわからないじゃないですか。なので、結局ぱっと見の...見た目だけでその人だ、って選んじゃう人も少なくない、という風にも考えられるんですよね。そうすると結局見た目によったようなミスコン・ミスターコンとなんら変わらない企画になってしまうんじゃないかなっていう懸念があったっていうのと、あとは、一番ICU生らしいっていうのは、まぁ、すごく曖昧な話じゃないですか。
高
だれが基準を決めるのかってこと?
上
そうですね。それは一応来場者の方々の投票にゆだねて決めたらそれは面白いっていう興味心もあったんですけど、逆にそれによって、委員会が行った企画で、ICU生の基準ですとか、この人が一番よきICU生であるとか、そういうことが決まっちゃうことの危険性、ですよね。それがずいぶん問題視されまして、まぁキャビネットのミーティングでも、そういうのは決めてもしょうがないんじゃないかなっていう話が何度か上がった末に、じゃぁもっと端的なコンテストをしようっていう話になったときに最後に上がったのが、その一芸選手権だったんですけれども。まぁ、簡単に言ってしまえば一発芸の投票コンテストですよね。
高
うんうん。
上
出場者に出てきていただいて、何でもいいので自分の特技ですとか、こんな一発芸ありますよっていうのを見せてもらって、最終的にそれを全部見て、一番良かったものはどれかっていうのを投票しようっていう企画になったんですけれども、ま、それ自体は、小さな問題はいくつか見つかったんですけれども、あんまり大きな問題っていうのはそこまでなくってですね、逆に何でそれがつぶれたかっていうと、それは時間の問題で、その企画が上がってきた時点で夏休みの終盤だったんですよ。
丹
あ、そっか~。
上
で、もうタイムアップだねこれはってことで、ちょっと企画にあてる時間に、残されたICU祭までの時間は少なすぎるから、まぁちょっと今年はこれ断念しようってことで中止になってしまったんですね。
高
たとえば一芸選手権の場合は、「芸」を評価するんだよね。その人の人格であるとか、資質を評価するのとは違うということなんだよね。
上
はい。そうですね、もうほとんどその、内面にも触れないで、単純に純粋にその人がステージ上で披露した何かを評価しようっていう、投票で決めよう、っていうことだったんですよ。
高
それはどう?CGSのみんなは。
鈴
それはすごいいいですよね。というかもしやってたらさぁ、あのパフォーマンスの人たちも出ていけばよかったんじゃない?
丹
たぶんね、CGS周辺から何人か出るね、絶対。
鈴
出るね。
全員
(笑)
丹
そういうのだったらすごくいいの。
井
あぁ!出た~い!
全員
(笑)
丹
今思い至った?(笑)
井
絶対出たい。
丹
じゃぁ、違いはなんだと......うーん、おもう?
なんか......うちら出るよって今言ったけど、さっきまでの沈痛な雰囲気で、「それは......困ると思うので......」とか言ってたけど
全員
(笑)
丹
突然、出たーい!って言ったじゃない。なんだと思う。そこの違い。
上
結構、一般的にこう、あまり問題にもならないってことですかね。まず一つは。
井・丹・鈴
うんうんうんうん
上
それによって、これが選ばれましたってことになったときに......
井
焼きそば百杯的な......
丹
そうそう焼きそば百杯的な、どうでもいいから、それはいいのよ。
鈴
そうそう、すごい、それこそ「お祭り」って感じがする。
だって、いつも、どうでもいい......焼きそば百杯食べられても誰にもほめてもらえないのに、焼きそば百杯選手権に出たらほめてもらえる。一発芸がどんなにすごくても、まぁ宴会でちょっと盛り上げられるぐらいで、誰にもほめてもらえないのに、その場に行ったらもしかしたらみんなを喜ばせることができるかもしれない、みたいな、そこのなんかこう、非日常感みたいなのが、すごい祭りっぽくていいなって感じる。
上
逆にその人が焼きそば百杯食べたことで、優勝に選ばれたとしても、すごい、ズ~ンてなるひとも、まぁいないですよね。そこまでは......。
高
焼きそば百杯食べられる人って、羨ましい?
全員
(笑)
上
(笑)凄いなぁとは思いますけど......。
鈴
もしかしたらフードファイターとかがいて、すごいフードファイターで、これ、負けた......って思う人がいるかもしれないけども、焼きそば百杯食べられることがいいっていう基準が......そもそもないじゃん。たとえば、それこそ改札に降りて行って、「あいつ百杯食べられないと思う」とかさぁ、そういう評価をする人ってたぶんいないと思うのね。痴漢されて、あいつ百杯食べられなさそうだったらからそんな奴は触んない、とかいう人も絶対いないと思うし。
全員
(笑)
鈴
だから、たぶん、かなり安全なほうではあると思う。
ただ!全部かどうかっていうのは本当にわからなくって、それはCGSでもわからなくって、たとえばCGSがイベントしてて、あなたのイベントから私は対象者として外れていてすごく苦しかったんですっていうようなことっていうのはいくらでもあることで、そのたびにうちらも反省して、なるべくエクスクルーシブでない方向にしていこうっていうことは日々やっているわけだから、ゼロっていうことは、ない。ただ、フェミ的な文句っていうのはこの世に長年垂れ流されているわけだから、そこに気づけないっていうことだと、やっぱそうとう攻撃されるだろうな、っては思うけれども、焼きそば百杯で傷つく人がいたとしても、それは、傷ついた人がいて、もしそういう申告があって、そこでどう誠実に対応できるかってことで、ある意味、予想できないじゃん。誰が傷つくか分からないじゃん、焼きそば百杯。だから......それに関しては申し訳なかった、今度から気をつけます、っていう方向でも行けるとは......思うけれども......ただ......どうかな。どんな企画でももちろん危険性というのは残って、確実にこれなら安全ですよっていうのは、まぁ、あんまりない、とは思いますよ。
丹
逆にそこで確実を求めちゃうと、自分の心をたぶん壊しちゃうと思う。最大限配慮することは必要だけれど、それで結果としてだれかが傷ついてしまった......っていうのは......ちょっと矛盾して聞こえるかもしれないけれど、焼きそば百杯で傷つく人もいるかもしれないけれども、最大限配慮した結果だったら自分としてはさ、やれるところまでやったわけじゃん。で、傷ついてしまったとしたらその時いかに誠実にごめんなさいって言って、またそれを次に生かしますって言えるかどうかだから、さっきちょっと無自覚だった自分を責めてるっぽい感じだったけど、やっぱそれは仕方がないよ。ある意味ね。で、今回これは学んで、今度は焼きそば百杯で傷つく人がいたんだとしたら、またそこから学んで、って。その学んでいけることのほうが大切だから。
上
うん。
鈴
だからその時に、やっぱその、決定する時に、委員会内だけで決めるんじゃなくて、今回もうちに来てもらったっていうのは本当にありがたくて、うち側の意識からすると、2003年にできた、まだあまり知られてないセンターで、学生さんも、あんまり訪れてくれなくて、みたいに思っている時に、ここに相談しに来てくれたっていうのはすごいうれしいことで。
私たちがほかの研究所にも相談に行くといいよっていう風に言ったのは、やっぱうちらは焼きそば百杯には感度が鈍いわけよ。いいんじゃない、っておもっちゃうけれども、もしかしたら、その......「そんな、食べ物を無駄にして」っていう人もいるかもしれない。それは平和研究所とかアジア文化研究所だったら結構引っ掛かるところかもしれない。
井
フードファイティングとかは、飢餓の問題とかを考えた時に、食べ物で遊ぶんじゃないっていうものが来るかもしれないけど、CGSは逆にそのへん「おもしろいからやれば」って言っちゃうかもしれない。
鈴
だからそれはいろんな人の意見は聞いて、本当に、できることはやっておく、しかない。いろんな人の意見を聞いてできることはやっておいて、でもICUの研究所全部に聞いたけど出なかった問題っていうのがありました、っていったら、それはもううちらの敗北、うちらのダメなところなんだから、それは私たちと一緒に反省してもらうしかなくて、そしたらそれはもうICU全体が反省して、インプルーブしていくっていう方向になるんじゃないかなって思いますけれども。
石
たとえば、可能性として、CGSの方から一芸選手権にエントリーしていただいたとするじゃないですか。ジェンダーにまつわる......そういうことをアピールしていただいて、それで、投票の結果、あんまりいい位置につけられなかったとするじゃないですか、たとえばなんですけど。われわれが、結果を一位だけ、一位から三位だけじゃなくて、最初から最後まで発表するということになったら、みんなはその価値を認めていないっていうことが、もしかしたらわかってしまうかもしれません。そういう点が......。
丹
でもあくまで、評価されるのは「芸」なんでしょ?
石
まぁそうですね。
丹
じゃ、芸がつまんなかったんだよ。
鈴
それはもう、その人の責任だよ。もっと練習してればよかったね、っていう話になる。
ただ、あからさまにね、客席から......セクハラめいてたりホモフォビックな声が飛ぶとかね、そういうのがあったら「チェッ」、とは思うかもしれないけど、でもそれは委員会のコントロールできることじゃないでしょ。
上
あぁ~。
鈴
だからそしたらもう......そこは仕方がないから......
そしたらうちとしてはどういうことをするかっていうと、その、私が考える対策として一個あるのは、たとえば「こないだすごくホモフォビックなヤジが飛んでたけど、あれについてなんか言いたいことがあるなら、ニューズレターに書かない?」とか言って、まぁ学生全員に配るものだから、多くの人の目に留まるだろうっていうことを期待して、記事を一個立てて、ああいう"ICU"にはがっかりだ、みたいなことを言ったらね、それは編集的にはいいかなって思うけれども(笑)、でもそれが委員会の責かっていうと、私はそうは思わない。
石・上
あぁ。う~ん。
鈴
だって学生全員をコントロールはできないでしょ?
上
そうですねぇ。
丹
逆にそれのためにも逃げ道になるんだよ。だって評価されてるのは「芸」でしょっていえるでしょ。評価されてるのが「芸」だっていう、評価軸が一本「芸」だって通ってるから、すごい主義主張を持って出たとしても芸がつまんなきゃどうしようもないわけよ。だから、それがいいところなんじゃない。もし、それがミスコンとかパーソンとかって形で、なんかすっごいいろいろ考えて出ちゃったら、その考えが否定されたって思っちゃうし、逆にその考えを否定することにもなるじゃない。
石
そうですね
丹
でも、一芸選手権だとそれはないわけ。「芸」なんだから。
高
社会的システムに取り込まれやすい内容か、そうじゃないかということかもしれないね。たとえば「一芸」だった場合は、もっと個人的なレベルで、面白い、面白くない、という判断になるけれども、たとえばミスコンみたいな、「美」という基準でやると、さっき鈴木さんが言っていたみたいに、それはシステムの中にすごく簡単に組み込まれちゃう。だから、その基準がさらに強調されてしまう。ICUのキャンパスから出た時に強調されてしまう。たとえば、やきそば100杯食べて、食べられる人が、就職の面接に行って、「私は焼きそば100杯食べられます」と言って面接に簡単に通るかというのと、「私はミスコンで優勝しました」と面接で言うのと、社会的な影響力は違う、ということかなぁ。そういう意味で、システムにいかにからめとられる基準かどうかということが、重要になってくるのかもしれないよね。でもICUのキャンパスが、外側のこの社会のシステムや社会の基準から少し安全な場所にあるということが、もしICUのキャンパスの価値観であれば、やはりその外の正解の基準からいかに切り離してあげるかということも含めて「一般参加の企画」を考えることに、もしかして意味があるの?
全員
うん
高
いやいや、訊いてるんだよ(笑)。そういうこと?って。
丹
うん。そうだったらいいなっては思う。
全員
うんうん
高
実行委員会は、実際には企画していく側で、やはりいろんなニーズとか希望とか聞かなくちゃいけないわけじゃない。すごい大変だと思うんだよね。だって間に挟まれちゃうでしょう。
石
そうですね~。
高
CGSは、スタンスが大体決まっているでしょう。でも実行委員会というのは、どうしても間に挟まれやすいですよね。
上
はい。
高
大学側のプレッシャーと、あと、みんながやりたいと言っていることを実現するかどうかというプレッシャーの間に挟まれるんですよね。すごい大変な立場だと私は思うんだけど......。
鈴
うちはある意味対象者がもうほとんど決まっているから、まぁ、どういう苦情が来るかとかもあらかじめ想定はできるけど、学生全員を相手にしてるわけだから、どういう要望が来るのかもわからないし、こういううるさいセンターもあれば(笑)、で、その中でやっていくのは大変だろうなっていう風には......。
最初は全然そういうことに気づいていなくて、高山先生に今回のファシリテーションをお願いした時に、「たぶん委員会も相当板挟みで大変なんだと思いますよ」というようなことを言われて、あ、その可能性はあるなってはじめて思ったんですけれども、そういう大変さはありますよね。
上
そうですね。しかもそれに対してどう対処していくべきかっていうのも委員内ですごく割れたんですよ。たとえばこのミスコン一つとったとしても、正確にアンケートを取ったわけではないので、ミスコンをICUに望んでいる人がどれほどいるかっていうことはちょっと数字ではお見せできないんですけれども、まぁ、少なくともぼくのまわりに何人か、部活の友達ですとか、セクションの友達とかで、ミスコンあったら面白いんじゃないの?っていう声が聞こえたんですよ。
で、委員会としてはやっぱり学生のニーズにいかにこたえるかっていうのはすごい求められているかとは思ったんですけれども、その一方でCGSですとか、僕の友達でも何人か、そんなのやっても意味あるの?っていう人もいましたし......うん、身近にもいて。
それで、委員内では、そういう少数派の声を......やっぱり傷つく人がいるっていう以上絶対やってはいけないっていう人もいれば、それよりも大衆の希望を優先させるべきだっていう人ももちろんいたんですね。それに関しては確かに未だに委員内でも結構割れているところはあると思いますし、ちょっと、立ち位置を決めかねているところもある......と言って間違いないと思います。
丹
実はそれはうちも一緒でね、うちも一枚岩っていうわけじゃないんだよね。結構ね、うちも一枚岩ではないの、ほんとに(笑)。いろんな意見があって、結構ね、もうね、泣き出す人がいるくらい大激論したの。でも私たちにとってもいい経験だったとおもって。
鈴
こういうのがないと、じゃ、ちょっと今回はミスコンについて話し合いましょうか、って言ってもいまいちピリッとこないけど、でも「ミスコンやろうと思っているんですけど」っていう学生さんが来たら、そういうことになってるらしいですよってことになって、すごいいいチャンスだったとは思うんで。
丹
......しかも組織としてね、一個強くなれた気がする。結構ちっちゃい組織だから、衝突って回避しようと思えば回避できて、みんな大人だから衝突起こりそうだなってなったら自分たちで回避して、自分の意見をひっこめるとか、できるんだけれども、今回はガチンコで勝負しないといけなくなったから、私たちもほんとに、全員がガチンコで話し合ってガチンコでぶつかってガチンコで離れたりとかしたわけですけど(笑)、
全員
(笑)
丹
でも結局それをやったことによって、う~ん......衝突回避するほうがいいんだろうけど、でもぶつかって、なお、一つでやっていかなくちゃいけないっていう意識っていうのはそこで高まったから、だからある意味すごくいい機会だったなぁって思ってる。
鈴
うちらにしたら外からそういうのが来ない限り......
丹
自分から今日はガチンコで話そうやってことはないわけでしょ?
鈴
ないよね。だから、委員会としてはね、こういう要望がありますっていうのがあったら、全部無視するっていうわけにはいかないだろうから、やっぱそのたびに真剣に話してもらう以外にはないんじゃないかなっていう風には思う。
高
そうね、両方とも現実の世界だよね。たとえばここ[実行委員会]が、板挟みで困っているのも現実の世界。大衆がそれを求めていたり、「ミスコン、イエーイ、イエーイ」と言ってるのも現実の世界。そちら[CGS]のように、「ミスコンなんて論外よ」って、はじめからそういう明確な基準があって、ここ[CGS]だけは、そういう意味ですごく安全な場所、というのも現実なの。どっちかが間違っていてどっちかが正しいということではなくて、両方が現実で、じゃあ、その現実をどういう風にICUとして扱っていかなくてはいけないか、ということに、たまたま実行委員会がポジショニングされたんだよね。
上
そうなりますね。
鈴
こういうことがあるんだったら......ま、今回はたぶん、あたしが思うにね、ミスコンやりたいんだったらうちに話を持ってこないほうがよっぽどか楽な話だよ。どっかよその研究所なりに行ってお墨付きをもらって、大学側に話を持っていけば、もしかしたら通ったかもしれない。うちに......なんでこんな主戦場に爆弾を投下しに来たのかしらって思うくらいなんだけれども(笑)、逆にいえば、そういう風にしてほしいなって。今後もそういう風なのやりたいんだったらば、私も......ま、全員がずっといるわけじゃないですけれども、CGSはずっとコミットしたいなって風には思ってるし。
井・丹
うんうん
鈴
あとやっぱ、こういう、「何でか分からないけどつぶれたんだ」っていう話とかね、「何でか分からないけどミスコンはダメっていう話になったんだ」じゃなくて、委員会の中で一回、その、CGSがどういうことを言っていて、それに関して上原君自身がどう納得してこうしたんだ、みたいな話を、一回委員会の中に流しておいてくれると、それでもなおかつミスコンやりたいっていう人は、もちろん出てくるだろうし、出てきていいんだけども、それのためにまた話し合いをするっていう、そのチャンスが、その......将来に向けて生き延びるかなっていう風には思いますね。
それは、うちらの感覚からしたら仕方ないことだし、みなさんからしても対応しなければいけない要望だろうと思うから、今後ずっとそういうことに関しては話し合いたい。で、もし、何年か後にものすごい素晴らしい"ミスコン"がね、企画として出たならば、私たちだって賛成しないとも限らないわけだから......逆にいえば私たちを説得できればよっぽど大したミスコンですよ。
全員
(笑)
鈴
だから、そのつもりで、やっぱ今後もうちに話を持ってきてくれるとうれしいなっていう風には思う。
高
そうだよね。違う現実があるということを対立する道具にする必要はないということだよね。そうじゃなくて、違う現実があるということを認め合う道具であっていいわけで、対立に使う必要はないよね。
全員
うんうん。
石
非常にチープな表現になってしまうのですが、今回、この一年間、まぁ、上原を通じてなんですけれども、お話しさせていただいて、本当に世界観が広がったというか
丹
本当ですか?......ありがとうございます。
石
本当にそれは、ありがとうございました。
丹
いえいえ
石
ひとつ、これは内輪もめで申し訳ないんですが、上原恵太くんは、本当に納得......今のお話も含めたうえで納得した上で、ミスコンをひっこめた......という感じなの......かしら?ま、当時と今の状態っていうのは違うと思うから、今の状態だけでも聞かせてもらえれば。
上
今の状態ですか?......そうですね、ここまでも随分......
そもそも、まあちょっと、これも委員会内の問題になってしまうので申し訳ないんですけれども、本部企画ってどんなものなのかなっていう、その根本からちょっと、このミスコンについて考え始めたころから揺らぎ始めて......。そもそもニーズにこたえるべきものなのか、それともより大衆向けの一般的な、みんなが一人でも多くの人が楽しんで、それによって苦しむ人がいてはいけないようなものを作るものなのか、とか、色々考えてしまったんですけれども、今の話を通じても、その分、いろんな可能性が残されていますし......。
逆に、今年このミスコンにすごい固執したのは、スタート地点がやっぱり、いろんな意見はありましたけれども、その、目玉企画をやろう、かつそれがミスコンだったらどうだろうか、っていう、一番スタートのところが「ミスコン」だったので、そういうことになってしまったし。最初は100パーセント支持の方向から入ったから、その、CGSの方ともちょっといろいろ話をして、なんか、どうしよう......っていう壁が幾度となく......なんかこう、ぶつかったこともあったんですけれども、今はなんかこう、狭く、「これ」っていう、「ミスコンだけ」っていう風に......絞られた視点で見なくても、いろんな可能性をいろんな方面から追及していくってことで、いろんな可能性が本部企画にも残されているんじゃないかなぁっていう、逆にこう、希望に満ちた感じっていうか
丹
へえ~
上
はい。
高
そうだね~。「ICUが20年間ミスコンを開催してこなかったというのは財産なんじゃないの」と丹羽さんが言ったときに、上原さんが、「ハァ~」って言っていたから、私もそうだなぁと思いました。確かにそこはすごいよね。
上
そうですよね。
高
私はICUの外の人間だから、なるほどと思った。やっぱりそこには、何かあるんだよね。
上
そうですね。
丹
どんどん人が変わってもなんか一本筋がとおってるんだよ。なんか、つないでいくものがあるっていったけど、たぶんそういう......
高
そうすると、今後はどういう風にしていきたいの?今後も話し合っていきたいとか、何かあったら持ってきてほしい、とか話の中に出ていたけど。
鈴
まぁでも毎回ミスコンがネタになるとは限らないので、あれですけれども......。
ただでも......それで今になってこの話かよっていう気もしますけれど(笑)、まぁ今回で結構分かってもらえたかなって思うものの一つは、もしやったら、まぁ、そうとう抵抗しますよと、そうとう抗議しますよっていうことなので、それが伝わっただけ、いいかなっていうか(笑)。
もちろん上原さんがいる間は、お話し合いがいくらでもできるだろうなとは思いますけれども、人が変っていったときにも、まぁこの時の記憶として......。
あの、何の権限もないんですよ、うちは。まぁ学生さんでちょっと誤解されてる方がいて、やめさせる権限があるって思ってる方もいるみたいなんだけど、なくて。うちから、大学側に土下座するくらいの意気込みでやるしかない。でも何やってでも、頭下げてでも、抵抗しますよ、と。それが成功するかどうかはわからないけれども、まぁ、CGSっていうところが、ある程度の熱意を持って反対するんだよってことが、一個あれば、ま、また何かがあったときにも、ま、お話に来てもらえるんじゃないかなっていうのがあって、で、なおかつ、「フレンドリーだよ~」みたいなところを出すために(笑)
全員
(笑)
鈴
この記事を、一個置いておいて、まぁオンラインにも載せますので、検索すればすぐ見つかる......ミスコンとかタイトルにもしますから、国際基督教大学、ミスコンって打ったら一番上に出てくるぐらいの記事になれば......。
高
なるほどね~。さっき20年間どうしてミスコンがなかったかということに関して、特に記録がないって言っていたじゃない。
上
はい、そうですね。
高
だから今回この座談会でひとつ記録を作るというのは、すごい成果だと思うんだよね。
上
はい
高
これから引き継いでいく人たちが、「なんでICUはミスコンやらないんだろう?」と思ったときに、一度振り返るために戻れる場所を作ったということかな。それってすごいいよね。
石・丹
うん
高
試金石ができたっていうのかな?
井
凄い優秀な実行委員会だと思います。
実は一瞬いたのね、実行委員会に。その時一年生だったんだけど、そのとき先輩たちとか見てただけだったんですけど、絶対あなたたちのほうが、デキる。
全員
(笑)
井
今回のことにしても、こうやって。もう終わったのに、もういいよって投げ出されてもしょうがないというか......なのに、休みの時間を割いて来てくれて、話し合いができて、っていうのは本当に、なんか......
どっから目線だっていうのは置いておくと(笑)、イヤ、できる子たちだわ~っていう、これはCGSスタッフとしてではなくって、コミッティーにいたちょっとした記憶から見ても、とても素晴らしい世代だなって思うので、引退されるということですけれども、来年以降もぜひ頑張って。
高
これって健康的だと思わない?
上
そう......
鈴
出来るといいですよね~、いろんなところでね~。
高
これが職場だったりすると、こういう意見交換って大変なんだよ。権力者とかいっぱいいて、その顔色うかがいながら物言わなくちゃいけないような職場だったらさ......。
全員
はぁ~
高
でもこういう風に、正直な話ができて、お互いの思っていることを言って、違うところは違うと尊重できたら、楽チンだよね~。本当にこちら[実行委員会]の歩み寄りがなければできないことでもあったよね。
井・丹・鈴
本当に......
鈴
なんか、最初のころは、私たち......ICUでミスコンって聞いた時に本当にびっくりしてしまって、何考えてるんだろうと思って、結構失礼な態度をとっていただろうと思うんですけれども、
丹
ハハハ
鈴
その後もこう、継続的に話を聞きに来て下さって、あとから考えたら、よくできた学生さんたちだなって、思いました。私だったら「変な人たち」って言って切ることも可能だっただろうにって思うから、すごくそういうところは感謝していますね。
丹
そう、それは、最初の一回とか、私が来る側だったら、いやだなって思ったと思うから(笑)
鈴
アハハハハ
丹
あたしがどういう姿勢で臨んでたかっていうのを考えると、「いや、あんな話の通じないこわい人たちのところに行って、超大変だったな」って思われてもしかたないかなって。
鈴
6人ぐらいいたんだよね?
丹
そうそう
鈴
あの、ミスコンやりたいっていう子たちが来るらしいよって話の時に、最初は2,3人で対応するはずだったのに、「あたしもちょっと話したくて」、って感じでどんどん来ちゃって、気づいたらものすごい大所帯になっちゃってて、そんな中に三人ぐらいで、みなさんが埋もれるような感じで、
高
マイノリティー?
鈴
そう(笑)、そんな感じになっちゃってて......。今回も、こう、話し合いしたいなぁって思って、井上さんに連絡取ってもらう段になる前に、色々思い返して、高山先生に御相談したりしたりもしている中で、考えてみたら偉いなって。
井・丹
うん
高
でもさ、実行委員会の中でもそれだけ意見が出ていたということを聞いた時に、私は「あぁ~、そうだったんだぁ」って思った。別に実行委員会として「やっちまえ~」という感じじゃなくて、すごく実行委員会でも葛藤していたことが分かったから、やっぱりICUってそれだけそういうものが浸透している場所なんだなぁって、改めて感じたけど。
全員
うん
高
だって、本来だったらお祭りだから......
丹
うん、やりたければやればいいっていう話になるだろうし......
高
そう、で、多くの人が喜ぶだろうと思われているものをやってしまったほうが簡単でしょ!?でもそうじゃなかったというのは......
上
まぁ、それも、このICUならではのことじゃないかなって、僕はおもいますけれど......。やりたければやればいいっていうのがまかり通っちゃうのが、他の、マンモス校だったりとか、他の少数派の人たちの意見が見えにくくなっているから、そういうことになっちゃうんじゃないかなって。
全員
う~ん。
上
身近にセクシュアル・マイノリティーの子がいたりとか、まぁこういうCGSっていう研究施設もありますし、メジャーとして一つの科目を設けられているくらいですから、そうやって自分でも気づきやすい位置に、そういう方たちの意見があるっていうのはすごい助かったなぁって思います。
鈴
ちっちゃいならではっていうね。そうでないと埋もれちゃうからね。
丹
うんうん
井
寮生活の経験もあって、結構考えたっていうこともあったみたいな話だったけれど、寮も大変ですよね~(笑)。[井芹も元寮生]
全員
(笑)
井
ほんと、色々いいめぐりあわせがあって......。
全員
うん。
高
「いいなぁ~」と思った。私がもう10歳位若かったらICUに入りなおしたいぐらい。
全員
(笑)
高
うらやましいって。なんか、カッコイイって。こういうことができるのって。
鈴
そうですよね~。続くといいですよねぇ。
石
本当にご協力いただいて......
鈴
いいえ、こちらこそ来ていただいて、本当にありがとうございました。
丹
ほんとうにありがとうございます。
上
こちらこそありがとうございました。
鈴
かなりあの~、こちらの「載せたいな」っていう編集的スケベ心でお呼びしてしまったというところがありますので、来ていただけてほんっとうによかったです。
石
あのこちらのほうで、ずっと長い間......上原がお返事を差し上げるのが......メールなんか、遅くなってしまって......。
上
そうなんですよ、すみません。
鈴
いえいえ、あれは実行委員会全体のアドレス......のようなものですよね。......なのでお時間ちょっとかかるかなっていうのは予想していたことなので、大丈夫です。
高
CGSとしては、これをニューズレターに掲載するんだよね。
鈴
そうですね、これから私がテープ起こしをして、原稿を書くので、お二人にはそれをご確認を頂いて、ここはカットしてほしいとか、ここはもうちょっと盛り込んでほしいとかあれば言っていただくようにして、それから掲載するという形にしようと思っています。もうちょっと作業が続きますけれども、よろしくお願いします。
石・上
いえ、こちらこそよろしくお願いいたします。
石
であの、ご協力いただいたのに本当に申し訳ないんですけれども、あの、ひとつ、実行委員会からではなく、一学生として一つお聞きしたいということが......これが失礼に当たったら本当に申し訳ないんですけれども、あの、上原が......ええと。
本当に「お世話になっていながら本当に申し訳ないんですけれども」って言うのが前提になっていて言うんですけれども、あの、上原だと思うんですけれども、一度お伺いしたら、「ちょっと忙しいからこれ以降はすいません」、というような感じの話を伺ったという風に......
丹
あ、最後でしょ。最後のミーティングじゃない?
鈴
あの............
井・丹
(笑)
鈴
............さっきも言ったように私たちも一枚岩ではないので(笑)、どういう風に対応するかっていうことで何度か会議を開いたりとかして............する必要があったんです。
ただイベントというのは常に抱えていまして、その準備とか、助成金をとるための仕事とか、編集とか、色々あるわけですよ。で、みんな一人一人毎日やらなきゃいけない仕事がある中で、その、一枚岩ではない、というところで......、会議、会議になってしまったので、すべてが押せ押せ状態になってしまって......。
それで今年の夏休み中には一つ大きなイベントがありまして、それの準備で......これ以上は本当に無理ということになってしまったので......。
本当にそういう物理的な事情で、これ以上かかわるとつぶれてしまう、ということで、お断りすることになってしまったのですけれども......。
丹
それはさ、物理的にずっと続けられることではないので、ここで一回終わりにしたいという意味でもあったし、それと、私たちは一研究所に過ぎないから、やめろやめろっていってもつぶす権利はないのね。だから、最終的に判断するのは実行委員会だから、言うべきことはすべてお話ししたし、こっちからこれ以上やいのやいの言うっていうのは筋違いだっていう話もあって、その二つから出た結論が、その、今回の話し合いで終わりにさせてください、っていうことだったんだ。
石・上
はぁ~。
井
それは今年度のミスコンについては終わりにさせてくださいってことで、今後、コミッティーさんとはお話ししたくないのでいらっしゃらないでくださいっていうことでは決してなくて(笑)
全員
(笑)
井
もう今年度のミスコン開催に関しては、時間も迫っていることだし、いま丹羽が言ったような点からも、これ以上わーわー私たちがいうようなことではない、と。
丹
その時に、今後も何かあったら来てって、言わなかったっけ?私もう来ないでっていった?
上
そうですね、個人的にというお話は。
丹
そう、センターとしては、もうこれ以上公式なミーティングを組むつもりはないけれども、もしやるんだったら、少しでも......あの、いいミスコンにしたいっていう気持ちは持ち続けているから、来てねって言ったつもりだったんだけど......
石
あ、それを全く聞いてないで、結論のところだけ聞いてしまったんで......
丹
うん確かにそれはね、言った。これで終わりにしてねって。
全員
(笑)
丹
(笑)そこは否定しない。もうこれで終わりにしてねとは言ったけど、それでじゃあシャットアウトっていうんじゃなくて、やるんだったらいいものにしたいっていう気持ちは持っているから、個人的には来てねっていうことは言ったの。
高
石黒さんは、そこを確認したかったの?
石
そうですね......。失礼な質問をしてしまって申し訳ないです。
丹
いやいや、とんでもない。こちらこそ、失礼をいたしました。
鈴
ま、あとは、実はその時から懸念があって、もしこれでつぶれるようなことがあったときに、うちが長いことかかわっていたらCGSがつぶしたって思われかねないんじゃないかっていう意見もあって。まぁ、あなたたちができることは意見を言うことだけなんだから、意見を言いつくしたんだったら、これで終わりにしてもいいんじゃないの?というアドバイスもいただいたりして、それでっていうこともありましたね。
石
本当に、当時......その時はそういう事情を聴いておりませんで、本当に失礼なことですが......
丹
いえいえいえ。......怒った?(笑)
石
ちょっと、学生の意見を聞いていただけない、というか、相談に乗っていただけないのかなっていうか......勝手に、ひとりよがりで......。
鈴
でもそれは思われるよねぇ。
石
どうしてなんだろうっていう形で......そういう風に勝手に思ってしまっていたっていうところは大変に失礼を......
丹
いやいや、それはこちらも......。なんか、最後のほうは打ち解けてきたからぶっちゃけて話したりとかもできたけど、石黒さんがお越しになった最初のころは、「あぁ、来んのかよぉ」って感じで(笑)
全員
(笑)
丹
だからそれは、しょうがないっていうか......。
鈴
あとやっぱ、うちも、たぶん委員会側もそうだけど、相手のことを大きく考えすぎっていうか、私も、ミスコンをやりたいっていう学生の団体がいるって聞いた時に、ひゃー恐ろしいって思って、もう、ものすごいモンスターみたいなものを想定してしまったっていうのがあって、たぶん、ほかの、実行委員とは関係ないところでかもしれないんですけど、学生さんの話ではCGSがすごい権力を持っているみたいに思われているらしくて、逆にそこではうちらがモンスターになっているっていうのはあって、そういうのがあったかなぁって、今では反省している。
丹
うん
鈴
ただ、とはいえあの段階で申し訳ない、っていう以外に......。
もう夏休みに入っていて、7月からイベントが始まるっていう中で、あれで精いっぱいだったっていうのは......あるんですけれども。
石・上
はい。
高
もしかして実行委員会の中でも収拾がつかないから、こういうところ(CGS)に判断をゆだねてOKだったらばGOというところがあったの?
石
そうですね、はじめの時点......「一回お話を伺ってみたら」っていう風に3月の時点で言った時には、非常に申し訳ないんですけれども、本当に反対なさっている......なさるだろうなっていう方々から一回言っていただけたら、彼らもあきらめが......
全員
(笑)
石
......つくんじゃないだろうかっていうのも、委員長のきたない......考えとして(笑)ありました。
高
(笑)それくらいもめてたんだよ、ここも。そりゃそうだよね、人が集まれば皆考えが違って当たり前だもんね。
丹
その時、本当に、聞いてくれるって決断してくれてありがとう。それが、本当に一番うれしいかな。だって、いやじゃん、こんな......
鈴
(笑)わたしだったら絶対来ない。
全員
(笑)
鈴
だって嫌じゃん......こんな、フェミニストの巣窟みたいな......
井
アッハッハッハッ
丹
(笑)今後とも、よろしくお願いいたします、ってことで。
高
ではそろそろ......
鈴
そうですね。
高
今日は本当にありがとうございました。とても楽しかったです。
石・上
ありがとうございました。
高
また何かあったら聞きに来たいので、こんなファシリテーションでよければ呼んでください。
鈴
ぜひ(笑)
井
お二人も、卒論書くときとかも、本もたくさんあるし、院生もいるし、使えるものは何でも使いに来て下さい。
石・上
はい。
鈴
それではお疲れ様でした。