CGS研究所助手:松﨑 実穂
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】
CGSの日常業務には、多くの研究所助手(Research Institute Assistant, 以下RIA)が関わっています。社会人経験を経て学術の道へと戻り、現在RIAを勤めている松﨑実穂さんが、CGSでの活動が自身にどんな影響を与えているかを振り返ります。
私は2000〜2003年にかけ国際関係学科(当時)で副手を勤めた後、他大院に在籍しながらRA(研究所助手)や企業での勤務を経験した。私が見てきた他大のジェンダー関連の研究所は、あくまでも「研究機関」であり、学生とのコミュニケーションの場や、学生へのサポートを提供することは中心的な業務ではなかった。また日本の大学や企業が打ち出す「ダイバーシティ」とは今なおほぼ「男女共同参画」であり、多くの少数者や多文化についての取り組みは少ないと感じてきた。
2012年度からCGSでの業務に携わっているが、学内外へと開かれ、多種多様な人々が集い、多角的な活動を打ち出すCGSを知るにつけ、「今の人はいいなあ」と羨ましく感じることもある。サポーティブな雰囲気の中で自らのアイデンティティを大切に醸成しながら、身近な他者や世界の多様な彩りについて学ぶ機会がここにはあるからだ。
現在私は、介護関係の研究をしてきた経験を生かし、イベント等を行っている。ここで「学生、若者と介護」について問題関心を共有する人々と出会えたことは僥倖であると同時に、さらなる研究の動機となっている。また今後はキャリアカウンセラーとしての視点も生かし、学生の方々が「この場所で育てた感覚を携えながら今の社会でどう生きるか」を考える機会を提供したい。CGSはダイナミックな実践の場である。今後もここでの出会いを通じ、私自身もさらに学び、変わり続けてゆくだろう。