ジェンダー・セクシュアリティ相談員、ICU卒業生(1985):高田良実
【CGS Newsletter018掲載記事】
2013年12月、ICUにジェンダー・セクシュアリティ特別相談窓口が開設され、ジェンダー・セクシュアリティを専門的に学んだ臨床心理士が相談員として、直接の相談業務や、学内外機関への取り次ぎを行なっています。特別相談員の高田良実さんから、窓口の紹介をしていただきます。
「ジェンダー・セクシュアリティ特別相談窓口」は、ICUの学生や教職員(勤務形態を問わず)が、ジェンダー・セクシュアリティに関してなんでも相談できる窓口として、2013年12月より開設され、当初は隔週でしたが、2014年4月からは毎週1回、火曜日の午前11時から午後4時30分に行われています。2014年度には、計41回開室され、29名から、のべ74件の利用がありました。
この相談窓口では、ジェンダー・セクシュアリティの専門教育を受け、かつ臨床心理士の資格を持った相談員が相談にあたっており、ジェンダー・セクシュアリティを理由とした差別的な扱いやハラスメントに関すること、カミングアウトに関すること、性の健康に関すること、妊娠・出産・子育て等に関すること、女らしさや男らしさに関すること、その他、ジェンダー・セクシュアリティに関するどんなことでも相談に応じています。1回の相談はおおむね50分で、相談をお聞きして課題を整理した上で、何らかのアドバイスをさせていただくこともありますし、人権委員会やカウンセリングセンターなど学内の他の相談窓口を紹介したり、学外の医療機関やNGOなどの情報提供をすることもあります。
大学でのジェンダー・セクシュアリティに特化した相談窓口というのは、他にあまり例を見ない新たな試みです。本来、学内のどの相談窓口でも、ジェンダー・セクシュアリティに関連する相談に応じられることが望ましいし、また、いろいろな相談窓口で、それぞれ取り組みがなされていることと思いますが、ジェンダー・セクシュアリティ相談に特化していることをうたっている相談窓口では、一般の相談窓口ではもしかすると奇異な目で見られたり、理解してもらいにくいのではないだろうかと来談者が懸念しがちな、性別違和感や、性的指向の問題(同性への恋愛感情、同性カップルの抱える問題など)や、あまり一般的でない性的嗜好・性癖などについても、最初から忌憚なく話しやすいという利点があり、このような相談窓口の存在意義があると思われます。
相談窓口利用者の中には、それまでCGSのその他のサービスを利用したことのない人も多くおり、相談窓口への来談をきっかけとして、その後CGSのその他の活動に参加する人もみられます。ジェンダー・セクシュアリティに関しても、今や一般的な情報はインターネットや巷に溢れているようにも思われますが、一人一人が自分の抱えている課題を、まずは「相談」として自分の言葉で語り、一対一の対話を通して整理して、次のステップを自分で見出して進んでいくことが、とても大切なことのように思います。
相談室は教育研究棟318号室です。予約優先となりますので、名前、連絡先、希望する日時を書いてメール(gscounselingアットマークicu.ac.jp)で予約してください。相談予約の入っていない時間には相談員はCGSで待機しており、飛び込みで相談もできますので、どうぞご活用ください。