05. コラム: 2010年10月アーカイブ

CGS 運営委員/ 国際基督教大学准教授: 森木美恵
【CGS Newsletter013掲載記事】【ペーパー版と同一の文章を掲載】

 2010年1月28日・29日にタイの首都バンコクにおいて、"Women's Health, Well-Being between Culture and the Law"と題した国際会議が開催された。この会議は、長年にわたりWomen's Studies の分野で活躍されてきたアジア各国の研究者およびNGO関係者が中心となり企画運営されたもので、2009年春学期に特任教授としてICUでも教鞭をとられたタイ国タマサート大学のChalidaporn Songsamphan教授もその中心メンバーの一人であった。私はChalidaporn先生とのつながりからこの会議のことを偶然知ったのであるが、計8カ国のアジアの国々より様々な専門分野の方々が参加し、「新参者」研究者としては、研究・活動分野の軌跡を知り、そしてその発展マップ上に自分の研究がどの様に位置し得るのかを考える上で、有意義な経験となった。会議の開催目的の一つが、関係者相互のネットワークを強め、女性の健康とウェル・ビーイングについて多角的に検討する手立てとすることであった。実際に、この会議の運営委員を中心としてAsian Association of Women's Studies という団体も最近設立されており、今回の会議は分野全体としても、「今まで」と「これから」を結ぶ良い基点となったのではないだろうか。

かながわレインボーセンターSHIP:吉仲崇、星野慎二
【CGS Newsletter013掲載記事】【ペーパー版と同一の文章を掲載】

 横浜Cruise ネットワークは、神奈川県との協働事業として、2007 年9 月にセクシュアルマイノリティのためのコミュニティセンター「かながわレインボーセンターSHIP」を設立しました。SHIP の主な活動は、HIV/AIDS など性感染症の予防啓発活動と、セクシュアルマイノリティのためのメンタルヘルス支援に大きく分けられます。

ライター:竹内絢
【CGS Newsletter013掲載記事】【ペーパー版と同一の文章を掲載】

●女が住居を確保する
 数年前、フェミニストを自称する友人が「私、結婚したの...」となぜか申し訳なさそうに電話してきたことがあった。理由を聞けば、引っ越しをしたいがなかなか家を借りられなかったという。異性の恋人と結婚したところ、なんなく借りられたそうだ。 「 それだけの理由?」と当時は訝しがったが、今となっては理解できる。私の一人暮らしを支えていたのは「父親」という保証人の存在あってのこと。父や夫の存在なくして女ひとり、ボロアパートで暮らすことすらままならない。シングルの女、老いた女は、どうやって住居を確保するのか...。自分の将来を考えると暗澹とした気持ちになる。

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