緊急呼びかけ:一橋大学法科大学院生のアウティング事件に接して

 この度、一橋大学法科大学院生が同級生に同性愛者であることをアウティングされ、その後心身の不調を訴え転落死した事件を報道によって知り、大きな衝撃を受けました。当該大学院生の苦しかったであろう心の内を思うと、胸がかきむしられるような思いがいたします。心よりお悔やみを申し上げますと共に、ご遺族の方々のご心痛に寄り添いたいと思います。また、この報せを受け声明(http://gender.soc.hit-u.ac.jp/news.html)を発せられた一橋大学ジェンダー社会学研究センター(CGraSS)にも、連帯の意を示したく思います。

 残念ながら、LGBTという言葉だけが一人歩きし、性的マイノリティへの理解が進んでいない現状では、今回の事件は、本学も含め、どこの大学でも起こりうる(そしておそらく起こっているけれども、報道も、学内での共有さえもされていない)ことです。性的マイノリティのカミングアウトによって起きた良い側面だけに光が当てられ、あたかも世の中でマイノリティ理解が進んだかのような錯覚にとらわれがちですが、カミングアウト後に当事者が晒されるかもしれない差別の危険については、十分に語られてきていません。異性愛・シスジェンダーであることを前提とした制度や対応がまだまだ大勢を占めるキャンパスにおいて、性的マイノリティに属する学生たちのなかには、自分の性的指向や性自認、性別違和を周囲に言うことすらできないばかりか、他人に知られて好奇の目に晒されたり、差別されたり、いじめられたりするのではないかと、日々怯えて生活せざるを得ない方も少なくありません。しかしそもそも、マイノリティが生きづらい世の中であることは、マイノリティ側の問題ではありません。それがあたかも当事者の努力次第で変えられるかのようにしてカミングアウトを求めることは、むしろ差別構造の強化に過ぎません。ましてや、望んでもいないのに他人によって行われるアウティングは、いじめの構造そのものであり、紛れもない加害なのです。
 一橋大学側は当該大学院生からの相談を受けていたとのことで、その中で今回の事故が起きてしまったことは大変残念なことです。そもそも、そのような相談を大学にできずに苦しんでいる当事者学生が、全国の大学に多くいるであろうことが容易に想像できます。しかし、それでも起きてしまった今回の事件。もっと何かできることがあったのではないか、また二度とこのようなことが起こらないようにするために何ができるのか、全ての教育機関で考えなければならない問題であると考えます。特に、今回の事件は、当該院生に問題があったから起きたのではなく、日本社会全体の風潮を反映してキャンパスに蔓延する性的マイノリティ差別の空気に問題があり、また、その空気を大学側が教育的に変えることができていなかったことに問題があったから起きたのである、ということを確認しておきたいと思います。
 現在の性的マイノリティ差別の雰囲気は、小中高の教育課程において性教育・セクシュアリティ教育がまともになされていない日本の教育制度に端を発しており、その意味において高等教育機関が負う責任は大きなものがあります。一橋大学と同じくジェンダー研究の機関を持ち、学内のジェンダー平等や性的マイノリティ差別解消のためにも動いてきた当センターとしては、ますます自分たちのするべき課題を突きつけられた気持ちでいます。

 今回のような悲劇を二度と起こさないために、予防策を講じることが全国のすべての大学関係者にとっての喫緊の課題です。セクシュアリティのみならず、ジェンダー、障がい、国籍、人種や民族など、さまざまな属性を問わず全ての学生・教職員の人権が確実に守られる環境の構築に向けて私たち大学関係者は真剣に取り組む必要があります。すべての関係者の皆さんに、関係先キャンパスにおけるマイノリティ対応についての見直しの緊急行動を呼びかけたいと思います。人の命がかかっています。共に行動してきましょう。
 また今回の事件報道を聞き不安を覚えている学生の皆さん、特にジェンダーマイノリティ・性的マイノリティの皆さん、その方々を支える友人の皆さん、私たちは皆さんの不安を少しでも解消できるよう全力を尽くします。本学には人権委員会による人権相談員や、ジェンダー・セクシュアリティ特別相談窓口も設置してありますので、そちらも利用することができます。不安や悩みを一人で抱え込まずにすむように、私たちは相談してもらえるような場所でありたいと思っています。

国際基督教大学ジェンダー研究センター

Pick Up!

CGSの夏期休業期間と、臨時の閉開室スケジュールは以下の通りです。
これ以外の日程では、月~金の11:00-17:00に毎日開室していますので、キャンパスにお越しの際はお気軽にお立ち寄りください。ICU Summer Courses in Japanese受講生の皆さんも歓迎です!

7月25日(月)~8月8日(月) 夏期休業期間
8月12日(金) 臨時閉室
8月15日(月) 臨時閉室

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CGSジャーナル『ジェンダー&セクシュアリティ』11号が発刊されました。
冊子版の発刊からオンライン版の公開まで時間を頂戴しましたこと、お詫び申し上げます。

全文は、こちらのリンクからPDFファイルにてダウンロードできます。
CGSjnl011.pdf(2.8MB)


11号の内容は次の通りです。

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武蔵野市男女共同参画フォーラム2016
LGBT職場環境アンケート報告会「データを職場環境改善のチカラにin 東京 2016」

ポスター(PDF, A3サイズ, 0.6MB)
参加フォームつきチラシ(PDF, A4サイズ2ページ, 0.7MB)

 虹色ダイバーシティでは2013年から年1回、インターネット上で「LGBTに関する職場環境アンケート」を実施しています。2014年第2回から、国際基督教大学ジェンダー研究センターとの共同研究として開催してきました。
 第4回となる2016年調査では2,300名近くの回答を得ました。このアンケートの集計・分析結果の発表と、そこから見えてくる日本の職場の課題について考えるトークイベントを開催します。データ分析を担当した研究者による解説に加え、今回は、「性的マイノリティについての全国調査」研究メンバーでもある研究者の石田仁さん、職場におけるLGBT差別問題に法的な側面から支援を続けてきた弁護士の永野靖さんをトークゲストにお招きします。


日時
2016年6月19日(日) 14:00-17:00(13:30開場)

会場
武蔵野プレイス 4F フォーラム
〒180-0023武蔵野市境南町2-3-18
JR中央線・西武多摩川線「武蔵境駅」南口下車、徒歩1分
※武蔵野プレイス各フロアには、性別を問わずご利用いただけるトイレがございます

定員
100人(先着順、要事前申し込み・5月16日(月)より受付開始)

参加費
無料

言語
日本語

情報保障
手話通訳(要事前申し込み、6月4日(土)〆切)

託児
無料(要事前申し込み、6月4日(土)〆切)
生後3か月~未就学児対象、定員5名(市内優先)、申し込み多数の場合は抽選

司会進行
村木真紀(特定非営利活動法人虹色ダイバーシティ 代表)

データ解説
平森大規(ワシントン大学大学院社会学研究科博士前期課程、国際基督教大学ジェンダー研究センター 研究メンバー)

トークゲスト
石田 仁(日工組社会安全研究財団研究員、成蹊大学非常勤講師)
永野 靖(永野・山下法律事務所 弁護士)

共催
特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ http://www.nijiirodiversity.jp
国際基督教大学ジェンダー研究センター
武蔵野市男女共同参画週間事業実行委員会・武蔵野市


申込み・問い合わせ先
むさしのヒューマン・ネットワークセンター(武蔵野市市民活動推進課)

電話、FAX、E-mail、ホームページのほか、直接のご来訪でもお申込みいただけます。
〒180-0022 東京都武蔵野市 境2-10-27
開館時間:平日・土曜:9:30~17:00(日曜・祝日休館)

[TEL/FAX] 0422-37-3410
[E-mail] mhnc☆tokyo.email.ne.jp (☆を@に変えてください)
[ホームページ] http://www.mhnc.jp/

参加申込:5月16日(月)受付開始
お申込に際してご記入いただいた内容は、今回のイベントの運営にのみ利用いたします。第三者へ開示することは一切ございません。

参加申込に際して必要な情報(Fax,E-mailの場合は以下の内容をご記載ください。ホームページ・電話・直接の申し込みでも、以下の内容をお聞きします)

1. 参加を希望する講座名
2. お名前/ふりがな
3. ご連絡先(電話番号またはメールアドレス)
4. お住まいの地域(「武蔵野市内在住・○○町」または「武蔵野市外在住・自治体名」で大丈夫です)
5. 手話通訳申し込みの有無(※6月4日(土)〆切)
6. 託児保育申し込みの有無(※6月4日(土)〆切、生後3か月~未就学児対象)
託児保育お申し込みの場合は、以下の情報もお伝えください。
6-1. 郵送先の郵便番号・ご住所・お宛名(事前に利用案内をお送りします)
6-2. お子さんのお名前/ふりがな/ご希望の呼び方(ちゃん、くん、その他、受講時のお子さんのご年齢

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ICUジェンダー研究センター主催 第2回「Rainbow Reunion」のおしらせ

 CGS(国際基督教大学ジェンダー研究センターCenter for Gender Studies)は、ジェンダー・セクシュアリティの研究に関心がある全てのひとに開かれた、新しいコミュニケーションスペースとして、2004年4月に発足しました。
 この10年超のあいだ、CGSは、アカデミズム・アクティビズムの垣根を越えた、数多くの企画を行なってきました。学内・学外を問わず、ジェンダー・セクシュアリティをめぐる諸問題に興味を持つ多くの人にお集まりいただく中で、さまざまな人と人とのつながりが生まれ、広がってきたことを実感しています。
 そこで、来たる6月11日(土)に「Rainbow Reunion」と銘打ったCGS主催の「同窓会」第2回を、アラムナイハウスにて開催します!!

 ICU在学中に、ジェンダー・セクシュアリティを学んだ方もそうでない方も......
 セクシュアリティのこと、からだのこと、アイデンティティのことetc.を気軽に話せるひとが身近にいた方もそうでない方も......
 CGSのイベントにたびたび参加いただいた方も、今回初めてとなる方も......
 これまでと現在を、ゆるやかに語り合い、そしてまた新たなつながりが生まれる場所になればと思います。

 どうぞふるってご参加ください!

---------------------(以下転載歓迎)--------------------------

● 日時:2016年6月11日(土)13:00~16:00

● 場所: アラムナイハウス 2階ラウンジ(ICU学内、東京都三鷹市大沢3-10-2)

● 会費: 学生500円~ その他1,000円~(任意の金額をお支払いください)

※会費は、当日の軽食・ドリンク代および会場費に充てられます。残金が出た場合は、ジェンダー・セクシュアリティ研究の優秀な卒論におくられる、「ジェンダー・セクシュアリティ レインボー賞」の資金に寄付させていただきます。

※小学生以下無料です。

●参加対象者: ICU(大学又は高校)での在学経験、就労経験がある方。CGSのイベントなどにご参加いただいた、ジェンダー・セクシュアリティに関心のある方。(当日CGSのイベントに初めて参加する、という方もどうぞお越しください)。

●ご参加の申し込みについて:当日のご参加も可能ですが、おおよその人数を知りたいので、5月27日(金)までに下記メールアドレスまでお知らせください(☆を@に変えてください)。

rainbowreunion.cgs☆gmail.com

●その他:
・アラムナイハウス 1階にユニバーサルトイレがあります。2階へはエレベーターで上がることができます。
・途中参加・退出などもOKです。ご都合にあわせてご参加ください。
・ドレスコードはございません。ご自身のお好みの服装にてお越しください。
・会場内での写真撮影は自由ですが、他の参加者の方のプライバシーが守られるようにお願いいたします。
・お子様のご来場も歓迎しております。(託児施設はございません)。
・イベント内容の詳細情報、変更、当日の異常気象などで中止となる場合は
 CGS Online  (http://subsite.icu.ac.jp/cgs/)
 Facebook (https://www.facebook.com/icu.cgs)
 Twitter (@icu_cgs) にてお知らせいたします。


6月第1~2週は、ジェンダー・セクシュアリティをはじめ、学内のさまざまな問題に対して声を上げられる環境作りを目指すイベント週間・第4回「R-Weeks」です。

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研究成果発表会
問題なのは社会=制度的構造だ ―日本における性的マイノリティと収入の探索的分析

日時
2016年6月10日(金) 15:10-17:00

会場
本館115

参加費無料・予約不要

使用言語
日本語(同時通訳なし)

発表
平森大規
ワシントン大学大学院博士前期課程、ジェンダー研究センター研究メンバー

 ICUを卒業し、ワシントン大学大学院博士前期課程に進学した平森大規さんは、修士論文を執筆するとともに、CGS研究メンバーとして、「LGBTに関する職場環境アンケート」の分析にも2014年より携わっています。修士課程修了を控えたいま、これまでの研究成果をご報告いただく機会を設けました。社会学(特に計量研究)やフェミニスト・クィア調査法に関心のある方、海外も視野に含めた大学院進学を考えている方、「LGBTと職場環境」に関して興味のある方など、どんな方も大歓迎です。ふるってご参加ください。


【同日開催】
ふわっとジョブカフェ

日時
17:15-19:00(途中入退場自由)

会場
ジェンダー研究センター (ERB-1 301)

主催:ジェンダー研究センター
宣伝協力:就職相談グループ

就職活動や将来の仕事について考えたことはありますか?
履歴書には性別欄があるところが多いし、ジェンダーを問わず面接で結婚について聞かれるなんて噂も...
そもそも働くことをめぐる状況はどうなっているんだろう?
そんな就活に関して気になること思っていることなどを、まずみんなで話してみませんか?

(世話人:加藤悠二(CGSスタッフ) ほか)


6月第1~2週(2016年度は5月31日(月)~6月11日(日))は、ジェンダー・セクシュアリティをはじめ、学内のさまざまな問題に対して声を上げられる環境作りを目指すイベント週間・第4回「R-Weeks」です。

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