02. 日本から: 2004年11月アーカイブ

関東学院大学 : 細谷実
【CGS News Letter002掲載】

 21世紀に入って、日本のフェミニズムとその主張が取り入れられたジェンダー政策に対するバックラッシュが急速に広がった。まず、2001年までの、運動の成果を確認しておきたい。

ICU在学生 : 清水雄大
【CGS News Letter002掲載】

 ドメスティック・バイオレンス(DV)防止法が、今年の通常国会において全会一致で改正された(5月27日成立、12月に施行の予定)。本稿では、今回の改正のポイントを説明した上で、改正後も残る問題点をジェンダーの視点から論じる。

大阪府立大阪女子大学大学院 : 堀久美
【CGS News Letter002掲載】

 昨年のジェンダー法学会の設立に続いて、経済学においても新たな動きがあった。4月17日(土)、日本における交流と研究の蓄積、1992年に設立された国際フェミニスト経済学会(IAFFE)などの国際的な研究動向の把握と共有を当面の主な課題に、フェミニスト経済学日本フォーラムが設立され、設立記念シンポジウムが法政大学を会場に開催された。そのスタートの熱気を実感したいと東京まで足を運んだのだが、果たして、私の期待どおりのシンポジウムであった。予想をはるかに上回る参加者で、熱心な報告、議論が行われた。

人文科学科 : 生駒夏美
【CGS News Letter002掲載】

0410004a.jpg 2004年6月12日と13日の両日、鳥取県倉吉市で日本女性学会の大会が開催された。場所はデザイナーの手による施設、倉吉未来中心。太陽が燦燦と降り注ぐロビーを持ち、開放的な明るい雰囲気だ。会の雰囲気も非常に暖かかった。初参加の筆者だが、わけへだてなく歓迎され、すぐに仲間として交わることができた。この友好的な雰囲気は個人発表でもシンポジウムでも維持された。発表者には温かい支援の言葉や、適切な助言が与えられ、皆で助け合って進んでいこうという前向きな空気が全体に流れていた。

国際関係学科 : 加藤恵津子【CGS News Letter002掲載】

 7月、日本女性の出生率が1.29人と発表された。過去10年ほどの出生率低下の犯人として、私を含む「男女雇用機会均等法第一世代」の女性たち、または彼女たちが仕事と家庭を両立できないような社会制度を指摘する議論が多い。だが今一度注目されるべきは、この世代の「夫たち」である。高度経済成長期の「おじさん」の価値観を受け継ぐこれら「ネオ・おじさん」は、妻と家事分担するだけの技術がないばかりか、最低限の生存技術を持たずに妻に「世話される」対象として、「子供」とともに「社会的未成熟者」のカテゴリーに属するといえる。このような男性は女性にとって、追加労働と過労、出産意欲喪失のタネである。託児所増設だけでなく、子供や家事を託せる「社会的成熟者」たる夫の増加がなければ、出生率向上など望むべきではない。

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