07. 講演録: 2007年11月アーカイブ

takayama2007_01.jpg 2007年10月5日(金)、カウンセラーの高山直子氏をお迎えして「燃え尽きない働き方」と題した講演会を催しました。CGSとICU就職相談グループは2005年度より「卒業して社会人となり、仕事上の困難に直面した時にも役立つ情報の提供」を目的として、講演を共催して参りましたが、今回の講演はそのシリーズの第三回目。学生、教職員、また告知を見て学外からいらっしゃった方々など、約 120名の皆様にお集りいただきました。

 講演録イントロダクション
 講演録1
 講演録2 
 講演録3
 講演録4
 講演録Q&A

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2007年10月5日
CGS・ICUジェンダー研究センター共催講演 「燃え尽きない働き方」
講師:高山直子氏(サポートハウスじょむカウンセラー)

田中かず子(CGSセンター長)
 今日はICUジェンダー研究センターと就職相談グループが毎年共催で学生の方達にセミナーや講演会という形で開催しております、今年度で第3回目の会合になります。今年度は「燃え尽きない働き方」ということで、高山直子さんを講師としてお迎えしておりますが、その前に、学生部長の中村先生の方からご挨拶をお願いしたいと思います。

中村一郎(ICU学生部長)
 皆さん、こんにちは。何を言おうかって、田中先生がみんなおっしゃったような気がするんだけれども、とにかくこんな時間に皆さん本当によくいらっしゃいました。ありがとうございます。それから今も、これが3回目の講演なんだけど、ちなみに第1回目はどういうタイトルだったかというと「男女賃金差別訴訟」ということで二人の講師(住友電工男女賃金差別裁判の元原告の一人である西村かつみさん・同元弁護団長の宮地光子弁護士)に来ていただいて、お話をうかがいました。去年が第2回目で、その時は「後悔しない就職しませんか」という題で、正規、非正規労働者の現状について伊藤みどりさん、藤井豊味さん(女性ユニオン東京) にお話をいただきました。そして今年は「燃え尽きない働き方」という題です。

【1. 人はなぜ燃え尽きるのか】
高山
 では、人はなぜ燃え尽きるのか。今日は「燃え尽きない働き方」というテーマだけれども、なぜ今回この「燃え尽きない働き方」というテーマにしたかというと、やっぱり最近、若い30代後半から、中間管理職あたりになる人が、すごく疲れているの。昔は終身雇用制という形で、ずーっとキレイに上に上がっていったけど、今は終身雇用制が段々崩れてきていて、成果主義になって、間の中間管理職というのはごっそり抜けています。

 そうすると、10年・15年働いた人たちが、ものすごい負担を抱えて働いているケースがすごく多い。そうすると、働けど働けど全然楽にならないっていう感じで燃え尽きちゃう人が増えているのね。だから今、30代の鬱が増えているよ、とかテレビでもよく言っているけれども、そういうことが起きている。だから今回こういう風に、「燃え尽きない働き方」ってどうやったらできるんだろうということをテーマにお話させていただくことにしました。

【3.自分の意思や考えを伝えるテクニックあれこれ】
高山
 では、自分の意思や考えってどうやって伝えるか。結局、こういったストレスは、コミュニケーションの中 から生まれてくるのね。でもコミュニケーションというのは、聞く人と話す人がいる。自分の意思を伝える人とそれを受けとめる人。ちょっとみんなからのリクエストがあったから、先に、自分の意思を伝えるテクニックの話をします。だいたい、4つポイントがあります。大事なポイント。主張することが上手だけれども、人によく聞いてもらえない人っていると思うの。主張しても人がうまく受けとめてくれない。そういう人はね、今から言う4つのポイント覚えて帰って下さい。

【2.カウンセラーが使うリスニング(傾聴)・スキルを生活に生かす】
高山
 今度は、リスニングのスキルについてお話します。私はカウンセラーですが、カウンセラーの役割、仕事というのは聞くことです。聞けないカウンセラーは、ちょっと難しいね。カウンセリングというのは、自分がしゃべっていたら意味ないからね。なので、カウンセラーになって、一番初めに叩き込まれることが、リスニングスキルです。今日お話しするリスニングスキルはみんなが生活で活かせるスキルだから、これも覚えて帰ってください。

 今回のチラシに、「ICUの学生さん達は話をすることはみんな案外得意かもしれません」と書いてあったと思うのだけど、話すのは得意かもしれないけど、聞くのが得意じゃないと、コミュニケーションはなかなか成り立たないのね。やっぱり、両方必要です。で、コミュニケーションというのは、聞く側の意識によって、聞いた話の受けとめ方とか、受け入れ方が変わってくるの。さっき言ったよね、卵の話。聞いている側のシチュエーション・状況・意識によって、解釈が変わります。だから、リスニングスキルが大事になってくるの。いったいこの人は何が本当に言いたいのだろうって。

【4.燃え尽きる前にできること】
(1. 心が疲れていることに気づくポイント)
高山
 燃え尽きる前に何ができるか、ということです。まず、体の疲れと言うのは誰でも大体キャッチできるの。例えば、もう毎日、午前様で仕事しているとか、そうすると、もちろん疲れるよね。疲労が溜まる。疲れているのに眠れないとか。あと、頭が痛いとか。肩がこるとか。食欲がなくなるとか。朝起きられない。もしくはやたらに眠い。体の症状というのはわかりやすいの。 でも、心が疲れているときというのは結構わかりづらいです。周りは気が付いても、本人は気が付いてないことも結構あるの。だから、心の疲れにどう気づくかということが重要になってくる。心の疲れをどうやって察知するか。大事なことは、「感情を自分が表現しなくなった」、「最近あんまり感情表現してないなぁ」と思ったら、−−−感情表現はそれぞれみんな違うけどね、レベルが。すごーく表現する人もいれば、おなじくらい楽しいけど、あまり表現しない人もいるけれど−−−ちょっと注意してください。笑わなくなった、とかね。「なにに対しても楽しいとか嬉しいとか悲しいとか辛いとか、そういう感情もあんまり感じなくなった」とかそういうのは注意。

 もしくは、思考がネガティブなスパイラルに陥りやすくなっている。さっきのチェックリストでやった、自分を責める、寝ている間中でも、「あーなんであぁなんだろう、こうなんだろう」「何で僕の人生はこんなつまんないんだろう」「何で私はこんな目にあっているのだろう」とかさ。「私のせいなのかな、私の性格がこうだからかな」そういう風になったときには気をつけてね。

田中
 高山さん、どうもありがとうございました。ちょっと時間がおしてしまったので、あまり時間が取れないのですけれども、質問をお受けして、その後CGSで高山さんを囲みながらお話する機会を設けますので、お時間のある人は、少しCGSの方に来てください。それから、みなさんのファイルのなかに、アンケート用紙が入っていると思います。ぜひ、感想などを書いて頂けると、またいろいろと参考にさせて頂きたいと思います。

 今日は、非常に具体的に、どういう風にして、生き残るのか。どういう風にして、ストレスの少ない、人間関係を作るのか、ということでお話して頂きました。ほんとに、もう、沢山ありますので、全部消化する、全部具体的にわかるというところまでいくのは、なかなか難しいとは思います。でも実は、人権セミナーを12月に企画していまして、その時に、やはり、高山さんに、来て、お話をして頂くことになっています。その時にはまた、違うバージョンのお話をして頂こうと思いますので、それも、心に留めておいて下さい。それではなにか質問、今、質問がある、この場で聞きたいというもの、ことありますでしょうか?

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