02. 日本から: 2006年11月アーカイブ

“人間と性”教育研究協議会代表幹事:村瀬幸浩【CGS NewsLetter 006掲載記事】

 市民から「とんでもない性教育」への抗議があった、と議員が国や各自治体の議会で突然問題にする。そして「望ましくない」旨の首長らの答弁を引き出す。同時に、ある新聞社が実態も確かめずにいかにも「ひどい」という記事を載せる。一方で問題化を恐れた教育委員が予め性教育を抑えにかかる。時には処分をちらつかせて。こうした連携プレーのような攻撃が2002年から明確に始まり現在も続いている。

立命館大学助教授:秋林こずえ【CGS NewsLetter 006関連記事】

 2006年6月10・11日、日本女性学会大会が大阪ドーンセンターで開催された。大会のシンポジウムでは、「ジェンダーをめぐる暴力とトラウマ――暴力への対抗としてのフェミニズムの希望のあり方」をテーマに、宮地尚子氏(一橋大学)、大越愛子氏(近畿大学)、木村涼子氏(大阪大学)の3人がパネリストとして報告と議論を行った。

ICU 学部:川口遼【CGS NewsLetter 006掲載記事】

 2006年3月25日、港区男女平等推進センターにて「ジェンダー概念について話し合うシンポジウム」が開催された。ウェブサイトで公開されている開催趣意にもあるとおり、本シンポジウムは、いわゆる国分寺市事件を受けて開催されたものではあるが、性差別撤廃を目指す研究や運動への反対運動、近年激しさを増してきた一連の「バックラッシュ」全体への対抗をも目的としている。主催は同シンポジウム実行委員会、後援はイメージ&ジェンダー研究会、日本女性学会である。

ICU 大学院:川坂和義【CGS NewsLetter 006掲載記事】

 2006年3月5日、東京の学習院大学において「同性カップルの生活と法律」というテーマでRainbow Talk 2006が行われた。このイベントは、「同性パートナーの法的保障を考える全国リレーシンポジウム」として、尾辻かな子大阪府議議員が呼びかけ人となり、大阪(2/26)、東京(3/5)、香川(3/19)、札幌(3/26)、東京(4/16)と順次開催された。おそらく、同性婚がテーマのイベントでは、日本の歴史上最大規模のものだっただろう。今回(3/5)の学習院で行われたシンポジウムも200人以上がつめかけ、用意された会場が満席となっていた。

ICU 大学院:加藤悠二【CGS NewsLetter 006掲載記事】

 2006年春に日本各地を縦断して行われた同性パートナーの法的保障を考える全国リレーシンポジウム「Rainbow Talk」に引き続き、夏も多くのセクシュアル・マイノリティの連帯を示すイベントが実施された。6月には愛知県で6回目となるHIV/AIDS啓発イベント・Nagoya Lesbian & Gay Revolution2006(NLGR2006)が、7月には第1回青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバルが開催されるなど、恒例となってきたイベントの他にも、新しいイベントも日本各地で興隆してきている。今回の記事では、私が参加した東京のイベントを中心に、2006年夏のセクシュアル・マイノリティイベントのレポートを記したい。

女性ユニオン執行委員:伊藤みどり【CGS NewsLetter 006関連記事】

1)はじめに
 私は、1995年に個人加入できる女性のための労働組合・女性ユニオン東京を結成した。この年は、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件と現在の日本を予想させるような不安な事件が起きた年である。女性ユニオン東京という女性が中心の労働組合の必要性が議論され作られたのも、こうした時代背景があった。
 しかし、ユニオンの結成時には、主たる相談者は中高年の正社員女性で、賃金の高い女性たちのリストラが始まった時期にあたる。
今から思えば、日本の雇用環境が転換した年であった。その年に日経連が『新時代の「日本的経営」』を出版した。今年5月から7月、私は、香港のフェミニスト、メイベル・オーさんと共に日本全国を歩いて女性労働者の現状調査を行った。その時にも、「職場の変化はいつごろからですか?」という質問に、誰もが「10年前位から」と答え、「そのころから企業は正社員を雇用しなくなり、その代わりに派遣やパートなど非正規の社員を雇用するという変化がおきていた」という共通した回答だった。新時代の日本的経営戦略こそ国際競争に打ち勝つために「労働力は商品だ」と明確に定義し、非正規雇用を増大させていく戦略であった。その結果、厚生労働省の調査でも女性の非正規雇用労働者は52.5%(2005年)と過半数を超え、フリーター統計からはずされた主婦を含めれば、実態は70%を越える女性たちが非正規雇用化した。

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