006号: 2006年11月アーカイブ

CGSニューズレター 006号

NL006.png発行:2006年11月1日

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“人間と性”教育研究協議会代表幹事:村瀬幸浩【CGS NewsLetter 006掲載記事】

 市民から「とんでもない性教育」への抗議があった、と議員が国や各自治体の議会で突然問題にする。そして「望ましくない」旨の首長らの答弁を引き出す。同時に、ある新聞社が実態も確かめずにいかにも「ひどい」という記事を載せる。一方で問題化を恐れた教育委員が予め性教育を抑えにかかる。時には処分をちらつかせて。こうした連携プレーのような攻撃が2002年から明確に始まり現在も続いている。

立命館大学助教授:秋林こずえ【CGS NewsLetter 006関連記事】

 2006年6月10・11日、日本女性学会大会が大阪ドーンセンターで開催された。大会のシンポジウムでは、「ジェンダーをめぐる暴力とトラウマ――暴力への対抗としてのフェミニズムの希望のあり方」をテーマに、宮地尚子氏(一橋大学)、大越愛子氏(近畿大学)、木村涼子氏(大阪大学)の3人がパネリストとして報告と議論を行った。

北京師範大学、教育学院:林玲【CGS NewsLetter 006関連記事】

出会い:興味
 指導教官である鄭新蓉教授からご指導いただくまで、私は彼女がフェミニストであることを知らなかった。その後も、彼女とフェミニズムとの関わりが、私にそれほどの影響を与えるとは思ってもいなかった。しかし現在、私は指導教官と同じ分野に強く興味を持ち、彼女同様、フェミニストとなった。

東洋大学社会学部:竹達英司【CGS NewsLetter 006関連記事】

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 2006年5月23日、国際基督教大学において、大阪府議会議員で昨年レズビアンであると公表した尾辻かな子氏による講演会「『虹色』の社会を目指して」が行なわれた。  私自身は当事者、つまり一男性同性愛者として講演を聴講するつもりでいたが、基本的にはLGBTに対する知識をまだあまり持たない異性愛者の方にも解りやすい講演であった。

ICU 学部:今川あい子【CGS NewsLetter 006関連記事】

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 2006年5月8日、ICUの「ジェンダー研究へのアプローチ」という授業の中で、女装家であり性社会史研究者である三橋順子さんが講演を行った。タイトルは「トランスジェンダーをめぐるセクシュアリティ」。「オブラートに包むタイプではない」というご自身による自己分析の通り、新宿の女装コミュニティのリアリティについて直截でわかりやすい説明がなされ、内容の濃い講演であった。

CGSスタッフ:井上有子【CGS NewsLetter 006掲載記事】【ニューズレターと同一の文章を掲載】

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 2006 年3 月、ジェンダー研究センター(CGS)は堀江有里氏を迎え「キリスト教と性的マイノリティ」と題した講演会を二日に渡って開催した。氏は大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程で学ぶ傍ら、日本基督教団牧師、また「信仰とセクシュアリティを考えるキリスト者の会(ECQA)」代表として、性的マイノリティが直面する差別に教会内外で積極的に発言してこられた。多く教会・教派を揺るがす同性愛の問題をレズビアンであり牧師である氏に語っていただいた今回の講演は、キリスト教精神に立脚する本学にとって非常に大きな意義があった。

ICU 学部:川口遼【CGS NewsLetter 006掲載記事】

 2006年3月25日、港区男女平等推進センターにて「ジェンダー概念について話し合うシンポジウム」が開催された。ウェブサイトで公開されている開催趣意にもあるとおり、本シンポジウムは、いわゆる国分寺市事件を受けて開催されたものではあるが、性差別撤廃を目指す研究や運動への反対運動、近年激しさを増してきた一連の「バックラッシュ」全体への対抗をも目的としている。主催は同シンポジウム実行委員会、後援はイメージ&ジェンダー研究会、日本女性学会である。

ICU 大学院:川坂和義【CGS NewsLetter 006掲載記事】

 2006年3月5日、東京の学習院大学において「同性カップルの生活と法律」というテーマでRainbow Talk 2006が行われた。このイベントは、「同性パートナーの法的保障を考える全国リレーシンポジウム」として、尾辻かな子大阪府議議員が呼びかけ人となり、大阪(2/26)、東京(3/5)、香川(3/19)、札幌(3/26)、東京(4/16)と順次開催された。おそらく、同性婚がテーマのイベントでは、日本の歴史上最大規模のものだっただろう。今回(3/5)の学習院で行われたシンポジウムも200人以上がつめかけ、用意された会場が満席となっていた。

ICU 大学院:加藤悠二【CGS NewsLetter 006掲載記事】

 2006年春に日本各地を縦断して行われた同性パートナーの法的保障を考える全国リレーシンポジウム「Rainbow Talk」に引き続き、夏も多くのセクシュアル・マイノリティの連帯を示すイベントが実施された。6月には愛知県で6回目となるHIV/AIDS啓発イベント・Nagoya Lesbian & Gay Revolution2006(NLGR2006)が、7月には第1回青森インターナショナルLGBTフィルムフェスティバルが開催されるなど、恒例となってきたイベントの他にも、新しいイベントも日本各地で興隆してきている。今回の記事では、私が参加した東京のイベントを中心に、2006年夏のセクシュアル・マイノリティイベントのレポートを記したい。

元CAWコーディネータ:メーベル・オウ【CGS NewsLetter 006掲載記事】

アジア諸国における女性労働者団体
・序論
 歴史的に見ると、工業化の過程と同時に労働運動が大幅に発展した事が分かる。不平等な労働環境を是正するため、労働運動は恒常的な闘いによって発展した。自分の権利を守るため、アジア地域の女性達も同様に闘い、強くなってきた。特に第二次大戦後、女性はアジア地域の工業化に深く関わっていった。しかしながら、女性労働者団体が協力して大きな力を発揮していくには、様々な障害があった。
 本論文では、アジア地域における女性の現状と、女性団体が直面する困難を記していきたい。さらに、女性労働者へのグローバリゼーションの影響を描いていきたい。そして、労働運動を強めるためには、特にこれまで組織される事のなかった女性労働者の組織化が必要不可欠であると証明したい。

女性ユニオン執行委員:伊藤みどり【CGS NewsLetter 006関連記事】

1)はじめに
 私は、1995年に個人加入できる女性のための労働組合・女性ユニオン東京を結成した。この年は、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件と現在の日本を予想させるような不安な事件が起きた年である。女性ユニオン東京という女性が中心の労働組合の必要性が議論され作られたのも、こうした時代背景があった。
 しかし、ユニオンの結成時には、主たる相談者は中高年の正社員女性で、賃金の高い女性たちのリストラが始まった時期にあたる。
今から思えば、日本の雇用環境が転換した年であった。その年に日経連が『新時代の「日本的経営」』を出版した。今年5月から7月、私は、香港のフェミニスト、メイベル・オーさんと共に日本全国を歩いて女性労働者の現状調査を行った。その時にも、「職場の変化はいつごろからですか?」という質問に、誰もが「10年前位から」と答え、「そのころから企業は正社員を雇用しなくなり、その代わりに派遣やパートなど非正規の社員を雇用するという変化がおきていた」という共通した回答だった。新時代の日本的経営戦略こそ国際競争に打ち勝つために「労働力は商品だ」と明確に定義し、非正規雇用を増大させていく戦略であった。その結果、厚生労働省の調査でも女性の非正規雇用労働者は52.5%(2005年)と過半数を超え、フリーター統計からはずされた主婦を含めれば、実態は70%を越える女性たちが非正規雇用化した。

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