ilc: 2007年4月アーカイブ

 今学期もジェンダー研究センターでは、3つの読書会を開催します。各読書会とも19時10分から開始します。場所はジェンダー研究センター(ERB-I 301)です。

 特に今回は、初心者向けの読書会も開催します。新入生やジェンダー研究にはじめてふれるという方にぜひ、参加していただきたいです。ジェンダーやセクシュアリティに関する専門知識は一切、いりません!基礎の基礎から学びますのでどうぞ気軽に参加して下さい。

ags2007_s.png ジェンダー・セクシュアリティ研究プログラム(PGSS)の基礎科目である「ジェンダー研究へのアプローチ」が、2007年度も春学期に開講されます。
 学内外から15名の研究者・実務家が、それぞれの専門分野におけるジェンダー・セクシュアリティ研究の可能性についてを講義する、オムニバス形式の授業です。全ての授業がオープンレクチャーであるため、履修していない学部生や、学外の方も自由に授業に参加できます。皆さまの参加を御待ちしております。

 PGSSでは、必修の一般教養科目(General Education =GE)はありません。ただし、以下のコース群は、履修を推奨する科目として、カリキュラムにリストアップされています。

 PGSSを履修する学生は、合計で18単位の基礎科目(Foundation Program)を履修する必要があります。その際、9単位は自分が所属していた学科の基礎科目から履修します。残りの9単位は、全学科の全基礎科目から、自由に選ぶことができます。なお、以下に挙げる科目は、PGSSの基礎科目としてオファーされているものです。履修することを強くお薦めします。

 PGSSを履修する学生は、30単位の専門科目(Area Major Courses)を履修する必要があります。そのうち15単位については、以下にリストされたコアコース(Core Courses)から履修することが、強く推奨されています。コアコースとしてオファーされた科目は、ジェンダーやセクシュアリティを分析手段として利用するための視座や理論を提供するものです。自分がもとに所属していた学科の枠にとらわれず、必要と思われるコースを履修してください。

 PGSSを履修する学生は、30単位の専門科目(Area Major Courses)を履修する必要があります。そのうち15単位については、以下にリストされた関連科目(Related Courses)から履修することが推奨されています。学生は各自の関心分野に応じて、自分がもとに所属していた学科の枠にとらわれず、必要と思われるコースを履修してください。
 また、以下にリストアップされていない科目についても、自分の研究に必要な科目であれば、関連科目として単位を計上することができます。ただしその際には、プログラム・コーディネーターの許可が必要です。登録をする前に、プログラム・コーディネーターと面談をするようにしてください。

 発行:2007年4月1日
CGSニューズレター 007号は、CGSなどでペーパー版を配布しているほか、以下のURLより、pdf版がダウンロードできます。
なお、ペーパー版・pdf版に収録されている記事は、要約となります。記事全文は、左のカテゴリーより、「E.ソース別分類」「04.ニューズレター」から「007号」を選択してご覧下さい。

CGSニューズレター 007号をダウンロード

国際基督教大学教授:御巫由美子
【CGS News Letter007掲載】【ペーパー版と同一の文章を掲載】

 やれやれ。案の定教育基本法改正が国会で成立した。改正法には現行法にはない「公共の精神」や「国を愛する態度」などが織り込まれる。改正法は、戦前の教育勅語のように国家の教育への介入・支配を示唆しており、それ自体非常に憂慮されるべきことであるが、ここではジェンダーの視点から、安倍政権が、教育基本法改正その他の政策を通じてめざそうとする「美しい国」の本質に迫ってみたい。

IWS2006コーディネーター/国際基督教大学教授 加藤恵津子
【CGS News Letter007掲載】【ペーパー版と同一の文章を掲載】

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  2006年10月6日から8日にかけて、CGS/COE共催の第3回国際ワークショップがICUにて開催された。今年のサブテーマは「アジアにおける〈身体の知〉とジェンダー」。過去2回のワークショップはそれぞれ社会科学と人文科学の視点から企画されたが、今回は自然科学の視点からジェンダーというパースペクティブの可能性を探ることを目指して、台湾、ベトナム、タイ、マレーシア、インド、日本から、性教育コンサルタント、助産師、助産学研究者、医療人類学者、医療社会学者、科学史・科学哲学者といった、実践家から理論家までを幅広く含む「身体の知」の専門家が集った。

ICU学部:金子活実【CGS NewsLetter 007掲載】

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 2006年10月6日、COE/ジェンダー研究センター共催国際ワークショップ2006のプログラムの一環として、パフォーマンスアーティストであるイトー・ターリさんの公演「<身体の知>とパフォーマンス」がICUで行われた。公演は二部から構成され、昼の部では、ターリさんのパフォーマンスの軌跡を記録したドキュメンタリー「Dear Tari」の上映、夜の部ではパフォーマンス「恐れはどこにある2006」の上演があった。作品の上映、上演後にはアーティストを囲んでトークの場が設けられ、アジア各国から参加した研究者や医療関係者と一般の学生が双方向に感想を交換する場となった。およそ半年に及ぶ準備期間を経て実現したこのパフォーマンス公演に関わったひとりとして、私が感じたことを言葉にしたい。

弁護士:石田法子【CGS NewsLetter 007掲載】

※この記事の全文はpdfで配布しております。
全文ダウンロード

【要約】
 近年改憲論が声高に語られ、政治の具体的スケジュールとなっている。安倍総理は、2007年の年頭所感で、自分の内閣での憲法改正を目指すことを、参院選の自民党の公約として掲げると表明した。
 しかしながら、自民党が2005年10月に発表した新憲法草案は、現行憲法の平和主義を放棄し、この国を、軍隊を持ち、集団的自衛権の名の下に米国と共に世界の隅々で戦争をする国にしようとするものである。またその体制を強固にするために、個人の利益に先立つ「公」の原理を、人権の制約原理に持ち込み、人権保障を後退させている。
 現行憲法は、14条で女性に平等を保障し、24条で「家制度」から女性を解放した画期的なものであるが、改憲論議の中で、24条への攻撃は激しく、その削除、改訂が主張されていた。新憲法草案ではその改訂は見送られているが、それは国民投票権を持つ女性の反発を避け改憲への道筋を開きたいとの狙いにすぎず、一旦改憲されると必ずや24条改訂は浮上する。
 改憲論の台頭と、ジェンダー思想を敵視するバックラッシュ、ジェンダーバッシングの動きの拡大とは連動し、改憲勢力とバックラッシュ勢力は重っている。新憲法草案が目指す社会は、ジェンダー的に大きな危惧がある。
 改憲に強く反対する。戦争の中で女性の平等は守れない。戦力で女性の権利は勝ち取れない。

ICU学部:大坪修平【CGS NewsLetter 007関連記事】

【この記事はニューズレター007号に掲載された記事「ジェンダーの視点から改憲を検証する」(石田法子氏)に関連して執筆されたものです。ニューズレター007号には掲載されていませんが、こちらもあわせてご覧下さい。】

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  2006年9月23日、国際基督教大学に於いて、弁護士・石田法子氏による講演会「ジェンダーの視点から改憲を検証する」が行なわれた。改憲問題をジェンダーという視点から検証する例は勿論、そのような内容の話を学生が法の専門家から直接聞く機会というのは法学部の無い国際基督教大学に於いては非常に少ない。また、法学を学んだ事が無い学生や改憲を巡る議論に明るくない人々にも解りやすいように配布資料も充実しており、講演の随所には詳細な説明が加えられていた。法律問題に明るくないICUの学生にとって本講演は実に学ぶ所の多い講演だったといえる。

ICU大学院:平野遼【CGS NewsLetter 007掲載】

 まっとうに「働く」ために、今我々は何を知っておかなければならないのか。2006 年 9 月 29 日、女性ユニオン東京の伊藤みどり氏、藤井豊味氏を迎え、CGS /就職相談グループ /COE 共催による講演、「後悔しない就職、しませんか?-正規社員と非正規社員の現状と課題-」が開かれた。本講演は主に、正規雇用と非正規雇用の労働環境の現実をそれぞれ解説しながら、そのなかでどのような権利を労働者として行使でき、主張可能なのかという点を伝えるものだった。就職活動を控えた学生にもわかりやすいように、パワーポイントを用いたクイズ形式をとるなど、工夫も凝らされていた。日本では現在、非正規雇用は現在派遣社員、パート・アルバイト・契約社員・派遣社員等様々な就業形態がある。とりわけ、2004年の労働者派遣法の改定に伴い派遣社員は増加し、認知度が高まっている。

ICU学部:海老本舞【CGS NewsLetter 007掲載】

「あれってDVだったんだ…」
 講演直後に客席の中から自分の過去を振り返る声が聞かれた。10月19日、第9回人権セミナー『デートDV―お互いを尊重した恋愛を考える』が、DVサポートグループ「レジリエンス」より中島幸子氏と西山さつき氏を招いて行われた。満員になった教室が、デートDVという聞きなれない言葉への学生の関心の高さを伺わせる中、講師自らの体験に基づく講演は静かながらも聴く者一人ひとりに迫る内容であった。デートDVとは、夫婦間以外のパートナーシップにおける精神的・身体的及び性的暴力のことを指すが、講演自体はデートDVに限らずDV全体の仕組み、影響、原因といった背景的な説明から、相談された場合の対応、またパートナーから離れられない理由を考察した上での回復の道のりなどといった実際的な知識まで多岐に渡った。DV自体の紹介に留まらずに、相談された側の注意すべき点やサポートグループへのアクセスが紹介されていたことによって、聴く者がDVの認識だけでなく当事者及びその周囲の人が具体的な行動をとることが出来る様に構成されていた。更に講師二人がそれぞれに「婚姻外の関係における身体的暴力」の経験と「婚姻内における精神的暴力」の経験を語ることにより、DVは婚姻内だけ・身体的暴力だけといった偏見を払拭する効果があった。

ゲイ/アクティヴィスト:akaboshi【CGS NewsLetter 007掲載】

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単なる小心者だったんだと思う。15年間も僕は、「ゲイ」である自分を見つめることから逃げ続けていた。

中学の時に後輩の男子を好きになったが、彼が風邪をひいたときに「大丈夫?」と手紙を渡しただけだった。思春期に身体が「男」として成長するにつれ、「男を好きになる男」である自分にすぐ気付いたのだが、女の子と付き合ってしまって彼女を傷つけたりもした。

いわゆるありがちな「ゲイ」のライフヒストリー。「ゲイ」である自分を認めず、考えるのが億劫だから考えない。考えると「イケナイ世界」に自分が引き込まれるような気がしていたし、面倒くさいことになるような気がしていた。だから音楽や演劇や映画制作など、その時々の関心事に過剰なくらい熱中し、近視眼的に楽しんではいたものの、本当に自分が解放されたと感じたことはなかった。大事なことからは逃げ続けるばかりの日々だった。

東京メトロポリタンゲイフォーラム共同代表:赤杉康伸・石坂わたる【CGS NewsLetter 007掲載】

 2006年7月8日夜、高校3年の男子生徒ら少年4人が、東京都江東区新木場の夢の島公園で男性同性愛者(ゲイ)に暴行を加えて全治40日の怪我を負わせ、現金を奪ったとして、強盗傷害容疑で警視庁城東署に逮捕されました。また、4人組は男性を襲った直後、400メートルほど離れた同運動場内で別の男性も襲い、2週間の怪我を負わせました。4人は初めに襲われた男性の110番通報で駆け付けたパトカーのサイレンを聞いて、2人目の男性からは現金を奪わず逃走しましたが、間もなく同運動場内で捜査員に取り押さえられました。
 この夢の島公園は、ゲイ・バイセクシュアル(両性愛)男性が出会いを求める「ハッテン場」と呼ばれる場所のひとつです。異性間カップルにとっては社会の至る所に準備されている出会いの場ですが、可視化が進んでいない同性間カップルの場合、非常に少ないのが現状です。そのため、ゲイ・バイセクシュアル男性当事者は口コミやゲイ雑誌、最近ではインターネットなどの媒体により自分たちが出会える場所を形成してきました。それがハッテン場です。夢の島公園は東京都内に存在する野外ハッテン場では比較的規模が大きく、今回の事件における1人目の被害者のように全裸になる人やセックスをする人もいます。

クィア学会設立呼びかけ人一同【CGS NewsLetter 007掲載】

jaqs_logo.png クィア・スタディーズとは、さまざまな社会や文化において、性や身体がどのような役割を果たし、どのような決まりに従うのか、あるいはどのような性や身体、欲望や関係性のあり方が可能なのか、それを考える学術的な試みです。クィア・スタディーズに関心のある人びとや、多様な性、身体や欲望を生き、考え、模索する人びとが対話と交流とをおこなう場の一つとして、2007 年秋、クィア学会が発足いたします。本学会は、年次大会の開催、学会ジャーナルの発行を中心に、会員相互の情報の交換と共有を促進し、国内外の他学会・研究団体やその他の社会・文化活動団体との連絡提携を行うことを、その活動の主目的とします。そのため、研究・教育にかぎらずさまざまな立場や視座からの御参加をお待ちしています。

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