04. ニューズレター(休刊)の最近のブログ記事

CGSセンター長:生駒夏美
【CGS Newsletter019掲載記事】

 巻頭の言葉にあたり、正直沈んだ思いを抱えています。日本の状況も世界の状況も、ヘイトの言葉や行動が増え続け、悪くなるばかりです。翻ってICUでも、成果主義や原則論がより強まっているように思います。体制や原則そのものがマイノリティや女性排除的であることを忘れ、原則論を振りかざすことは、本学が大切とする世界人権宣言の精神に反しています。それなのに、異論を唱えること自体が体制的にどんどん難しくなっている。その背後には、女性蔑視やマイノリティ差別、ネオリベ的拝金主義が見え隠れしているように思います。

 CGSはそんな環境で何ができるでしょうか。まずは学生たちのために、ジェンダー・セクシュアリティを巡る言論状況が悪い中、キャンパス改善に働きかけ、すこしでも安心できる場を提供すること。駆け込んできた時に共感と支援、できれば解決策を提供することを目指してきましたが、敗北感にとらわれる出来事に続けて直面しています。

 ひとつは留学生から、学内のジェンダー意識・人種意識の低さを指摘されたこと。ある学内行事は、人種差別的かつマイノリティ/女性差別的にも関わらず、「伝統」の名の下に無批判に、かつ強制参加の形で継続されています。国際性や人権重視の姿勢に反することは明らかながら、学内では批判や被害の訴えを口にもできないと、その留学生は訴えました。別の留学生からは、ハラスメント被害の訴えを非常に軽く扱われて深く傷ついたという話も聞きました。これらの声には、CGSの活動が十分に届いていないことを思い知らされましたし、大学の全教職員の人権意識向上にますます強力に働きかける必要性を痛感しました。また、留学生がCGSの活動に関わりやすくする対策も必要です。

 もうひとつは新寮問題です。ICUはジェンダーを問わないフロアを持つ新しい寮を建設中です。LGBTが不安なく生活できるキャンパス環境が整備されぬまま、この寮が「LGBT 寮」だと誤解した報道がなされる現状には、不安が募るばかりです。大学側には寮則にマイノリティの視点を盛り込む努力を求めたいですし、また、入寮前にジェンダー・セクシュアリティに関する人権講習を必須とする必要性を感じています。建物を新しくするよりも、キャンパスの人権環境を整えることの方がはるかに重要かつ喫緊の課題です。

 設立から12年となるCGSですが、実現できたことは本当に少ない。ICUにはまだ託児施設もダイバーシティ推進部署もできていません。それでも私たちが落胆して声を上げることをやめたら、誰が声を上げるのかとも思うのです。わずかでも実現してきたこともある。そして、ジェンダー・セクシュアリティに興味を持つ学生が増えているのも事実です。少しずつでも良くしていけることを信じ、皆さんのご支援を力に、声を上げ続けていきたいと思うのです。

構成:加藤悠二
【CGS Newsletter019掲載記事】

大学は、学生や教職員が抱えるケア役割に対し、どのようなサポートを望まれているのでしょうか。学長を交え座談会を開催しました。 参加者(ABC順、敬称略):フリアナ・ブリティカ(ICU博士課程後期)、日比谷潤子(ICU学長)、生駒夏美(CGSセンター長)、加藤悠二(CGS嘱託職員)、高松香奈(CGS運営委員)、松﨑実穂(CGS助手)


ケア役割を担う学生
日比谷:2015年度に、従来学費の1/3 徴収してきた休学費を、各学期3 万円の在籍料へ見直しました。見直しの背景には「病状の完治前に無理して復学した学生が、さらに悪化させ退学するケース」や「交換留学制度によらない海外留学」等が念頭でしたが、育児や介護など、休学する事情を問わず学修や研究を続けやすい仕組みになったと思います。
 育児に関しては、学内にいずれ設置したい託児施設が学修支援になりえますが、介護や看病などのケアを担う学生への大学における支援は、具体的にどう考えられるでしょうか。

松﨑:大学全体での理解促進に加え、学生が話せる・相談できる環境が必要です。介護を担う学生の姿は見えづらく、説明も大変なので誰かに話すことも殆どない。最初は授業を少し休む程度でも、病状の進行次第でケア役割は重くなり、抜けられなくなります。
 仮に在学中は介護と学業が両立できても、仕事との両立は難しい。ケア役割を担う学生も、学費や修業年限の問題などをクリアしながら単位を取得し、卒業後のキャリアも考えられる環境が必要です。また、誰にも話さず介護してきた学生が就職相談もしない可能性は、十分考えられます。直接支援が無理でも、外部団体等を紹介できるようにはなっていて欲しいです。

日比谷:就職相談グループには改めて、そのような状況にある学生がいることを十分に理解してもらう必要がありますね。このようなケースがあることを、もっと共有したいです。

生駒:「誰かに話してわかってもらえるだけでも、サポートになり得る」けれども、今の大学には話ができる環境さえない。妊娠・出産も同じで、大学の無理解から当事者学生が孤立しています。

CGS事務スタッフ:加藤悠二
【CGS Newsletter019掲載記事】

CGSは2015年度、女性への暴力根絶を示すキャンペーンカラー・紫で、「誠実」「小さな幸せ」が花言葉であるすみれを象徴とし、デートDVなど身近な暴力について考える「すみれプロジェクト」を、学部生と共同で実施しました(2016年より「すみれネットワーク」に改名)。プロジェクトを担当したCGS 職員・加藤悠二がプロジェクトのあらましを、プロジェクトの発端となった学生・ぺんこさん(ペンネーム)が自身の経験と感想を綴ります。

 2015年4月、所員の紹介でCGSを訪れた学部4年生「ぺんこ」さんは、ICU生同士でのデートDVの経験者で、自分と同じ経験をする学生を減らすための活動を希望していた。ぺんこさん、相談に乗っていた同級生の同志「ちゅん」さん、私の3名をメンバーに活動の模索が始まった。

 ひとつめの活動は、2015年度在学生・2016年度入学生の全員に配布する、日英両語対応パンフレット「デートDVって本当に他人事?」制作だ。表面は「ぺんこさん・ちゅんさんの手記と、若者への調査データを紹介し、デートDVへのリアリティを喚起させること」を、裏面は「学内外の相談先リストを作ること」を目的とした。カミングアウトが難しいHIV 陽性者たちが匿名で綴った手記を用いる「Living Together 計画」のメソッドを援用した。前年度にNPO法人akta・多摩府中保健所と協働した、養護教諭向けHIV情報チラシの制作経験が活用できた。デザインや文章のディレクションは私が行い、「被害者=女性、という図式にならないデータを用意したい」といった方向性は確認したが、データのリサーチや選定は、ぺんこさん・ちゅんさんにお任せした。

 ふたつめの活動は、講演会の実施だ。「デートDVって、知ってる? ―学生発信型啓発活動の在り方を考える」と題し、早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター准教授の兵藤智佳さんをお招きした。兵藤さん司会のもと、同大4年生の湯山秀平さんによる「男性のデートDV被害」に関するアクションリサーチの成果発表から、学生にできるアクションの可能性や、被害のあり方の多様性が、臨場感をもって共有できた。

 最後に、ぺんこさんの「直接学生同士で話す場を設けたい」という強い希望から、「すみれカフェ」を実施した。グランドルールを設けた場には約10名が参加したが、ぺんこさんのファシリテーションの素晴らしさは、特に印象に残っている。プロジェクト開始当初、ぺんこさんはミーティング中に不意に涙を流すことも少なくなかった。しかし、学外のNPOに関わり、学内でも友人にカミングアウトを重ね、相談を受ける立場にもなる経験も通してか、秋口からぺんこさんが泣くことはなくなり、デートDVを語ることに対して、しなやかな自信を身につけていたように見えた。冬になりカフェを切り盛りするぺんこさんは、相手の言葉に真摯に耳を傾け、自分の経験や知識を丁寧に選ばれた言葉で語っていた。自身の経験を「被害/加害」と語ることを好まず、「私の前の彼氏はデートDVだった」と表現することも、その一例であると思う。自分に向き合って生き抜いてきた「サバイバー」としてのぺんこさんが、そこにいた。このプロジェクトで私の働きが皆無だったとは言わないが、それでもなお、「私はぺんこさんに伴走し、"デートDVを経験する"ことのリアリティを、傍で感じさせてもらうことしかできなかった」と、痛み入る想いだった。

 振り返ってみれば「すみれプロジェクト」は、ぺんこさんの回復の過程と共に歩んできた。ぺんこさん抜きの継続には、まったくの新規事業立ち上げとして取り組まねばならない。しかしなお、この花が咲き続けていけるキャンパスづくりが必要なことは、確かなことである。

ICU卒業生(ID 16):ぺんこ
【CGS Newsletter019掲載記事】

CGSは2015年度、女性への暴力根絶を示すキャンペーンカラー・紫で、「誠実」「小さな幸せ」が花言葉であるすみれを象徴とし、デートDVなど身近な暴力について考える「すみれプロジェクト」を、学部生と共同で実施しました(2016年より「すみれネットワーク」に改名)。プロジェクトを担当したCGS 職員・加藤悠二がプロジェクトのあらましを、プロジェクトの発端となった学生・ぺんこさん(ペンネーム)が自身の経験と感想を綴ります。

 私は入学して数か月後に、学内の同級生と付き合い始めました。彼は優しく、気前よく食事もおごってくれ、私と一緒に居ることを最優先してくれる人でしたが、長く付き合ううち、怒りやストレスをコントロールできない人でもあることが分かり始めました。はじめは周りの物に向かっていた暴力の矛先は、次第に私に向いていきました。日常化する様々な暴力を経て、「私がいつも彼を怒らせてしまう」「けれど私だけが彼の全てを理解でき、受け入れられる」と歪んだ考えを持つようになりました。帰省した際、私の顔色の悪さから母が気づいたことを経て、私は彼からのデートDVをはじめて認識しました。

別れたあとも、暴力を受けた場所を通りがかったときのフラッシュバックや、夜中に自分の叫び声で目が覚める、学内で彼や彼に似た人影を見ると過呼吸になり他のことが考えられなくなるなどの後遺症に悩まされました。なんとかしたいと思った私は、友人に紹介されたNPOでデートDVの勉強を始め、自分と向き合っていきました。

1年が経った頃、周囲での「あの二人は彼氏側がやばくて別れたらしい」といった噂の一人歩きから精神的に参っていたこともあり、SNS上でカミングアウトしました。その結果、多くの人からの反響や相談を受け、デートDVを問題化する重要さを知りました。そして私が情報発信する意味も確信したのです。

すみれプロジェクトで、同志の友人と一緒にパンフレットを作って配布したり、カフェイベントでお話ししたりする経験を通し知ったのは、自分をちゃんと受け入れられないと他人を大事にできない、ということです。今の自分がとても嫌な人間だと思っていても、そこから目を背けず、正面から「私を認識する」ことが大事だと気づきました。また、暴力を振るってしまう人だけがおかしいのではなく、誰もがそうなってしまう可能性を持っていることも学びました。みんな心に飼った猟奇的な獣を、日々飼い慣らして生きている。飼い慣らせない人にこそ、焦点があてられるべきだと、強く感じました。私の周りは、私=被害を受けた側しか見ませんでした。しかし、好きで暴力を振るう人ばかりではありません。互いに互いを尊重し、相手に一歩踏み込んで向き合う関係が築けていれば良かったのだろうと、今は思います。そうすれば、彼が暴力の裏に持っていた悲しみや叫びにも、気がついたのかもしれません。

愛や恋愛って結局何なのだろう、と問い続けた4年間でした。単純に言ってしまえば、「自分と向き合い、相手と向き合うこと」なのだと、卒業間際にして改めて気がつきました。大学生活の半分は惜しいことをしたと思ったいりもしますが、だからこその今があります。自分に置き換えるとなかなか難しいと感じるときもありますが、この考え方は常に覚えておきたいです。

最後に、私の卒業後にプロジェクトを引き継いでくれる方を募集しています。このキャンパスでこうした問題が起きたこと・起きていることは事実です。パンフレットのポスティング中、「俺には関係ないなあ」「そもそも彼氏いないし」といった感想も耳に飛び込んできました。私も、入学当初に保健の授業で扱われたデートDVを、他人事と聞き流していました。しかし、実際に私は当事者になりましたし、周囲から相談を受けることが今も少なくありません。無関係な人などいないのです。このプロジェクトで大事なのは、デートDVや恋愛の経験の有無ではなく、お互いを尊重できる「ヘルシーな関係性」の大切さを伝えることです。お互いを尊重するということは、何も恋愛関係のみに限られません。友人や家族など、私たちは様々な人間関係の中で生きています。すこしでも興味を持ってくださった方は、CGSにご一報ください。

ICU学部生(ID 18):松田英亮
【CGS Newsletter019掲載記事】

第4回R-Weeks(2016年5月31日(月)~ 6月11日(土))では、「WEL-COMING OUT!! 家族と友人にできること」と題し、NPO法人「LGBTの家族と友人をつなぐ会」東京理事・小林りょう子さんをお招きした講演会を、6月7日(火)に開催しました。このイベントで司会・コーディネーターを担った松田英亮さんに、この企画の経緯・実施報告をお寄せ頂きました。

 私はR-Weeksイベントとして「家族へのカミングアウト」をテーマに、ご自身もFtMの子を持つ親であり、LGBTやその家族・友人の支援活動を行う小林りょう子さんをお招きする講演会を企画した。カミングアウトをしたい・できないと悩む人も、カミングアウトをされて戸惑う人も、誰もが快く手を広げて抱きしめあえるような、互いにウェルカムな姿勢を持つにはどうすればよいのかを考える機会にすべく、「WEL-COMING OUT」というタイトルをつけた。

 しかし、小林さんご自身のお話や、活動を通して知ったという他の当事者のお話は、私には時に涙を流してしまうほど衝撃的なものだった。「気の迷いだと精神科に連れて行かれた」「学校に行くなと軟禁され転校させられた」「死んだ者扱いされた」、「『中絶すれば良かった』『頼むから死んでくれ』と親に言われた」など命がけの話に、自分の「カミングアウトはきっといつか成功する」という認識の甘さを痛感した。カミングアウトは常によい結果をもたらすとは限らない。小林さんは、カミングアウトを希望する当事者には「普段から何でも話せるようなコミュニケーションを相手ととれているか」を聞くそうだ。大学生が元々あまり関係の良くない親にカミングアウトをしたら経済的援助を止められたなど、自分の生活や夢が困難になる事例もあるため、慎重に考えるべきだという。また、カミングアウトを受けた親も、世間からの疎外感から孤立しがちで、自分や子どもを責めてしまうこともあるそうだ。

 これらのお話から私は、「WEL-COMING OUT」には互いの人生を尊重できる関係性が必要だと感じた。私には、家族へ自分の性的指向を伝えることに悩んでいる、大切な存在が身近にいる。私は、こんなにも素敵な人が「伝えたい事が伝えられない」と悩んでいる姿を見るのが悲しく、何かできる事はないかと悔しさの混じった気持ちも抱えていた。この企画には、その人のカミングアウトを後押しする気持ちが少なからずあった。今すぐにではなくともきっといつかできればと、長期的に応援する気持ちでいた。しかし本当にその人の生きやすさを考えるのであれば、時にカミングアウトをしない方がよい場合が、現在の社会には残念ながら存在することを学んだ。それでも私は、「今は言わない方がよい」とは口にしたくない。だからこそ、自分の身近な人には、日頃の関係性について再度考えてみて欲しいと伝えたいし、カミングアウトされる側の人には、日常会話の中でこの企画について触れるなどして、私はオープンであるという姿勢を示すだけでも環境は大きく変わるのだということを伝えたい。これは一部の特別な人間のみが考えることでは決してなく、ひとり一人に関係する事柄であることが、大学全体で考えられるような機会となっていたなら嬉しい。小林さんが、最後に紹介していた詩のように、ありのままに受け入れられる姿勢を、皆が持てるようになることを願っている。

「私の子供は四葉のクローバーのようです。性的指向はたまたま私と違っていますが、私にとっては、大切に守ってあげたい宝物です。四つ葉のクローバーは不自然なものではありません。ただ、珍しくて、大勢とは違っているだけです。私は、それから葉を一枚もぎとって三つ葉のクローバーに見せかけたいとは決して思いません。」
( 出典:PFLAG, Our Daughters and Sons (Washington, DC: PFLAG, 1995), 8, http://pflagupstatesc.org/forms/daughters_sons.pdf 日本語訳:かじよしみ)

ワシントン大学大学院社会学研究科博士後期課程、ICU卒業生(ID 13):平森大規
【CGS Newsletter019掲載記事】

性的マイノリティに関する経験的研究では、質的調査法が多用される傾向にあるなか、近年、当事者団体による各種実態調査や研究者による学術調査、広告代理店によるマーケティング調査など、計量調査が増加しつつあります。NPO法人虹色ダイバーシティとの共同研究の分析担当者である平森大規さんに、ご自身の経験を踏まえつつ、ジェンダー・セクシュアリティの分野において計量研究を行う意義や、性的マイノリティに関する統計データの読み解き方をうかがいました。

 虹色ダイバーシティが2013 年に「LGBTに関する職場環境アンケート」を開始した理由には、LGBT 施策の推進にあたって企業や行政などから性的マイノリティの困難・ニーズに関する統計データを求められてきた経緯がある。このように計量調査法を用いる意義として、ジェンダー・セクシュアリティに関する不平等の構造や傾向を数字の形で表せるという点が挙げられる。性的マイノリティにとって差別的な現状を変えるための手段として、質的データなどとともに統計データを蓄積していくことがいかに重要であるかが分かるだろう。

 しばしば「計量分析や数字で表わされるデータは中立的・客観的である」と思われがちであり、政策決定に採用される理由にもなっているが、本当に中立的なのは統計分析の部分のみである(誰がカイ二乗検定を行っても結果は同じになる)。実際のところ、計量研究を行う意義は、分析手続きの妥当性を第三者が検証できる点にある。「調査対象者やその抽出方法」「調査票における質問文の言い回し」「用いる分析手法の選択」など、研究者の主観的要素が研究過程のどこに入り込んでいるかを比較的明確に示すことが可能だからだ。

 このように考えると、「計量研究は自らを中立的だとみなしており、計量研究によって客観的知識を発見できると捉えている」というフェミニズム・クィア研究者からの批判はそれほど当てはまらないことが分かる。「数字は嘘をつく」ということを一番よく知っているのは、日々、計量分析を行うなかで主観的選択をしている計量研究者なのかもしれない。

 もちろん、計量研究者はフェミニズム・クィア研究者からの「自らの研究過程そのものが男女二元論や異性愛規範などを前提とし、社会の差別構造を反映している可能性を充分に考慮していない」「ジェンダー・セクシュアリティのカテゴリーを本質化し、ただの変数としてしか捉えていない」「カテゴリー内部の差異を不可視化している」などといった計量研究への重要な批判を真摯に受け止める必要があるだろう。しかしながら同時に、フェミニズム・クィア研究者も計量調査法の利用可能性についてさらに議論を重ねるべきである。

 それでは、私たちは近年増えつつある性的マイノリティに関する統計データをどう読み解いていけばよいのだろうか。私見では、性的マイノリティに関するものを含めた計量調査一般に関する統計リテラシーを身につけることが重要だと考えている。新聞やテレビ、インターネットなどで統計データが紹介された際にも、「誰が何の目的で行った調査なのか」「質問の選択肢は適切か」「分析結果の解釈は妥当か」など、調査結果を批判的な観点から考察すべきだろう。これらを踏まえると、今後性的マイノリティに関する統計データを蓄積していく上で、調査の詳細やデータそのもの(個人を特定できる情報を除いたもの)についても可能な限り公開し、誰でも分析の妥当性を検証できるようにすることが望ましいと考えられる。

CGS事務スタッフ:加藤悠二
【CGS Newsletter019掲載記事】

CGSは「ジェンダー・セクシュアリティとキャンパスライフ」というシリーズタイトルを冠し、「Vol.1:できることガイド in ICU」を2016年4 月に、「Vol.2:やれることリスト108 at University」を同年9 月にリリースしました。制作指揮の加藤悠二が、このシリーズ制作の背景を解説します。

 CGSには学外から2015年度通年で85件、2016 年度は春学期のみで38件の問い合わせや講師依頼があった。「性同一性障害の学生への対応」や「LGBT 学生支援」に関するものが多く、他校やメディアからは「先進的な事例」と扱われることも少なくない。
(註:2017年3月17日現在、2016年度の問い合わせ件数は138件にのぼっている)

 これらの取材対応では、熱意ある他大の教職員の存在にエンパワメントされる一方、疲弊することも少なくなかった。過多な件数をほぼひとりで対応する人員的問題もさることながら、「ICUは先進的ではない」「できていないことばかりだ」と否定を重ね続けることが、大きな精神的苦痛となったためだ。実際、ICUの「LGBT 学生支援」は「先進的」とは言い難い。「トランスジェンダー学生の学籍簿上の名前・性別変更が2003年度からシステム化されてきた」「ジェンダー・セクシュアリティの学際的研究カリキュラムが整備されてきた」といった点は、国内の大学を先行する事例ではある。だが、入試願書には今もなお、男・女の性別欄が残る。また、卒業式で学部生が着用するガウンは、「女性は襟つき・男性は襟なし」のジェンダー区分を迫るものだった(度重なる要望から、2016 年3 月卒業式にようやく廃止)。この大学は基本的に、入学から卒業まで、男女二元論・異性愛主義が基準だ。その原則を頑なに維持したまま、マイノリティを特別扱いして対応する体制において、「先進的」「LGBTフレンドリー」といった評価の甘受は決してできない。

 また、「LGBT 学生支援」という枠組みを自明としたうえで話を求められることも、負担感を強めるものだった。「LGBT」「学生」「支援」の各概念の丁寧な検討もなしに、「問題なのは"LGBT"ではなく、" 女性やあらゆるマイノリティ/マジョリティを含めた、キャンパス全体のジェンダー・セクシュアリティをめぐる環境"だ」という視点の共有もままならず、「LGBT 教職員」の存在は不可視化されていく(筆者自身のカミングアウトが無化されることさえあった)。「目の前のLGBT 学生が抱える困難を支援・解決したい」というニーズに対し、実践事例の紹介は有用かつ必要だが、そこに時間を割く結果、根本的な視座の共有もできないままに「LGBT 学生支援」の話を繰り返すことには限界が多い。

 これらの課題に挑戦すべく制作したのが、冊子シリーズ「ジェンダー・セクシュアリティとキャンパスライフ」だ。「Vol.1:できることガイド in ICU」は、現状のICUで可能な各種対応状況をまとめたガイドブックで、「LGBT学生生活ガイド in ICU」を拡充・リニューアルしたものだ。新刊「Vol.2:やれることリスト108 at University」は、国内の大学が法改正なしに、大学独自の判断で実行可能な「やれるはずのこと」を108個リスト化した改善提案集だ。そこでは学生参加の重要性を強調した。そもそもICUの対応は全て、マイノリティとされてきた学生たちのカミングアウトなしには成り立ち得ないものだったからだ。大学が上から「LGBTフレンドリー」な施策を用意するのではなく、学生も含めた全ての大学構成員が大学を根源的に見直し、改善していく。そんな動きの一助に、これらの冊子がなっていくことを願っている。


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CGSニューズレター 016号が完成しました。
CGSなどでペーパー版を配布しているほか、以下のURLより、pdf版がダウンロードできます。是非ご覧下さい。
なおペーパー版・pdf版に収録されている記事は、要約の場合があります。記事全文は、以下の目次から各記事のエントリーをご覧下さい。

CGSニューズレター 016号をダウンロード(PDF,3.1MB)

CGSニューズレター 016号目次
(各記事のエントリーにリンクしています。クリックしてご覧ください。)


CGSセンター長、ICU教授:田中かず子
【CGS Newsletter016掲載記事】

 2003年の準備年から数えると、私がCGSとかかわって今年は10年目になる。ジェンダー・セクシュアリティに関心のある人たちのコミュニケーションスペースとして出発したCGSは、学内外のさまざまな人たちの思いやアイディアがバチバチ化学反応を起こす触媒の役割を果たしてきたのではないだろうか。「場」の力は、実にすごい。私自身、CGSとのかかわりの中で、どれだけ触発されてきたことか。以下、私の中で起きた現在進行形の化学反応をみっつあげたい。

 ひとつ目は、性差別構造に、男女二元論と異性愛規範がつながったこと。当然と言えば当然なのだが、近代の性差別構造は男女二元論と異性愛規範を抜きにしては語れない。性別役割分業を前提として男女の格差を論じることは、まさに男女というふたつのカテゴリーを前提とし、かつ近代核家族の異性愛的結合を当然とする議論なのだ。性自認や性的指向をめぐる問題を問うことなく、男女間の不平等を追及していくことは、男女二元論、異性愛を当然視する議論を展開することになる。

 改めて性差別とは、性に基づく差別なのだから、女性に対する差別だけが性差別ではない。人は女か男であるという男女二元論に基づいて、生まれた時に与えられた性別に違和を感じる人たち(=ジェンダー・マイノリティ)を排除するのも性差別であり、異性愛規範から外れる人たち(=セクシュアル・マイノリティ)を排除するのも性差別なのだ。これまでのジェンダー研究では、異性愛でかつ性別違和をもたない「シスジェンダー」の男女を前提とし、議論してきたのではないか。

 ふたつ目は、排除されている人たちを周辺に追加するのではなく、中心に持ってくることについて。異性愛でシスジェンダーの男性を「標準」とした社会の仕組みはそのままに、「男女平等」をもとめるシナリオは、始めから限界があったのだ。性差別構造に挑戦していくためには、無償の家事育児ケアをになう人、かつ男女二元論的構造に違和があり、いわゆる異性愛規範から外れた人を「標準」とすれば、どのような社会の仕組みが必要になるのかと、議論の視点を転換する必要があるのではないか。

 みっつ目は、マジョリティの「当事者性」について。よくマイノリティ自身が声をあげて権利獲得のために立ち上がる必要があるといわれる。力のある側のものが力のないものを代表して論じることはできないが、マジョリティはマイノリティを排除する側の当事者であり、その当事者性をもって排除し不可視化する構造について論じる必要があるのではないか。セクシュアル・マイノリティを排除する構造を異性愛者は考える必要があるし、ジェンダー・マイノリティを排除する構造をシスジェンダーの特権を持つ人たちが問題提起していくべきであろう。排除された側がどうすれば声を上げることができるのかを考えるのは、第一義的に排除している側の責任ではないか。

 さて、あなたはどんな「場」でどんな化学反応を経験してきたのだろう。これまで心の中で温めてきた大切なこと、あったらいいなと思う理想を、ゆるゆると語り合っていきませんか。


CGS編集委員会
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

CGSは2004年4月、第一教育研究棟(ERB-I)301にオープンしました。2014年4月に10周年を迎えるにあたり、これまでの活動を振り返ります。(本文中のお名前・ご所属等は、イベント開催当時のものをそのまま掲載しています)


CGS運営委員:生駒夏美
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

 2012年5月にICU授乳室がオープンしました。自身も利用登録者であるCGS運営委員・生駒夏美が、授乳室のこれまでと、今後の展望をご紹介します。


ICU保健体育科:三橋良子
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

2013年度より、教養学部生必修科目「保健理論」内で、CGSスタッフが「性の健康を考える」と題したゲスト講義を開催するコラボレーションが始まりました。「保健理論」を担当する保健体育科主任の三橋良子先生に、この取り組みの企図と、今後の展望についてお寄せ頂きました。


CGS研究所助手:松﨑 実穂
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

CGSの日常業務には、多くの研究所助手(Research Institute Assistant, 以下RIA)が関わっています。社会人経験を経て学術の道へと戻り、現在RIAを勤めている松﨑実穂さんが、CGSでの活動が自身にどんな影響を与えているかを振り返ります。


NPO法人 サポートハウスじょむ スタッフ:二木泉
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

退職後にも、さまざまなかたちでCGSの活動に関わっている元RIAも少なくありません。そのひとりである二木泉さんに、CGSでのRIA経験と、その経験がその後の人生にどう活きているかを語って頂きました。


ICU卒業生(ID 05):清水雄大
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

在学時にCGSに多く関わり、卒業していったICU生には、卒業後もジェンダー・セクシュアリティの視点をもって、それぞれの現場で活動を続けている方も多くいます。ICU LGBITサークル「Sumposion(シンポシオン)」創設メンバーのひとりであるID05清水雄大さんに、当時を振り返ってもらいました。


ICU卒業生(ID 04):飯田亮瑠
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

ICUでは、性別に違和感を持つ学生の学籍簿上の氏名・性別表記の変更が、2003年から可能になっています。ICUで初めて声をあげ記載変更を実現した卒業生の飯田亮瑠さん(ID04)に、当時の想いと、在学生・これから入学を考える学生へのメッセージをお寄せ頂きました。


早稲田大学大学院/CGS研究所助手:堀 真悟
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

CGSでは2012年度より、学内でジェンダー/セクシュアリティを考えるアクション週間「R-WeekProject」を立ち上げ、活動を進めてきました。2013年6月3日(月)~8日(土)には、第1回R-Weekを開催。プロジェクトリーダーを務めたRIAの堀真悟が、これまでの取り組みをご紹介します。


NPO法人 サポートハウスじょむ カウンセラー:髙山直子
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

2008年「自己尊重ワークショップ」講師のほか、ニューズレターにも度々ご寄稿頂くなど、さまざまな場面でCGSに関わってきてくださった、NPO法人サポートハウスじょむのカウンセラー・髙山直子さん。髙山さんから見るCGSとはどんな場所なのか、お話し頂きました。


RC-NET(レイプクライシス・ネットワーク)代表理事:岡田実穂
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

2013年3月に開催した「〈"女"同士の絆〉と生き抜くこと」登壇者のひとり、岡田実穂さんは、RC-NETで活動しています。NPOの立場から、CGSとのつながりと、今後の活動への期待をお寄せ頂きました。


レインボー・アクション代表/映像作家:島田暁
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

NL第7号では、「フツーに動いてみたGAYのこれから」という記事を「akaboshi」名義でご寄稿頂いた、レインボー・アクション代表で映像作家の島田暁さん。その後もさまざまなイベントへのご参加、3度の映像作品上映会の開催でもご協力頂きました。今号では、これからのCGSへの期待をお寄せ頂きました。


「やっぱ愛ダホ!idaho-net」代表、「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」共同代表:遠藤まめた
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

島田暁さんと同じ時期にCGSに初めて足をお運び頂き、セクシュアルマイノリティーズ・インカレ・ネットワーク「Rainbow College」の立ち上げに関わり、日英ユースエクスチェンジにも参加した、遠藤まめたさん。まめたさんにとってCGSはどんな存在なのか、ご執筆頂きました。


ICU学長:日比谷潤子
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

2005年4月に学科間専攻プログラムとして開設され、現在は31あるメジャー(専修分野)のひとつである、ジェンダー・セクシュアリティ研究(pGSS)。このカリキュラム制定に尽力され、現在はICU学長の日比谷潤子教授に、リベラルアーツにおけるpGSSの意義と、それをサポートするCGSの位置づけについてインタビューしました。(聞き手・構成:田中かず子、加藤悠二)


立教大学大学院特任准教授、ジェンダー研究センター所員:藤田ラウンド幸世
【CGS Newsletter016掲載記事/特別特集:CGS開設10周年へ向けて】

立教大学の藤田ラウンド幸世特任准教授は、2011年度よりpGSSコアコース「言語とジェンダー」講師を担当。CGS所員の一員としても活動しています。この2年間の授業経験と、CGSとの関わりを振り返って頂きました。


北里大学 健康管理センター 学生相談室 臨床心理士:柘植 道子
【CGS Newsletter016掲載記事/日本からのニュース:相談の現場から】

CGSは学生にも開かれたコミュニケーションスペースとしても機能しており、学生の皆さんからジェンダー・セクシュアリティにまつわる様々な相談を受けることが多々あります。他大学では相談に関して、どのような体制を築いているのでしょうか。今回は、LGBT学生サポートグループを立ち上げられた、北里大学学生相談室臨床心理士の柘植道子先生にご寄稿頂きました。

「働く女性の全国センター(ACW2)」メンバー:鈴木ちあき
【CGS Newsletter016掲載記事/日本からのニュース:相談の現場から】

CGSで受ける相談のなかには、就職活動や将来のキャリアに関する不安も多く、大学を卒業した後に相談できる機関の必要性が感じとれます。女性の労働に関して、定期的に電話相談を実施している「働く女性の全国センター(ACW2)」スタッフの鈴木ちあきさんにお話を伺いました。(インタビュアー・構成 一橋大学大学院、CGS研究所助手:杢田光)

フェミニスト・ビデオ・アクティビズムWOM(ウム)
【CGS Newsletter016掲載記事/アジアからのニュース】

フェミニスト・ビデオ・アクティビズムWOM(ウム)は、2001年以降、ドキュメンタリー映画製作やメディア教育、政策提案、映画供給などに、フェミニストの立場から取り組んできました。今回のニューズレターでは、2013年3月開催のYoRAPイベント「韓国ユース・レズビアンのつながりを撮る」での講演を収録します。(翻訳協力:伊庭みか子、須崎友紀)

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CGSニューズレター 015号目次
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CGSセンター長、ICU教授:田中かず子
【CGS Newsletter015掲載記事】

 東日本大震災の福島第一原発事故後、私は100年単位のスパンで考える視座の重要性を確信するようになりました。史上最大の原発事故発生後1年以上経過した現在でも、全く復旧のめどが立っていません。福島の人たちは今でも、国から見捨てられたと思わざるを得ないほど絶望的な状況に放置されています。根本的な解決は、一人ひとりが尊厳をもって生きることができる新しい社会のかたちを真剣に探究することにしか見いだせないのではないでしょうか。100年のスパンで考えるということは、自分はもういない世界を想像することであり、自分自身が強固に内面化している社会規範や思考の前提を相対化する有効な手段となりえます。この「100年のスパン」という革新的な想像力こそ、社会構造の根幹に関わるジェンダー・セクシュアリティ問題に取り組む際に有効な手段なのではないかと考えます。

CGS事務局長:加藤 悠二
【CGS Newsletter015掲載記事】

CGSでは2011年度利用者の声を受け、2012年4月「LGBT学生生活ガイド in ICU:トランスジェンダー/GID編」を発行しました。今後のガイド発行の展望と、2013年度開始を目指すR-Week Projectについて、CGS事務局長の加藤悠二がレポートします。

CGS運営委員、ICU上級准教授: 生駒 夏美
【CGS Newsletter015掲載記事】

ICU学内に授乳室が設置されました。その経緯とともに、2012年1月31日、ダイアログハウス中会議室にて、教職員や学生など30名が参加したトークセッション「みんなで語ろう!大学での子育て」について、CGS運営委員・生駒夏美がご報告します。

CGS事務局長:加藤 悠二
【CGS Newsletter015掲載記事】

2011年度冬学期より、CGS研究所助手(RIA=Research Institute Assistant)がイベントコーディネーターを務める新たな試み・YoRAPが始まりました。この試みの背景と、2012年6月までに開催された6つのイベントの概要をご報告します。

CGS 運営委員、ICU 准教授:高松 香奈
【CGS Newsletter015掲載記事】

高松香奈准教授は、2011年より国際関係学・pGSS担当教員としてICUに着任し、CGSの運営委員もつとめています。この1年、ICUで「ジェンダーと国際関係」を担当することを通じて見えてきた気づきについて書き記します。

ICU卒業生(2008年pGSS修了):藤栄麻理子
【CGS Newsletter015掲載記事】

pGSS専攻希望者から多く聞かれる「履修生の卒業後の進路を教えてください」という質問。今回は一般企業に就職した卒業生の藤栄麻理子さん(ID08)に、現在の仕事とpGSSで学んだことの関係を伺いました。

立教大学文学部教授:新田啓子
【CGS Newsletter015掲載記事 日本からのニュース:追悼・竹村和子氏】

2011年12月13日に逝去された日本のジェンダー・セクシュアリティ研究の旗手のひとりである、竹村和子氏。立教大学文学部の新田啓子先生に、故人へ馳せる思いをお寄せ頂きました。

竹村和子フェミニズム基金評議員、元お茶の水女子大学教授:河野貴代美
【CGS Newsletter015掲載記事 日本からのニュース:追悼・竹村和子氏】

竹村氏の遺志のもと設立された、一般財団法人「竹村和子フェミニズム基金」(通称:竹村基金http://takemura-fund.org/)。この基金について、同法人評議員で元お茶の水女子大学教授の河野貴代美先生にお話を伺いました。

健康と人口イニシアティブセンター所長、健康投資相談促進センター創設者 : クアット・チュ・ホン
インタビュアー CGS運営委員、ICU上級准教授:生駒夏美、CGS研究所助手:サマンサ・ランダオ
【CGS Newsletter015掲載記事・全文】

ICUでは2012年度秋学期、ベトナムよりホン先生を客員教授としてお迎えし、「ジェンダー研究特別講義」の授業をご担当頂きます。ホン先生ご自身や研究分野について、生駒夏美とサマンサ・ランダオがインタビューしました。

健康と人口イニシアティブセンター:ホァン・チュ・アン
【CGS Newsletter015掲載記事・全文】

ホン先生よりご紹介いただいたホァン・チュ・アン先生が、ベトナムのセクシュアルヘルス・リプロダクティブヘルスの最新情報をお寄せくださいました。ホン先生のバックグラウンドともなる同国の状況をご紹介頂いています。

埼玉県立大学助教:堅田 香緒里
【CGS Newsletter015掲載記事 特集:働くと「生きる」をジェンダーの視点から考える】

今号のニューズレターでは、『働くと「生きる」をジェンダーの視点から考える』と題し、私たちと労働・社会の在り方を見直すヒントを探る特集を組みました。最初のテーマはベーシックインカム。この概念が切り開く社会の地平について、「ベーシックインカムとジェンダー」(現代書館2011)共編者・堅田香緒里さんに伺いました。

企画・構成 堀真悟:早稲田大学大学院、CGS研究所助手
司会・構成 松﨑実穂:CGS研究所助手
【CGS Newsletter015掲載記事 特集:働くと「生きる」をジェンダーの視点から考える】

講演会「ベーシック・インカムの可能性」の後に、堅田香緒里さんと3名の受講生による座談会を開催しました。講演会コーディネーターを務めた堀真悟(CGS助手)が設定した「働くこと/生きることとベーシックインカム」というテーマを中心に、松崎実穂(CGS助手)司会のもと、参加者の皆さんに存分に語っていただきました。

インタビュアー CGSセンター長、ICU教授:田中かず子
インタビュイー 「働く女性の全国センター(ACW2)」代表:伊藤みどり
【CGS Newsletter015掲載記事 特集:働くと「生きる」をジェンダーの視点から考える】

ベーシックインカムのような新しい制度への試みが必要とされる一方、現状のデータから労働・社会の在り方を見直すことも必要です。若者の雇用環境について調査を重ねてきた「働く女性の全国センター(ACW2)」の伊藤みどりさんに、CGSセンター長・田中かず子がお話を伺いました。

株式会社 創造集団 440Hz 代表取締役・社長:石本恵美
株式会社 創造集団 440Hz 取締役:長井岳
【CGS Newsletter015掲載記事 特集:働くと「生きる」をジェンダーの視点から考える】

「生きたいように生きる」をテーマに学生が集うシューレ大学(運営母体:NPO法人東京シューレ)。その卒業生たちが設立した株式会社が、創造集団440Hz(http://creators440.org/)です。働くことと生きることを見つめて立ち上がったこの会社について、代表取締役・社長の石本恵美さんと、取締役の長井岳さんにお話を伺いました。

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nl008.png発行:2007年9月15日
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 発行:2007年4月1日
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CGSニューズレター 006号

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